ツナま!   作:ばすけばすけ

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39話

教室に入ると2-Aの生徒がほとんど参加していた。そしてお祭り騒ぎのようにお菓子を食べたりトランプをしたりと好きなように騒いでいた。

 

「はい!!片付けていつもの席に着いて!とりあえず!まずはこのテストをしてもらいます!」

 

ツナは手をパンパンと叩きながら席に着くように促し、問題用紙を教卓に準備する。

 

「えー!!勉強会じゃないんですか!?」

 

「テストなんて聞いてないですよー。」

 

円や美砂を筆頭に最初の勉強会に参加していなかったメンバーが騒ぎ出す。

 

「皆さん!最初に説明しましたわよね!?」

 

「あらあら困ったわねー。納得して参加してくれていたのかと思っていたんだけれど。」

 

「ツナさんを困らせたらダメやで。」

 

今回が初参加のメンバーも前回の勉強会に参加していたメンバーから事前に流れを聞いてはいたのだが、いざテストと言われてしまうと拒否反発を起こしてしまうようだった。

 

「前回の打ち上げ時にも話したけど、大事なのはみんなのやる気だからね。予想問題だけを受け取るのはさせないから。勉強に関しては優しくするつもりはないよ。いつまでも騒ぐならもっとハードな内容にするけど・・・ネッチョリやるか静かに席に座るか選んでくれるかな?」

 

ツナはニッコリと笑いながらも覇気をまとい淡々と言葉を紡ぐ。ザンザス達が暴れて屋敷を壊した後に氷像を作る時にも似たような笑顔で対象者を凍らしていた。

その笑顔を見た生徒達は騒ぐのをやめて速やかに席につき筆記用具の用意をする。今回はザンザス達に向けるほどではないにしろ、女子中学生を叱咤するには充分効果的だった。

 

「うん。じゃあこの用紙を後ろに回してもらえるかな?」

 

ツナは最前列の生徒達に三枚の用紙を渡して行く。全員に行き届いたのを確認すると

 

「ここに答えと解説、赤ペンを置いておくね。90分後に解説をするから終わった人から取りに来て赤ペンで自己採点をしてほしい。時間内に終わらなくても構わないから。それじゃあ始め!」

 

ツナが言い終わるとペンと紙を動かす音が教室内に響き始める。

30分ほど経過すると教室のドアがノックされた。ツナはドアを開けると高音と愛衣が申し訳なさそうな感じで立っていた。

 

「あれ?二人ともどうしたの?」

 

「勉強会の最中に申し訳ありません。できたら愛衣の勉強も見てもらえませんか?」

 

「忙しいのにすいません。予想問題がほしいわけではなく、わからない所を教えてほしいんです。」

 

「大丈夫だよ。今からする?」

 

ツナは高音と愛衣のお願いを受け入れ隣り合っていて空いている席に座ってもらった。ツナも二人の前に椅子を用意して腰を落とす。愛衣はイソイソとカバンから教科書とノートを用意していた。高音がツナと目が合うと

 

「私は愛衣の付き添いですので気にしないでください。私も高校の後輩から頼まれてしまいまして。毎回は一緒に来れませんので、次回からは一人で来させますので。」

 

「お姉様ありがとうございます。ツナお兄様・・・こちらなんですが・・・」

 

「ああ・・・ここはね・・・」

 

ニコッと笑いながら首を横に振りツナに来た理由を話す。ツナも高音ちゃんは優しいんだねと言いニッコリと笑い返す。高音の言葉を聞いていた愛衣はお礼を言った後にツナにノートを見せて、解説をノートにメモをしながらわからない部分の質問をしていった。


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