ロクでなし魔術講師と幻想殺し   作:郁也ユッキー

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今回戦闘回です。もうすでにロクアカ要素がありません。今回ほとんどオリキャラしか出てません。
とあるの要素はずいぶん前からないんですけどね・・・・。

※あらかじめ言っておきますが、ジンくんの正体はとあるの原作と全く異なります。ごめんなさい。


幻想殺しの拳

「ジンくん。グレン先生との手合わせどうだった?」

「まぁまぁだな。」

「体の調子は?」

「もうすっかり良くなった。悪いな、心配かけて。」

「ううん。でもあの子いつ来るのかな。」

あいつどこに住んでるのかわからないし、名前すらわからない。

「呼ばれて、出てきて、じゃじゃじゃじゃーん!!」

「「うわぁっ!!!!!!」」

急に近くの草むらから登場してきたあの少女に、俺とルミアは驚いてしまった。

「ジンくんの怪我も治ったみたいだし、ボクと戦おうよ。」

そう言った瞬間、彼女は俺の懐に高速移動で飛び込んできた。一度見た技ではあるが、彼女の動きはとてつもなく速い。この技の最大の弱点は、かなり速いスピードで近づき、”停止”するため、懐に飛び込んだ直後に隙が生まれる。

俺はそれを理解しているので、彼女が懐に飛び込んだ瞬間に蹴りを繰り出した。

「っと、危ないなぁ。」

彼女が蹴りを避けて、後ろに後退する。

「いきなり攻めてくるお前がいけねぇんだろうが。・・・ルミア、隠れてろ。」

「う、うん。」

「ふー!イケメーン!」

俺は左足を前に出し、右足を後退させ、腰を低くする。そして右足を天に向かって振り上げる。そして、巨大な風を巻き起こす。この風によって彼女の体が浮き、俺は上にジャンプをし、彼女を叩き落そうとする。

この状態になってできることはグレンの様に俺の腕と胸ぐらを掴んで投げるしかない。防御のパターンがわかってしまえばこちらの物だ。俺は彼女に向かって突進する。すると、彼女の唇が吊り上がった。

彼女は自分の腕で俺の体をホールドし、自分の体回転させることによって俺の体を下にする。

―マズい。このままじゃ、俺が負ける。

でもここで負けるわけにはいかない。俺は左手に力を入れる。

「《何か・風・出ろ》」

俺はグレンの十八番である適当詠唱で軽い風を起こし、彼女を突き放し、体制を整えてから地面に着地した。

「魔法使うなんてズルいじゃないか!」

「使っちゃダメとは聞いてねぇし、お前は合図もなしに試合始めただろ。」

「ぐぬぬ・・・。」

正直、短めに決着を付けたい。俺も治ったばっかで、本調子ではない。でも、それを理由に負けたくはない。

「これからは、魔法禁止!おk?」

「わかったわかった。」

でも、このまま一進一退の攻防をしていたら、確実に俺が負ける。

「じゃ、早めに決着付けますか。」

彼女は腰を低く落とし、両手を後ろにした構えを取った。

―そこからは一瞬だった。

彼女が”光速”で俺の懐で移動し、俺の腹を殴って俺の体を浮き上がらせ、上から俺の体を地面に叩き落した。

「・・・かはっ!!!」

あまりの痛さに俺は息が詰まる。下手にナイフで刺されるより痛い。

正直、彼女の動きが一切見えなかった。多分、反応できたとしても防御はできなかったと思う。

「これがボクの十八番、《光速移動》だよ。これは師匠の《高速移動》を改良したんだ。」

「は、速いな・・・。」

「ボクのスピードは、師匠より速いよ。」

そりゃそうだ。下手したら世界最速ってレベルだぞ。

「君やっぱり弱いね。ほんとに師匠の一番弟子なの?」

「俺はお前の師匠の事何も知らねぇんだ。一番弟子かどうかわからないんだ。」

「・・・なんだよそれ。」

彼女が小さく呟く。

「何で!お前みたいな!師匠の事をわかってない奴が一番弟子なんだよ!」

彼女が強く叫ぶ。

「ボクは師匠に認めて貰えなかったのに!何で!お前が・・・・!」

彼女からしてみたら、自分の師匠の名前すら知らないような奴が自分の師匠の一番弟子なんて気分は良くないだろう。

だからこそ、だからこそ、俺はこいつに勝たなければいけないのではないだろうか。

師匠に対する感謝の気持ちを、この戦いの結果で示すしかないのではないだろうか。

「「・・・・・。」」

お互いの目つきが変わる。

彼女は《光速移動》の構えになる。

俺は左足を前に出し、右足を後ろにして、左手を突き出して、右手を後ろにする。

「はぁぁぁぁああ!!!」

掛け声とともに俺は右手を突き出す。

「・・・何をしているんだい?そんな位置からのパンチじゃボクには届かないよ。」

俺と彼女の間はそこそこ間が空いている。

「よくわからないけどッ!!!」

彼女が《光速移動》で俺の懐に飛び込もうとする。彼女が俺の体に触れようとした刹那―

「・・・・っ!!!!!!!!!!!!」

―彼女の右腕が血だらけになった。

正確に言うなら、彼女の腕に無数の切り傷が突然、浮かびあがった。

彼女は突然の出来事に苦痛に顔を歪ませて、大きく後ろに飛びのく。

「・・・俺の、勝ちだな。」

「ボクは・・・まだ・・・戦えるッ!!!!」

「利き腕がそんなんじゃ無理だろ。・・・悪い、ルミア。治癒を頼んだ。」

「わ、わかった。」

ルミアが彼女に駆け寄る。

「まだ・・・勝負は終わってな・・・!!」

「もうあきらめろ。”アスカ”。」

二十歳後半の男性が入ってきた。

「し、師匠!!」

―この人・・・なのか・・・?

「ジン。久しぶりだな。」

「すみません。俺、師匠のこと・・・!」

「わかっている。君には必要なことしか教えていないからな。」

やっぱり、この人が俺の師匠だったんだ。

「あの技がお前の”奥義”か。」

「は、はい。」

彼女を倒したあの技は、俺の奥義である《鎌鼬》(かまいたち)だ。右手で強いパンチを繰り出し、鋭い風を巻き起こすことによって、触れたものをナイフの様に切り刻むことができる。

まぁ、鋭い風を作るのにかなりの時間がかかり、敵に当たるのにかなり間が空いてしまう。

しかも、この技は俺が人を大量に殺すときに使った技であるから、ぶっちゃけ使いたくなかった。

下手したら、相手を殺してたかもしれないしね。

「かなりいい技だった。」

「あ、ありがとうございます・・・。」

そして、カザド師匠はアスカに近づく。

「これが俺の一番弟子の実力だ。」

「・・・・・。」

「戦ってわかっただろ。あいつの拳を受けてわかっただろ。・・・あの技を受けてわかっただろ。」

「・・・・・。」

「あいつの”覚悟”がな。」

「・・・・はい。」

すると彼女が俺に近づいてきた。

「馬鹿にして悪かった。お前の拳、すごく良かったよ。・・・また、決闘してもいいか?」

「もちろんだ。」

 

 

 

 

―突然、通信機のベルが鳴った。

「どうした?カイ。」

「おい!ジンたん!カザドの正体がわかったぞ!」

「お、おう。なんで、そんなに慌ててんだ。」

「やべぇんだ。カザドって奴・・・・。」

 

 

 

 

―元無差別大量殺人犯で指名手配されているんだ。

 

 

 




バトルシーン難しかった・・・。

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