「ツナさん!今のって!もしかして凪さんと付き合ってるんですか?」
と明日菜がツナに問いかける。他の五人は刺激が強かったのか呆然とし、千鶴は頬に手を当て固まっていた。
「え?いまのは挨拶だよ?あ〜日本ではしないよね。俺も凪もイタリアに住んでたから。驚かせてごめんね。」
と平然と答えて片付けのために厨房に消えていく。
昔のツナなら顔を赤くし叫んだが、イタリアに渡ってからはユニやブルーベルを始めとする女性陣にされてきたため慣れていた。
「確かにイタリアではあのような挨拶をしますけれども・・・」
あやかや千鶴といった常識があり海外にも行ったことがある二人は多少は納得していたが
「でも頬にキスをするのは本当に親しい人にしかしないかと。」
と凪の好意にも気づいていた。
「凪さん・・頬が赤くなってましたから。」
とのどかは思い出して顔を赤くしてしまう。
「やっぱりツナさんはモテるんかな〜」
「あの容姿と性格ですからモテると思うです」
木乃香と夕映。
「あ〜なんかモヤモヤする〜」
と明日菜が全員の気持ちを代弁した。
六人がモヤモヤした気持ちになっていたがツナが厨房から戻ってくる。
「テストは月曜日からだよね?土日はどうしよっか?」
とツナが聞いてきたため、
「ご迷惑じゃなければ土日もお願いできますか?」
あやかがお願いし、
「じゃあ金曜と土曜にお泊まりなんかどうやろ」
と木乃香が手をポンッと叩き提案する。
「俺は大丈夫なんだけど・・・男の家に泊まって大丈夫なの?」
とツナが困っていたが
「ツナさんなら大丈夫な気がするです。」
と夕映に言われ他の五人も頷いていたためお泊まりをすることで決定する。
金曜日は学校が終わったら学校に戻り、夜ご飯を済ませてからお店に集合、日曜日の夕方までという形になった。
その日は夜ご飯を食べずに帰ることにした。毎回は悪いし、明日からお泊まりだからという理由で帰宅する。
六人はあやかと千鶴の部屋に集まる。
「泊まるにあたって守らねばならないことがあると思うです。」
と夕映が切り出す。
「そうですわね。ツナさんとはいえ男性ですから」
と委員長が言うと。
「なに言ってるの委員長?」
と明日菜が委員長をみる。
「夕映が言ってるのは、クラスのみんなにバレないようにしないとって意味やで」
と木乃香が捕捉する。
「あらあらあやかったら、なにと勘違いしたのかしら」
ニコニコとあやかに圧力をかける千鶴。のどかは意味がわかってアワアワしていた。
「本屋ちゃんどうしたの?」
と理解していない明日菜が心配する。
「と、とにかく!クラスのみんなにバレないようにというのは賛成ですわ。」
とあやかは話の修正をする。
あやかの言った意味を理解しているのは、あやか・千鶴・夕映・のどかであり、木乃香と明日菜はわかっていなかった。
「みんなにバレたら、クラス全員が雪崩れ込んできそうやし。」
「少なくても勉強はできないかと。」
と木乃香とのどかがため息を吐く。
「明日はすぐに寮に帰らない方がいいかもしれませんわね。」
とあやかの案が採用された。
ちなみに、買い物は実際にする予定で、あやかと千鶴が飲み物関係を、夕映とのどかが女性物のお泊まりセット、木乃香と明日菜がお菓子を担当することになった。