そして月曜日、ツナはお店を午前中で閉め、あやかと一緒に職員室に向かっていた。
「学校の空気懐かしいなー。ちょっとだけ寄り道したらダメかな?」
「寄り道ですか?少しくらいなら大丈夫ですわ。」
「ありがとうあやかちゃん。寄り道というより軽く学校を案内してほしいんだ。」
「それはおやすいご用ですわ。(これはデートというやつでしょうか?)」
ツナとあやかはニコニコと話しながら進んで行くのだが、二人の後ろにはイケメン好きな女子生徒数人が付いてきていた。(美砂達ではない。)
「失礼します。2-Aの学祭の外部協力で参りました。沢田綱吉です。よろしくお願いします。」
「話は聞いておる。学園長の近衛近右衞門じゃ。孫も世話になっとるの。」
「学年主任の新田です。2-Aは騒がしいから怪我をしないように注意してください。何かあれば私に言っていただければ対応させてもらいます。」
「源しずなです。臨時で2-Aの担任をしています。雪広さん。なかなか参加できずにごめんなさいね。」
職員室に入ると学園長、新田先生、源しずな先生と自己紹介をする。新田先生は厳しい印象を受けるが憎まれ役を買って出ている印象で、極限!極限!とは叫ばないが了平さんみたいな面倒見がいい感じがした。
源しずな先生は母親の奈々を思い出すようなマイペースな感じで癒される雰囲気の持ち主だった。
ツナとあやかは職員室で手続きを終えて軽く校内を回る。2-Aが心配ではあったが、超や千鶴が中心となって、メニューやら内装を決めていると信じツナに校舎を案内する。
本来のあやかは相手がネギなら過剰なスキンシップをしていたはずではあるが、大人なツナに対してはスキンシップはなく、隣を歩きながら学校を説明し歩いていた。
2-Aの教室が近くなり、最後に家庭科室を軽く覗くツナ。
「あ!ツナお兄様!」
愛衣のクラスが準備で使用していたらしく、ツナに気がついた愛衣が抱きついてきた。何事ですか!とあやかは石のように固まってしまうが、
「「「「きゃぁぁぁーー」」」」
急なイケメンの登場と、そのイケメンに愛衣が抱きついたことにより他の生徒が黄色い悲鳴をあげる。その悲鳴を聞いたあやかが正気に戻り、騒がしくなる前にツナの手を取りその場から立ち去る。
「ツナさん逃げますわよ!」
「え!?ごめんね。愛衣ちゃんまたね。」
残された愛衣は少し残念そうだが、余韻に浸かることなく他の生徒に質問責めにあってしまう。
逃げたツナとあやかだが、教室が近いこともあり2-Aの教室に駆け込んでいた。
「あーー!委員長がツナさんと手を繋いでる!」
「うわ!委員長やるわね。」
「ホンマや〜。ずっと繋いできたんかな?」
あやかはクラスメイトに指摘されて、ツナの手を握っていたことを思い出す。
「これは!皆さんが考えているようなことではなくてですね!仕方なくですわ!」
照れ隠しもあり、手を上にあげて全力で否定をするが
「委員長ー。否定をしながら握りっぱなしだよー」
あやかは否定をしながらもツナの手を握っており、それを朝倉に指摘されて顔を真っ赤にしてしまう。
「あらあら あやかったらしょうがないんだから。皆さん。ツナさんとあやかも来たことですし。続きをしますよ。」
そんなあやかに助け船を出したのは千鶴で、学園祭の準備を進めるように、ニコニコと促す。しかし、あやかに対抗するためなのか、あやかの逆に立ちツナの手を握り胸の谷間に腕を押し込んでいた。
「千鶴ちゃん!?」
「千鶴さん!なにをしているのですか!?」
「ん・・・ツナさん動かさないでください。あやかだけ狡いですよ。私のことも愛してください。」
言い終わると千鶴はあやかを引き連れて戻る。ツナには刺激が強すぎて動けずにいた。そんなツナに対して鳴滝姉妹や美砂達が私も!とツナに抱きついていた。
千鶴がツナの耳元で囁くように言ったため、千鶴の言葉はツナとエヴァ、茶々丸にしか聞こえなかったようである。