ツナま!   作:ばすけばすけ

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第2話

チェッカーフェイスに頼まれてツナは麻帆良学園に来ていた。

死ぬ気の炎が使えることがバレても復讐者は関与して来ないのと、魔法や気という戦い方があることを予備知識で教えてもらった。

 

街並みを観察しながら歩いているツナ、階段を上っていると上から

 

「キャー!!」

 

「危ない!」

 

「のどかー!」

 

という声が聞こえ、上を見ると女の子が階段から落ちていた。ツナは空中で女の子を抱え着地し

 

「大丈夫?」

 

と女の子を見るが、女の子は目を瞑って震えていた。

 

「もう大丈夫だよ。怖かったよね。」

 

と女の子を強く抱く。

 

「ありがとうございます」

 

女の子は落ち着いたのか頭を下げお礼を言った。

 

上から「のどかー」と二人の女の子が降りてきてのどかという少女に抱きつく。

 

「うん。大丈夫だよ。あの人が助けてくれたから。」

 

「よかったです。助けていただきありがとうございます。」

 

「お姉さんありがとなー」

 

と二人の女の子からもお礼を言われる。

 

ツナは優しい笑顔で

 

「怪我がなくて良かったよ。でもあの量を持つのは感心しないな。」

 

と注意をする。

 

三人は「ごめんなさい」とシュンとなる。

ツナはそんな三人をみて笑いながら

 

「運ぶのを手伝ってあげる。」

 

と言い本を拾い始めた。悪いと思いながらも少し話してみたいとも思った三人は甘えることにした。

 

荷物を運びながら

 

「自己紹介をしてなかったね。俺は沢田綱吉、ごめんね男なんだ。ツナって呼んで」

 

と言うと、三人は声を出して驚く。

 

のどかは真っ赤になりながら小声で

 

「わたし・・男性と抱き合ってたの?」

 

とアワアワしだす。

 

「それにしても女性にしかみえないのですよ。」

 

「ホンマや〜。綺麗な髪やし。」

 

二人の少女も驚いていた。

 

「私は綾瀬夕映です。女子中等部二年生です。」

 

と落ち着いた感じの子が。

 

「うちは近衛木乃香や!同じ二年生なんよ。」

 

と大和撫子と言ってもいい子が。

 

「わたしは宮崎のどか・・です。」

 

と前髪で顔を隠した子が自己紹介をした。

 

「夕映ちゃんに木乃香ちゃんにのどかちゃんね。よろしく。これはどこまで持って行くの?」

 

といまさら確認する。

 

「これは図書館に返すんです。」

 

「ツナさんは高校生なん?」

 

「俺は21歳で社会人だよ。麻帆良には今日来たばかりなんだ。」

 

と言うと、また三人は声を上げて驚く。その後も世間話をし、図書館に本を返却した。図書館島をみたツナはナニコレとツッコミを入れてびっくりしていた。

 

三人はお礼がしたいと言うがツナは見返りを求めたわけではないと断るが、それでも!と言ってくるので、お店への行き方がわからないから案内を頼んだ。

当然、道がわからないのは嘘である。

 

「この場所なら女子寮の近くです。」

 

「ほんまやー」

 

と歩きながら色々な話をする。

 

お店に着きお礼を言い

 

「良かったらコーヒーくらいご馳走するよ。」

 

のどか達は断るが

 

「女子中学生の評価が気になるし、良かったら寮で宣伝してほしいかな。」

 

とお礼だけではないんだと舌を出すツナを見て、それならと笑い店内に入る三人。

 

「落ち着いた雰囲気のお店です。」

 

「なんかリラックスするわ」

 

「落ち着きます。」

 

と店の雰囲気を気にいる木乃香達。

 

お店はカウンター席が少しで、最大15人くらいで満席になる程度の大きさだった。店内はモダンな造りで窓から見える花壇が綺麗だった。

 

ツナはカップを三つ置く。

 

「美味しいです。」と三人は感想を言う。

 

「ありがとう。これはオリジナルブレンドなんだ。良かったらケーキも。」

 

とショートケーキを出す。

 

「美味しいね。ユエ。」

 

「美味しいです。これも手作りなんですか?」

 

「そうだよ。」

 

ツナも一緒の席に座る。三人は味を楽しんでいたが、木乃香が

 

「このお店は一人で回すん?」

 

「基本的には一人だけど、アルバイトを探そうか迷ってるんだ。まだ人手がいるかわからないし。」

 

と肩を竦めると、

 

「私を雇ってくれませんか?」

 

と木乃香が爆弾を投下した。

 

「ちょっと待って!中学生って働いていいの?」

 

「麻帆良では、本人達の同意があれば大丈夫なんよ。」

 

と笑顔で木乃香が答える。

ツナは木乃香の意志が固いことと、超直感が断るなと警告を出していたことから条件付きで了承した。

条件は保護者の同意を得ること。学業優先。である。

 

「ユエ〜木乃香すごいね。」

 

「でも正解だと思うです。このお店は人気が出そうですし、最初からアルバイトを雇った方がいいです。」

 

と話すのどかと夕映。


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