翌日魔法球から出る三人と一体。
「んーゆっくり休めたよありがと。」
「私との死闘がゆっくりか、また来てもいいぞ。しかし魔法球は老化が早まるから多用は進めんがな。」
ツナはまたねと言いながら家をあとにした。行きとは違いナッツを肩に乗せている。
「あ!ツナさんや〜ナッツちゃんもおる〜」
「このちゃんいまは」
と着物姿の木乃香と制服姿の刹那が街中を走っていた。
「木乃香お嬢様!やっと追いつきましたよ」
「刹那くんも任務に戻りなさい。」
「なに?どうしたの?」
「おじいちゃんが勝手にお見合いを組んでるんよー うちはいややって言うてるのに。せっちゃんに頼んで逃してもらってたんやけど。」
「このちゃん。私の後ろに。」
刹那は夕凪を構えようとする。
「へぇ、無理矢理お見合いねー。ナッツ。」
とナッツが刹那の前に飛び立ち「Gyaoo」といつもと違い低音の雄叫びをあげる。その雄叫びで追っ手達がたじろぐと、ツナは一瞬の隙をついて、右に木乃香、左に刹那を抱き上げて移動する。ナッツもツナの頭の上に戻ってきていた。
ツナは木乃香の話をきいて、ボンゴレを継いだ後に9代目や古狸達から騙されて見合いパーティに連れてかれたり、紹介されたりしたのを思い出していた。木乃香の姿が自分と被って見えたため切れかけていた。
追っ手を振り切ったツナは自宅にて木乃香と刹那を休ませていた。
木乃香と刹那はナッツと戯れて、ツナは人数分の紅茶とケーキを用意していた。
「お待たせ。疲れてない?」
とケーキと紅茶をテーブルに置く。
「大丈夫やえ。助かったわー ありがとう。ツナさん運動もできるん?」
「ありがとうございます。二人を抱えてたのに結構なスピードで走ってましたよね。あと以外と筋肉も・・・」
刹那はツナに抱き上げられている際の胸板や二の腕の感触を思い出し顔を赤くしてしまう。木乃香は純粋に運動もできたことに驚いていた。
「木乃香ちゃんはこういうことがよくあるの?」
ツナは刹那が赤くなった理由は、急に男に抱き上げられて恥ずかしかったからと判断し、木乃香に語りかける。
「そうなんよ。うちまだ中学生なのに、まだお見合いなんてはやいわー。恋をするなら普通にしたいんよ。」
「このちゃん。」
木乃香は若干涙目になりながら話し、刹那はそんな姿を見ながら拳を握りしめていた。
「木乃香ちゃん・・・一番いいのは実力行使をしてでもわからせることだけど。」
ツナは過去の見合いパーティの際に黒幕を氷漬けにしたことを思い出すが、木乃香に暴力は似合わないと首を振る。
「直接的な解決にはならないかもだけど、これをあげる。」
懐から鍵を取り出し木乃香と刹那に手渡す。
「これは?」
「なんのカギなん?」
刹那と木乃香は不思議そうにカギを見つめていた。
「それはこの家の合鍵だよ。もしも逃げる必要があったらここにおいで。」
ツナがそういうと意味を理解した二人はだんだんと顔を赤くし、大事そうにガキをしまう。
「ありがとうな〜。」
「大事にします!」
「好きな時に来ていいからね。」
と二人の頭にポンッと手を置き撫でる。
木乃香は明日菜に着替えを持って来てほしいと頼み四人で夜ご飯を食べることにした。
「今日はうちがつくるえ!」
と木乃香がエプロンをつけながらキッチンに立ち料理を始める。刹那は手伝いをしながら木乃香に料理を教わっていた。
明日菜はツナと二人っきりになりドキドキしながらも勉強を教わっていた。
「ツナさんここなんですけど。」
明日菜は上目遣いでツナを見ながら質問をする。頬が若干赤く口元はニヤケている。
「この問題は引っ掛けだね。この部分とここに気をつけてもう一回挑戦してみようか。」
と頬と頬が触れてしまうような距離で教える。
そんなツナに明日菜の内心は、
(近い近い〜〜まつ毛長いー いい匂いがするよー このままエヴァちゃんみたいに・・・恥ずかしくて無理ー)
とその距離感に暴走しそうになっていた。
明日菜の自身との戦いは木乃香と刹那が来るまで続いた。
ご指摘がありましたので少しずつになりますが、過去に投稿したものを修正します。