ツナま!   作:ばすけばすけ

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第35話

翌日

 

ツナは頭痛と共に目がさめる。

 

「痛ーー。久しぶりに飲むと辛いなー。」

 

「ツナさんおはようございます!大丈夫ですか?」

 

「さよちゃんおはよう。大丈夫だよ。ありがとう。」

 

ツナが部屋から出て二階に降りると、さよとナッツが起きていて遊んでいた。

 

「さよちゃんは普通の身体になれるとしたらどうする?」

 

「普通の身体ですか?そうですね〜。学校に行って、沢山お友達を作って、ご飯を食べたいです!」

 

ツナからの唐突な質問に対して、少し考えた後に笑顔で答える。そんなさよの答えにツナも笑顔で頷いていた。

 

「さよちゃんにあわせたい人達がいるんだ。いまから行く場所は二人だけの秘密でお願いね。」

 

「私にあわせたい人ですか?」

 

さよの答えに納得したツナはさよの手を取り自室へとエスコートする。そして自室のドアを開けると

 

「ほわ〜〜」

 

「ようこそ。ボンゴレへ。」

 

さよが見たものはボンゴレ技術班の研究室であり、至る所にロボットがいた。

 

「ツナヨシくん。久しぶり。」

 

「久しぶりですねボス。」

 

「ボンゴレその子が例の子?」

 

「フン 私を呼び寄せたんだ高くつくぞ。」

 

ツナが来たことに気がついた入江正一・ジャンニーニ・スパナ・ヴェルデが目の前に移動してきた。

 

「あの〜これもロボットなんですか?」

 

「それは人型だね。これがさよちゃんの身体になるんだ。」

 

「私の身体ですか?でもどうやって?」

 

さよはプカプカと浮かびながら周りをキョロキョロと見ていたが、洋服をきたマネキンにも似た物を見つける。触ってみると人肌と同じように弾力がありプニプニしていた。

 

「私とボンゴレが協力して作った人に近い人形だな。」

 

「人と同じ成分でできていまして、後は中身を入れれば完成です。」

 

「中身といっても中に入って操作するわけではないんだ。僕達と同じように電気信号によって神経や筋肉が動かすことができるんだ。」

 

「うちはもっとモスカに近づけたかったんだけど。」

 

科学者四人がそれぞれ説明していくが、さよは理解できていないのかしきりにツナに視線を送っていた。

 

「ハハハ つまりはさよちゃんがあの中に入ることで動かせることができるんだ。」

 

「すごいですね〜。魔法みたいな感じですか?」

 

「魔法ではなくれっきとした科学技術なのだがね。」

 

ヴェルデはさよが魔法みたいですと言いながら目をキラキラさせている姿を見ながらメガネを拭いて呟く。正一とジャンニーニも苦笑いを浮かべておりスパナは飴を舐め始めていた。

 

「ボンゴレ。そろそろ時間。」

 

「もうそんな時間なんだ!さよちゃんその人型の上に重なるようにしてくれない?」

 

「こうですか?」

 

「いきなりごめんね。俺を信じてほしい。」

 

ツナはタイマーを確認すると焦り始める。説明が途中だが、さよに人型の上に重なるように浮いてと指示を出すと掌に炎を灯し、さよを人型に押し込んだ。

さよはびっくりして短い悲鳴をあげるが

 

「もう大丈夫だよ。」

 

「え?あれ?浮かない?」

 

さよはいつもの癖で浮かぼうとするが浮かべないことに首を傾げていた。

 

「浮かぶんじゃなくて足を動かしてみて。」

 

「はい。あ!動きました!歩けます!」

 

「ふむ 成功かな。いいデータが取れた。」

 

「ツナヨシくん。あとは向こうで説明してそろそろ向かった方がいいよ。」

 

「ありがとう。また今度ゆっくりできるときに。」

 

「ありがとうございました。」

 

ツナは苦笑いを浮かべながらさよに足を動かしてと伝えると、さよは立ち上がり歩き始める。歩けたことが嬉しいのかツナに抱きついていた。

そんなツナとさよを見て、ヴェルデはタブレットを操作しながらデータを打ち込んでいた。ツナは正一に言われてさよを抱いたまま夜の炎で移動をする。

 

次にツナ達が向かった先は

 

「ただいま!!」

 

「おかえりなさい。あら可愛い女の子、もしかしてお赤飯の方が良かったかしらー」

 

「母さんが想像しているのとは違うからね!」

 

「そろそろ諦めて孫でも作れボンゴレ。」

 

「ンナ!!ランチアさんまで何言ってるんですか!!」

 

「お邪魔します。相坂さよっていいます。よろしくお願いします!!お義母様?」

 

ツナ達が向かった先は奈々が住んでいるツナの実家であり。リビングに入ると奈々とランチアが寛いでいて、ツナとさよの姿を見ると奈々は嬉しそうに笑いながら二人に抱きつく。

ランチアは奈々の発言に眉間を押さえながらツナに呟く。さよは二人が言っている意味がわかっていないらしくキョトンとしているが、ツナは顔を真っ赤にしながらツッコミを入れていた。

 

「さよちゃん。いきなりで申し訳ないんだけど、夏休みの間だけ、ここに住んで身体の調子や一般常識や勉強をしてほしいんだ。」

 

「え!?私はもう麻帆良には戻れないんですか?」

 

「夏休みの間だけだよ。夏休み明けには2-Aに通えるようにしておくから。」

 

「学校に・・・わかりました!!」

 

ツナはさよに身体の説明をし、慣れるまでは数週間かかってしまうこともあり、何かあった際にすぐに解決できるこちら側にいてほしいと伝える。さよは不安な表情をするが夏休み明けには2-Aに通えるときくとパッと笑顔になり、ツナに頷いていた。




科学班四人は霊視ゴーグルを装着していたためさよを視認できています。

ツナが時間を気にしていたのは次回にて。

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