完成した店舗に2-Aの面々とツナはきていた。
「内装のテーブルとイスもこのまま使用していいのですが、ここから先は私達のみでの作業になりますわ。」
「電気関係の配線もできているしこれ以上望むものはないネ」
「ちょっとやりすぎよあやか。」
「でもテーブルとイスの組み立ては難しいし、配線関係も専門的な知識がいるからいいんじゃないかな。」
店舗内はすでにテーブルとイスが完成しており、だいたいの内装は完成していた。後はメニュー表やら出し物関係の小物だけの状態だったのだ。
メニューは先日ツナが提案した物でほとんど決定していたため、今日は衣装を決めることから始まった。
衣装は飲食店ということからメイド服とウェイトレス、超包子提携なことからチャイナ服の三種類あり、各々が好きなタイプを選べることになっていた。勿論日替わりも可だ。
女性陣が着替えのために奥の部屋に行っている間、ツナは一人で男性用の衣装を確認していた。
(燕尾服?なんで飲食店で燕尾服?)
ツナは用意されていた衣装の中に燕尾服をみつけて戸惑っていた。
「あの・・・」
「ん?」
ツナは声をかけられて後ろを振り向くと制服姿のままな亜子・アキラ・裕奈が立っていた。
「亜子ちゃんに、アキラちゃん、裕奈ちゃんだよね?どうしたの?」
ツナは考え事をしてはいたが、誰かが後ろから近づいて来ていることには気がついてはいた。
「あの・・・ハンカチを・・・あの時はありがとうございました。」
亜子は顔を真っ赤にし俯きながらハンカチを差し出す。アキラや裕奈は亜子の背中を押している格好になっていた。ハンカチはアイロンがけもされており半透明の可愛い袋に入れられていた。
「あー別に返さなくても良かったのに。可愛い袋に入れてアイロンがけもしてくれたんだ?ありがとね。」
ツナはハンカチを受け取り笑顔を三人に向けながら無意識に亜子の頭を撫でる。
「え?ツナさん。その・・・」
「あ!ごめんね。つい・・・・」
「ツナさん!私にもしてくださいよー」
「亜子大丈夫?」
亜子はスカートを握りしめていたが、恥ずかしい気持ちが半分に嬉しい気持ちが半分で自身の気持ちに困惑していた。裕奈はツナに擦り寄りながらおねだりをし、頭を撫でられて満足気な顔をしていた。
「ツナヨシさん。良かったら学祭の二日目に私たちと廻りませんか?」
「アキラいい考え!ツナさんお願いします!
「うちもツナさんと廻りたい・・・です。」
アキラがツナに学園祭を一緒に廻らないかと誘うと裕奈が元気よくツナに頭を下げる。亜子も顔を赤くしながら自分も廻りたいと頭を下げる。
「大丈夫だよ。でもシフトがまだ決まっていないから、結論は決まってからでいいかな?」
「大丈夫!先約ってことでよろしくです!」
「じゃあ私たちも着替えて来ます。」
「ツナさんまた後で。」
裕奈が若干ハイテンション気味にツナの手を取り約束を取り付けると、アキラが着替えに行こうと亜子の手を取り裕奈の頭を叩く。アキラは軽いお辞儀をし、二人を連れて奥の部屋に向かって行った。