パーティの後からは2-Aの生徒が客としてくることが多く、中には勉強でわからない部分を質問している生徒もいた。
そんな日々が続き三日後の満月の夜。
木乃香達も帰り他に誰もいない中で、一人の金髪美女が来店した。カウンターに座り、
「お酒はないの?」
と美女が妖艶に笑い聞いてくるが、
「あっても中学生には出せないよ」
とツナは微笑みながら返す。
「貴様!気づいていたのか?」
「エヴァンジェリンさんだよね?」
とエヴァは驚きツナを見る。
「貴様は何者だ?」
とエヴァは圧力をかけるが、ツナは物ともせずに
「ただの喫茶店の店主だよ。俺は昔から勘が良くて幻術や変装はきかないんだ。」
「で、エヴァちゃんはなにをしに来たの?あの時、血を舐めてなにか感じたんだよね?」
とツナが圧力をかける。
「!!(なんだこいつの圧力は、私が汗をかいているだと。)」
とエヴァは自身が冷や汗をかいている事実に気がつく。
時は少し遡り満月の日の朝
ツナはチェッカーフェイスにエヴァンジェリンの情報収集を頼んでおり、その書類をみていた。
その書類には、エヴァンジェリンが吸血鬼であること。なった原因。それからの出来事。呪いの内容。解き方が書かれていた。
「なるほどね。魔法使いの実験で吸血鬼にされたんだ。しかも自分を殺しに来た奴を撃退していたら悪の魔法使い認定で賞金首か。クソだな。そしてこの呪い。何十年もこの地に拘束されて働かせられているとか奴隷と変わらないんじゃないかな。はあ、骸が見たら麻帆良と魔法使いを殲滅しそうだ。でも、エヴァちゃんは助けられるなら助けたいな。」
と書類を見ながら呟きエヴァンジェリンを助けるための準備を始める。
その準備も終わり、いまエヴァンジェリンとツナは対面していた。
「呪いが解けたらなにがしたいの?」
と殺気を飛ばしながら聞く。
「ふん。縛られてるのが嫌なだけだ。とりあえず、いの一番に京都に行く!」
そんな答えを聞いたツナはお腹を抱えて笑う。ツナには超直感があるため嘘は通じない、超直感が真実だと伝えてきたため可笑しくてたまらなかったのだ。
「貴様なにがおかしい!」
「ごめんごめん。いきなり一人にすると狙われそうだから一緒に着いて行くけど大丈夫だよね?」
エヴァは掴み掛かるが、ツナはそんなエヴァの頭撫でながら謝る。
「旅費は全てお前持ちならな。」
と顔を赤くしながら同行を許可した。エヴァはいつの間にか自身がツナに対して自然体でいることに気づき昔を思い出していた。
「呪いは解いてあげれるけど、いくつか条件があるんだ。まずはいまの中学生生活はきちんと卒業すること。次に俺の目的に力を貸して欲しい。あとは俺が解いたことを誰にも言わないこと。くらいかな。」
「そんなのでいいのか?なら構わんぞ。ここの学園長は私が研究をしているのを知っているから、自身で解いたと説明しよう。あとツナと呼ばしてもらう。」
エヴァはツナと握手をする。
じゃあ三階にとエヴァを三階に連れて行く。
「これから見せることは他言無用でね。」
とツナは額と拳に炎を灯す。エヴァはツナから魔力や気とは違う波動を感じ驚く。ツナは死ぬ気の炎について、自身の炎の特性を説明する。
「なるほど。その調和の力というやつで私の呪いを無効化するんだな。」
と説明をきいて納得するエヴァ。
「エヴァちゃんの呪いは吸血鬼化とは違い、魂に定着しているわけではないから不純物として壊せるんだ。」
ツナはエヴァにベットに横になるように促す。が、
「あ!ごめん。服は脱いで欲しいんだけど・・・嫌かな?」
「そういう趣味か?なんなら呪いが解けたら抱いてやっても構わんぞ。」
と顔を赤くしながらいうツナに、ニヤリと笑いながら耳元で囁く。
「ちょ!もっと自分を大事にして」
とブンブンと手を振り否定する。
「まぁいい。だが呪いを解くためとはいえ、私の裸をみるのだから対価はもらうぞ。」
と言いながら服を脱ぎベットに横になる。
「俺にできることなら。」
とツナはエヴァのお腹に手を乗せる。極力体を見ないように目を瞑り集中していた。するとエヴァの体が炎に包まれる。エヴァは一瞬驚くが、その炎は熱くはなく逆に心地良かった。
10分ほど経過し
「終わったよ。」
と炎を消すツナ。
「アハハハハ!呪いが解けた!魔力が溢れる!こいチャチャゼロ!」
と高笑いをしながらチャチャゼロを召喚する。
「ゴ主人ドウシタ。ナンデカラダガウゴクンダ。」
チャチャゼロは困惑しているようで、そんなチャチャゼロを抱きしめながら呪いが解けたんだ!と説明した。チャチャゼロも嬉しそうに飛び跳ねていた。
「トコロデ、ゴ主人ハドウシテハダカナンダ?」
エヴァは自身が裸でいることに気がつき、悪い笑みを浮かべながら
「こいつに弄ばれてな。」
とツナに抱きつく。
「ソウイウシュミカ。」
とチャチャゼロは頷くが
「違うからね!はやくエヴァちゃんも服を着て!俺は外に出てるから!」
と部屋から出て行く。
「いいぞ。」
と声がかかったためツナは部屋に入る。
「体に不調はない?」
「大丈夫だ。感謝する。」
とエヴァはツナに感謝を示した。
「だが裸の件は別だ。リハビリを兼ねて私と戦ってもらおう。」
と脚を組みながらツナに対して指を指す。
「オモシロソウダナ。俺モマゼロ。」
とチャチャゼロも乗り気だ。
「まぁ俺もこっちに来てから鈍ってるし、魔法使いの戦い方もわかるから助かるかな。」
とツナは苦笑いを浮かべるが承諾した。
「お酒を持ってきたから祝盃はあげない?」
とボンゴレ本部から持ってきたビンテージワインを数本見せる。エヴァとチャチャゼロは目が光り祝盃が始まった。