ツナま!   作:ばすけばすけ

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第16話

エヴァンジェリンは金曜日の朝に学園長に説明をしに行った。

 

「ジジイ。呪いを解いた。お前には多少の恩もあるからまだ麻帆良にはいてやる。」

 

「ちょっと待つのじゃ!いきなりすぎるぞい!」

 

「いきなりだと!私が長年研究していたのを知っているだろ!ボケたかジジイ!」

 

エヴァが近右衞門に殺気を向ける。

 

近右衞門は失言に気づき

 

「すまなんだ。つい混乱してしまい。関係各所への連絡はしておく。」

 

と頭を下げる。エヴァが出て行くと書類をまとめたり電話をし始める。

 

放課後になると木乃香達六人に刹那を加えた七人はツナ宅の和室で宿題をしていた。

 

「ツナさん。ここはどうしたらいいですか?」

 

と主に質問をするのは明日菜とのどかであり、刹那には木乃香が教えていた。

 

その時、

 

「ツナ邪魔するぞ。」

 

とエヴァが和室に入ってくる。

 

「あーエヴァンジェリンさんや。どうしたん?」

 

「ん?お前達もいたのか。私はツナと話したいことがあってな。少し借りて行くぞ。」

 

とツナの腕を掴み三階に上がっていく。

 

ツナとエヴァが出ていくと

 

「エヴァンジェリンさんが受け答えをしてくれるなんて珍しいわ。」

 

「そやなー 初めて話したえ」

 

「エヴァンジェリンさんとツナさんは、いつの間に仲良くなったのでしょうか?」

 

「ツナさんと二人っきり・・は!またいかがわしいことを!」

 

「ちょ!委員長!静かに。」

 

「夕映どうしよう」

 

「エヴァンジェリンさんまでもが」

 

と各々喋り出す。

 

「今度の日曜日の午後に私の家に招待してやる。戦いの道具も持ってこい。」

 

とツナに地図を渡す。

 

「日曜日の午後ね。わかったよ。」

 

と地図を受け取る。

 

「待っているぞ。」

 

と部屋から出て行き店をあとにした。

 

ツナが二階の和室に戻ると

 

「ツナさん!エヴァンジェリンさんと何をしていらしたんですの?」

 

とあやかが平常心を装いながら聞く。

 

「お店の紅茶について産地とか色々聞かれてたんだよ。エヴァちゃんはヨーロッパ出身だから懐かしい味がしたんだって。」

 

「二人っきりになる必要はあったのかしら。」

 

と千鶴がツナに近づき聞く。

 

「恥ずかしかったんじゃないかな?」

 

と少したじろぎながら言うと

 

「そっかー。エヴァちゃんにも色々あるんだねー。」

 

と明日菜が頷く。その後は何事もなく勉強を進めて解散した。

 

日曜日。

 

ツナは買い物をしてから行こうと午前中に家を出る。

街中を歩いているツナには女性達からの熱い視線がいくつも集まる。そんな中、超直感に従い路地に入ると。

 

「やめてください!」

 

という女性の声が聞こえてきた。

 

ツナは急いで声の元に向かうと女の子三人が男性六人に囲まれていた。その内の女の子一人が男性に腕を掴まれている。

 

「離して!」

 

「ちょっと亜子を離しなさいよ!」

 

「警察を呼びますよ!」

 

と女の子達は抵抗するが、男達は笑いながら、

 

「来る前に車に乗せるからいいよー。」

 

「楽しもうよー」

 

などとやめる気配がない。

 

「嫌がってるんだから、それくらいにしときなよ。」

 

ツナは女の子を掴んでる腕をひねり上げる。

そうすると男は痛がり女の子を解放した。ツナは瞬時に女の子を抱えて移動し、三人を背に隠す。

 

「なんだお前は?」

 

「こいつ男か?」

 

「なよなよしたやつがでしゃばんなよ」

 

と男達が殴りかかってくる。ツナは一人一人に手刀を入れて気絶させる。六人を制圧するのに十秒もかからなかった。

 

最後の一人を気絶させると、広域指導員がやってきて男達を警察に引き渡した。

 

ツナは

 

「大丈夫だった?」

 

と女の子三人に笑いかける。女の子三人を良く見ると、この間のパーティにもいた2-Aの生徒だった。腕を掴まれていたのが和泉亜子、残りの二人が明石裕奈と大河内アキラと自己紹介した。

 

「ツナさん。ありがとう。うち怖くてなんもできんかった。」

 

亜子が泣きながらツナにお礼を言う。

 

「ごめんね。もうちょっとはやく来ていたら良かったんだけど。」

 

と亜子の涙をハンカチで拭いてあげる。

 

「ツナさんのせいじゃないですよ!悪いのはあいつらです!」

 

裕奈は怒りを露わにしていた。

 

「私も何もできませんでした。ありがとうございました。」

 

とアキラも頭を下げ亜子を抱き締める。

 

「今度お礼をしたいんで、連絡先を教えてくださいよ!」

 

とツナは裕奈に言われ、お礼なんか要らないよと断るが、三人も譲らなかったため、携帯番号とアドレスを交換した。亜子はハンカチを洗って返すといいそのまま貰っていた。

 

三人と別れると、駅前で美砂・円・桜子とばったり出会う。

 

「ツナさん!お出かけですか?良かったら一緒にカラオケにでも行きません?」

 

と美砂が腕を絡ませながら遊びに誘う。円や桜子もノリ気で周りにまとわりつく。

 

「ごめんね。今日は用事があるからまた今度ね。」

 

と断るが、円が

 

「今度って何時ですかね?約束したいんで連絡先を教えてほしいです。」

 

と携帯を取り出す。ツナも携帯を取り出し、連絡先を交換した後に急ぐからと行ってしまったが、美砂は

 

「ツナさんの連絡先ゲットー。円やるじゃん。」

 

と嬉しそうだ。

 

ツナがエヴァ宅に着いたのは13時ちょうどだった。インターホンを押すと茶々丸が出迎えてくれた。

 

「沢田さん。お待ちしておりました。マスターがお待ちです。こちらに。」

 

と案内をしてくれる。

 

「茶々丸ちゃん。それ私服?」

 

茶々丸の格好はメイド服で思わず聞いてしまう。

 

「いえ、こちらはマスターの趣味です。」

 

「似合ってる。可愛いよ。」

 

と笑顔で言うツナに対し

 

「あの、私はガイノイドですので可愛いというのは。」

 

と茶々丸が焦って否定した。

 

「ガイノイドとか関係ないよ。茶々丸ちゃんは茶々丸ちゃんだよ。」

 

と微笑み頭を撫でる。

 

そんなやりとりを終えて茶々丸に案内されたのは地下で、目の前には水晶玉がある。その水晶玉に茶々丸が触れるとツナと光に包まれ消えていた。


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