翌日
2-Aでは学園祭の出し物を決めるHRをしていた。
「皆さん!いい加減決めないと間に合いませんわよ!」
あやかが遊んでいるクラスメイトを注意するが、各々好き勝手に発言しまとまりがなかった。
本来であれば担任が多少は仕切るのだが、2-Aの担任であるタカミチ・T・高畑は長期出張に出ているため、源しずなが代理で受け持っていた。源しずなもずっと見ていられる訳ではないため、あやかが仕切るしかない状況になってしまっている。
高畑は表向きはNPO活動の一環で長期出張をしているが、関東魔法協会の認識は違う。近衛近右衞門がネギ・スプリングフィールドの受け入れに難色を示した為、反旗を起こし単身でネギの護衛に向かってしまったのである。
「はいはーい!超包子のメンバーもいるし飲食店は?」
「メイド喫茶!」
「ツナお兄さんに協力してもらって喫茶店は?」
「「「「「「それだ!」」」」」
風香の発言に何人かが喰いつく。
「木乃香さん。申し訳ないのですが、学園祭でのツナさんの予定はわかりますか?」
「学園祭の最中はお休みにして、見て回りたいっていっとったで。」
「なら早めにお願いをした方がいいと思うです。」
「そうね。ちょっときいてみるわ。」
千鶴がツナに電話をかけ始める。
「ツナさん。千鶴です。可能であれば学園祭に協力をしていただけないかと思いまして、はい。わかりました。」
「とりあえず、いまから話をしに行くことになったわ。」
千鶴が電話を切り注目していたクラスメイトに伝え、行くメンバーを選出した。
「なら合同で店舗でもやるカ?超包子も面白い企画がなくて困っていたネ。教室ではなく、それなりの施設があればの話だがネ。」
「それなら雪広グループで使用予定だった店舗を提供できるかと思いますわ。」
ツナも協力するのが確定になっているかのように場所と出し物が決まった。
説明するための責任者として委員長・千鶴・超
日頃からアルバイトとして交流がある木乃香・明日菜・夕映・のどか。
ジャンケンに勝利したエヴァ
に決まった。
「エヴァンジェリンさんがこういうのに混じるのって珍しいね。」
「私もあの男には興味があるからな。」
と不敵に笑い木乃香達を見る。
「では喫茶店を第一候補に進めて行きましょう。後はコンセプトと衣装を各自でも考えて来てください。」
あやかの一言でHRが終了した。
アルバイト組も今日は休みをもらっていたため、八人がまとまってお店に行く。ツナは他にお客さんもいないことからお店を早く閉めて八人とテーブルに着いた。
「千鶴ちゃんの電話の件なんだけど、ちゃんと説明してほしいかな。」
ツナはコテンと首を傾げる。
「その前にいいカ?私は超鈴音っていうヨ。よろしくネ。」
打ち上げパーティの際にも来ていたがきちんと自己紹介をしていなかったからと、超鈴音とツナは自己紹介をする。
「ツナさんは麻帆良学園祭についてはご存知ですか?」
ツナが首を横に振るのを確認したあやかは麻帆良学園祭について説明した。
「学校の学園祭に企業が絡むんだ。麻帆良学園は本当に凄いね。いいよ。一緒に頑張ろうか!」
ツナは話を聞いて驚いたが八人の真摯な思いに共感し引き受けることにした。
「準備期間もあるんだよね?来週からお昼までの営業にして、準備も手伝うから。」
「そこまでしていただくわけには・・」
「俺も楽しみだから気にしないで」
あやかは申し訳ないと思いながらもツナの好意に感謝した。
あやか達は来週までにお店のコンセプトと衣装を決めることを、ツナもメニューについて少し考えておくことを約束しその日の話し合いは終わった。
各々が帰る準備を進めて行く中で
「ツナ。今日泊めてくれないか?」
とエヴァが唐突にツナの膝に座り、首に抱きついた。