月曜日テスト終了後
「あすな〜どやった?」
「今回はできたかもしれない。」
「ツナさんの予想問題ほとんど当たってましたわよ。」
「今回は補習は避けられるかと。」
「私もできました。」
「あの問題集は反則ですね。」
と木乃香・明日菜・あやか・夕映・のどか・千鶴が集まり話す。
六人は話しながらお店に行く。
「ツナさん!テスト結構できたかもしれません。」
明日菜が笑顔でツナに駆け寄る。
「それなら良かったよ。でも今回のを忘れたらダメだよ。」
とツナは釘を刺す。
「確かにそうですね。忘れたらまたじっくり教えてください。」
と千鶴がツナの腕を組む。
ツナは苦笑いを浮かべながらされるがままになっている。
「あ〜うちとのどかが着替えてる間にずるいで〜」
と木乃香が反対の腕に抱きつく。
「ツナさんが困ってますから、それくらいにしなさい。」
とあやかが千鶴を引っ張り席に座らせる。そしていつもの時間が過ぎていく。
テスト結果発表日
「桜子はどこにかけたの?」
「今回はうちらが最下位脱出にかけたよ〜」
「それはないわ。あんたでも無理だよ。」
と円・桜子・美砂。
中等部二学年発表の番になり一位から発表されていく、2-Aの面々はまだ関係にないだろうと遊んでいる。
<五位 2-A>
と発表された。まさかの順位に声がでない面々。
「桜子!あんたどんだけ儲かったのよ〜」
「当分お昼には困らないよ。」
個人順位発表
一位 超鈴音、雪広あやか、那波千鶴。
・
八位 宮崎のどか
・
十五位 近衛木乃香 と続いた。
明日菜と夕映の点数も悪いものではなく、順位も二桁に入っており平均七十点超えで順位の上昇率では一番だった。
「ちょっと明日菜凄すぎじゃない?なにしたの?」
「ちづ姉と委員長も超鈴と同率一位って。」
「とりあえず、最下位脱出パーティだー。」
と騒ぎ出す。
同率一位になった超鈴音の心境は、最下位脱出はネギ坊主が来てからだったはずネ。しかも同率一位もありえないヨ。私が過去に来た所為でズレが生じているのか。
と事前情報との違いに驚いていた。
「木乃香〜ツナさんとこでできない?」
と明石裕奈が木乃香に確認する。
「ちょっと待ってや。」
とツナに電話をしだす。
「大丈夫なんやけど、急すぎて食べ物の提供は難しいみたいなんよ。ドリンクのみの貸切になるみたいや。」
「じゃあお菓子とかを買ってツナさんの店に集合で。」
と美砂が仕切り、それにのり騒ぐ2-A。
「ツナさん。急に申し訳ありません。」
とあやかはツナにお礼を言い頭を下げる。
「大丈夫だよ。テストの結果が良かったお祝いなんだから気にしないで。」
とあやかの頭を撫でる。
「あ!委員長の顔が赤い!」
と桜子とかが騒ぎ出す。
「うるさいですわよ」
と桜子達を追いかける委員長。
「ツナさん。見てください!私こんな点数初めてとりました!」
と明日菜が得点表をみせる。
「頑張ったね。」
とツナは笑顔で答える。明日菜は頭を撫でてほしそうに上目遣いでツナを見る。しかし
「ツナさん。こっちにも来てくださいよ〜」
と美砂に腕を絡まされて
「え!ちょっと美砂ちゃん。明日菜ちゃんまた後でね。」
という言葉を残して連れてかれてしまった。
明日菜は残念そうだが、木乃香達に呼ばれてお菓子を食べ始める。
「ツナさ〜ん。聞きましたよ。明日菜達に勉強を教えて予想問題集を配ったそうじゃないですか。次は混ぜてくださいよ」
と美砂・円・桜子に絡まされていた。美砂が腕を絡まさて胸を押し付け、桜子が後ろから抱きつき、美砂の反対側から円が抱きついていた。
「ん〜あれはみんなが頑張ったからだよ。」
とツナは照れながらも女性には優しくがモットーなため抵抗しない。
「あらあら。その辺にしときなさい。」
と千鶴が後ろから話しかける。美砂達が振り向くと圧力を振りまく千鶴の姿があった。三人は顔を青くし素早く離れて違う場所に移動する。
「ツナさんが抵抗しないからエスカレートするんですよ。」
とツナにも注意をする。
「ごめんね。助かったよ。ありがとう。」
と言いながら厨房に消える。
少し経つと、唐揚げやポテト、ピザ、パスタ、サラダなどを持って
「こんなのしか用意できなかったけど、サービスだから食べて。」
とテーブルに並べる。
「ありがとうございます!」
とさわがしいメンバーが料理に夢中になる一方で、カウンターで静かに話していた二人が目についた。
「コーヒー入れたから」
と桜咲刹那と龍宮真名に声をかけ目の前に置く。
「いえ、私は・・・「サービスなら有り難くいただくとするよ。」
と刹那の言葉を遮り真名がコーヒーを受け取る。
「ふむ。美味しいな。刹那も飲んでみなよ。」
と真名がコーヒーを褒めて刹那にも進める。
「美味しい」
と刹那も呟く。
「あ!せっちゃんもおる。」
と木乃香は料理を持ってこちらに向かってきている。刹那は立ち上がり逃げようとするが、
「刹那!いつまで逃げるつもりだい?」
と真名が刹那の手を掴む。刹那は泣きそうな顔で真名を睨むが
「せっちゃん。」
と声が聞こえ、振り向くと木乃香が目の前にいた。刹那は真名の手を振りほどき逃げようとする。
「刹那ちゃん。話したいことがあるなら気持ちをぶつけないとわからないよ。死ぬ気になればなんでもできるから。」
とツナが刹那を優しく抱き締める。
刹那はツナから感じる暖かい雰囲気に安心感を覚え、
「お嬢様。私は・・・」
と魔法のことは伏せて護衛をしていたことのみをポツリポツリと話し出す。
「そうやったんか。うちせっちゃんに嫌われたかと思っとったんよ。川でのことは小さかったししょうがないと思うん。うちはまたせっちゃんと仲良くしたいんやけど、ダメかな?」
と刹那に握手を求める。
「お嬢様。ありがとうございます。」
と刹那は泣いて手を握る。
真名は満足した風な顔で頷き、ツナも笑顔でいる。2-Aの面々も何人か気づいておりお祝いだーとまた騒ぎ出す。
「ツナさん、龍宮さんもありがとうな。」
「真名。すまなかった。ありがとう。」
と笑顔の二人がお礼を言う。
「沢田さん。ツナさんってお呼びしてもいいでしょうか?」
と刹那が上目遣いでツナを見る。ツナは笑顔でいいよと答え、
「ツナさんに抱き締めてもらった際に勇気をもらえた気がします。ありがとうございました。」
と刹那が顔を赤くしながら改めてツナに頭を下げる。
「そういえば、せっちゃんだけずるい!うちのことも抱き締めてえな。」
とツナの胸に飛び込む木乃香。
「お嬢様!」
と刹那は焦るが、
「昔みたいにこのちゃんって呼んでー」
とツナの胸に顔を埋めながら言う。
ツナは困りながらも
「木乃香ちゃん。」
と頭を撫でる。木乃香は
「うー次は抱き締めてえな。」
と頭を撫でられて満足したのか離れて刹那に抱きついた。
慌てる刹那と楽しそうな木乃香を見ながら微笑むツナ。
そんな光景を遠くから見ている人物がいた。