あやかと茶々丸が離れていくと
「ツナさん見てましたよ〜。」
「見たいなら私達が見せてあげますから遠慮しないで言ってくださいよ。」
「私も!!」
ニヤニヤと笑いながら円と美砂、桜子が話しかけてきた。先ほどの千鶴達とのやり取りを見ていたらしく、美砂と桜子は千鶴の体勢を真似していた。
「あ〜うん。今回悪いのは俺だけど!!見ないからね!!」
「減るもんじゃないしいいじゃないですかー。大丈夫です。責任は取りますから!」
「そのセリフ男子が言うことだよ!!」
「円はやらないの?」
「私がやってもねー」
美砂がツナとじゃれている傍らで桜子はポーズをとらなかった円を見るが、円は胸に手を当ててため息をついていた。
「ツナお兄さん遊べですー!!」
「お姉ちゃん待って。走ったら危ないよ。」
美砂達からどうやって逃げ出そうか考えていると、鳴滝風香と史伽が駆け寄ってきた。
「風香ちゃん。走らないで!俺がそっちに行くから!美砂ちゃん達ごめんね。俺は向こうに行くから。」
ツナはそれを好機と捉えて不自然にならないように鳴滝姉妹がいる場所に向かいその場から逃げ出す。
「ちぇっ もうちょっとな気がするんだよなー」
「結構本気で狙ってるの?」
「んー告白してくる男どもよりかは好印象かもね。」
美砂が指をパチンと鳴らしながら残念と言っていると円が疑問に感じていたことを口にする。美砂はチア部に入っていることと中学生にしては発育もよく高校生や大学生の男子から告白されることが多かった。だが、その告白も下心ありきなものが多くウンザリしていた。
「ツナお兄さん。褒めるですよ!」
「頭を撫でて欲しいです。」
「二人共よく頑張ったね。」
ツナは鳴滝姉妹を膝に乗せながら二人の話を聞いており、二人はテストで良い点を取れたから褒めて欲しい、頭を撫でて欲しい等ツナに甘えてきていた。ツナは二人の要望に応えながら、甘えてくることが少なくなったランボやイーピンのことを思い出していた。
鳴滝姉妹が満足すると
「ツナさんも楽しんでますか?」
「美少女な女子中学生達に囲まれて嬉しいですよね?」
「裕奈!ツナさんはそんな人やあらへんよ!」
「三人共お疲れ様。テストはどうだったの?」
大河内アキラ、明石裕奈、和泉亜子が話しながら近づいてきた。ツナは三人にテストの結果を聞くと三人共笑顔で答えてきた。そのまま他愛もない話をして三人と別れて違う場所に移動する。
移動した場所には
「やぁ 先日は助かったよ。また時間があったら顔を出してくれたら子供達も喜ぶ。」
「ツナさん。このちゃんのお見合いは今後なくなりそうです。心配おかけしました。あれはご返却した方がいいでしょうか?」
「行くときに声をかけてくれたら調整するよ。ん〜あれは持っててもらっていいかな。非常時の逃げ場にして構わないよ。」
龍宮真名と桜咲刹那が静かにコーヒーを飲んでおり、ツナが近づくと、自然にスペースをあけて二人の間に座らせて会話を始める。
それをみたまき絵などはあれができる女の動き方かと尊敬の眼差しを向けていた。