愛衣に関しては、中学一年生にしては落ち着いているが、魔法学校で教わった正義を貫くために自分を押し殺している。高音といる時は少し素を出せるが、魔法先生と一緒だと感情のない機械のように淡々と任務をこなす。根は甘えん坊で可愛い物好きだと考えています。
ツナ宅にて
真美は夕食の支度を、ブルーベルは仲良くなった愛衣と一緒にナッツと戯れていた。一種の癒し空間が出来上がっている。そんな中、ツナと高音は向き合い話をしていた。
「先ほどは失礼いたしました。警備員に幼女を無理矢理連れ回しているという通報がありまして、通報された服装と合致していたためにあのような行動を。」
高音はツナを変質者に間違えた経緯を説明していく。
「誤解を招いた俺も悪いけど、次からは事実確認をきちんとしようね。」
ツナはそういうと高音の肩をポンと叩き、この話はお終い!と話を切り上げた。ツナは超直感から今回の通報は、以前から鬱憤が溜まっていた輩が美少女二人に囲まれたツナを見て嫉妬したのだろうと伝えてきた為、掘り下げてもしょうがないと判断したのだ。
「単刀直入に聞くけど、君たちは魔法使いだよね?」
「やはり貴方もこちら側の人間なんですね。」
「俺は魔法使いではないよ。気を使う人間は知ってるよね?」
「つまり先ほどのは気を炎に変換していたということですか?」
ツナは高音に死ぬ気の炎のことを話す。
(高音ちゃんは頭がいいね。一を話すとそれ以上のことを理解してくれる。超直感も味方に引き込むべきだと言ってるから慎重に話さないと)
「愛衣。いい加減貴方もききなさい。」
「ごめんなさい。ブルーベルちゃんもナッツちゃんも可愛くて。」
「ナッツが気に入ったならいつでも遊びに来ていいよ。」
「にゅー。愛衣。イタリアに帰ってもメールするからな!」
ブルーベルは寂しそうに愛衣に擦り寄り、愛衣も抱き寄せる。そんな二人を微笑ましく見守るツナと高音。
二人が落ち着いた後に、エヴァにも伝えた内容を二人にも話す。
「わかりました!この高音・D・グッドマンも力をお貸しいたします!何かありましたら連絡してください。」
「私も大丈夫です。頑張ります。」
高音ちゃん、愛衣ちゃんもありがとうとツナは笑みを浮かべる。その笑みに見惚れてしまう二人。
「あの・・お兄様って呼んでもいいですか?」
「愛衣!?」
「ツナさんといると暖かくて安心するんです。お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかなって思って・・・ダメですか?」
愛衣は瞳をうるうるとさせながら上目遣いでツナを見つめて、ツナから感じた印象を語る。
「なんて呼んでも大丈夫だよ。」
ツナはそんな愛衣に庇護欲を感じ頭を撫でながら(昔の凪もこんな感じだったよなー。)と昔を思い出していた。
愛衣は嬉しそうに頭を撫でられており、高音もそんな愛衣を見て安心していた。
高音から見た愛衣は、大人の言うことを聞いてしまう傾向にあり、まるで機械のように任務をする印象があった。
そんな愛衣が、魔法先生ではないものの大人であるツナに対して感情を露わにしているのである。この出会いと変化か愛衣に対してプラスになればと高音は考えていた。
「この洋服は洗濯してお返しします。」
「高音ちゃんに似合いそうだから買ってきたんだ。だから貰ってくれると嬉しいな。あと愛衣ちゃんにも。」
「え!私の分まであるんですか?」
「うん。たまたま愛衣ちゃんにも似合いそうなのがあってね。つい買って来ちゃった。良かったら着てみてくれないかな?」
ツナは立ち上がり部屋から出ていく。残された二人はどうしようかと迷うが
「愛衣!私もみてみたいから着てほしい。」
ブルーベルがにゅーと言いながら抱きつきナッツも膝に擦り寄ってきた。高音と愛衣は断るのは逆に失礼にあたると考えて甘える事にした。
「にゅー!愛衣可愛い!ツナー終わったよ!」
ブルーベルの呼び掛けに答えてツナと真美が料理を持って入ってくる。
「やっぱり似合ってるね。可愛いよ」
「わー愛衣ちゃん可愛い!正統派美少女だね!」
愛衣の服は淡いピンクのワンピースに黒い上着だった。
「ツナお兄様ありがとうございます!真美さんもありがとうございます。」
愛衣は嬉しそうにピョンピョン跳ねて喜んでいる。つられてブルーベルやナッツも一緒に跳ねて喜んでいた。
「愛衣。嬉しいのはわかりますが、せっかくの料理が冷めてしまいますよ。早くお座りなさい。ブルーベルちゃんも。」
「じゃあ食べようか。」
「「「「「いただきます!」」」」」
五人と一匹は雑談をしながら少し遅めの夕食をとり、ツナは高音と愛衣を寮まで送り、真美とブルーベルは夜の炎でイタリアに帰った。
高音と愛衣がツナから貰った洋服の値段を知り驚くのは別の話。