体育祭や試験中ということもあり、なかなか手がつけられませんでした。
では、どーぞ。
主人公side
夢を見た。
それは王としての”自分”
臣下に慕われ__裏切られ
民に讃えられ___憎まれ
それでも生涯たった1人で、異世界を巡り、秩序を守り続けた、そんな、歴然とした正義を持った、《騎士王》だった。
そこで夢は途切れた。どうやら目が覚めたようだ。
俺は確か、バーサーカー、ヘラクレスとの戦いに敗れ、そのまま自身の魔力を使って結界から出たのち、恐らくそのまま遠坂達と共に帰還したのだろう。俺は倒れていただろうが。
さて、体ももう問題無いし、朝飯を......あれ、起き上がれない。何かに腕を持たれている。その腕は右腕なので、そちらを見てみた。そこにいたのは人形のような可愛い容姿をした金色の髪の少女....ん?
「すぅー.....すぅー.....」
おおおおお落ち着けええええ衛宮ししし士郎。そそそそそうだ、ここここれはゆゆ夢なんだ。ももももももう一度ねねねね寝ればあばばばばばば
「ん.......?ああ、起きたのですか士郎。所で、何故そんなに顔を赤くしているのですか?もしや発熱でもしたのですか!?」
「いいいいいいや、そそそそそんなこここ事はなない。だだだ大丈夫だだだもももも問題無い。」
はっ、そうか!素数を数えるんだ!あれ、でも素数ってどんなだっけ。やべ。思い出せね。
よし、第2案だ。俺はcool!作戦。そうだ!俺はあのジャンヌ信者のように超coolだぜ!よし!これだぁ!
「本当に大丈夫だ!安心しろセイバー!」
「?よく分かりませんが、問題ないならいいです。では、朝食にしましょう。恐らく凛が作り終えている頃でしょう。」
「え、遠坂もいるのか?」
「ええ、当たり前です。士郎達がいなくなったと思ったら、突然帰ってきたのですから、1時間後の事でしたが。しかも帰ってきたと思えば気絶して倒れてますし。驚きました。」
やっぱり倒れてたのか.....迷惑掛けちゃったな.....
「ごめんなセイバー。俺のせいで。」
「いいのです。.........それに少しカッコ良かったですし」
「ん?何か最後言ったか?」
「い、いえ、何も言っていません。」
まあ、いいだろう。取り敢えず、俺達は遠坂のもとへ向かった。
〜移動中〜
「あ、衛宮君、セイバー、起きたのね。おはよう。」
「ああ、おはよう遠坂。ところで何でそんな適応出来てるんだ?」
「ほら、あれよ。私はどこでも住めば都って思ってるから、ほら、ね?」
ぎゃ、逆に凄いな。
その後は、俺とセイバーで何があったか等説明し、遠坂はとある事を話した。
「そうそう、実はね?......アーチャーが.....霊体のままどっか行っちゃって行方が分からないの。」
多分もう殆ど無いに等しい俺の記憶の中に【破戒すべき全ての符】ってやつがあったな。それでマスターとのパスを切って単独行動している.....?
「遠坂、キャスターについて何か知ってる事はないか?」
「んー.....特に無いわね。」
「俺が調べて分かったんだが、奴は【破戒すべき全ての符】っていう、魔術効果を無効、もとい、初期化出来る短剣を持ってるんだ。もしかしたら、それをアーチャーが知ってて、どうにかして使ったんじゃないか?例えば自分からキャスターのとこへ行って寝返りするとか。」
「あ!思い出した!そういえばアーチャーって《投影魔術》使ってるのよ。それで宝具も確か投影出来た筈.....つまり、多分アーチャーは【破戒すべき全ての符】を投影して、自分に使ったんだわ。となると、どっかに潜んでるとしか分かんないわよね.....」
遠坂の言う通りだ。でも、何も出来ない。ここは別陣営を何とかするべきだろう。
「遠坂、今はアーチャーが無理なんだ。先に他の陣営を崩さないか?例えば厄介なアインツベルンのバーサーカーとかを。」
「それもそうね.....衛宮君、もう体は大丈夫なの?」
「ああ、ピンピンだ。バッチリ。」
「本当に?まあ、衛宮君だから多分すぐ治ったんでしょうけど。」
「ま、そういう訳だ。今日はアインツベルンへ攻めに行こう。」
何故俺がこんな焦っているか、それは奴、バーサーカーに勝てなかったとのからかもしれない。それか、『俺』が介入してるせいで物語が変わっているかもしれない、という事からかもしれない。。すると、バーサーカーは自然と最優先目標になる。
「じゃ、今日の昼には行きましょう。」
三人称視点(とある場所にて)
「フハハハハ!そんなものか大英雄!その様なザマでは俺の宝具は捌ききれんぞ!?さあ!もっと全力で来い!」
声を発しているのはこの世のものとは思えぬような整った顔。金色の髪。そして、その青年の後ろには黄金の波紋があり、沢山の”宝具”を覗かせている。
対するは、途轍も無い筋肉のついた巨体を持ち、顔は武人の様。そして右手には巨大な石剣を手にしている。
「■■■■■■■■ッ!」
男が獰猛かつ、確かな意思の籠った声を発した。
「曰く!ヘラクレスは12の難業を課せられ、それを果たした事で漸く神の座に迎えられたという!俺の宝物庫にはこの世のありとあらゆる宝具の原典があるが、貴様のその宝具だけは無い。お前の宝具とは!貴様の肉体そのものであるからな!何度焼こうが何をしようが立ち上がってくる英雄は見飽きたが.....よもや、本当に死から蘇る者が居ようとはなあ!」
男は青年によって黄金の波紋から覗く宝具を刺され死んでいた筈である。だが、青年の言葉通り、死から、蘇ってみせたのである。
男は【12の試練(ゴッドハンド)】という自らの逸話を昇華させた肉体そのものの宝具を所持している。その効果は、12回もの数を、死から蘇る事が出来る。そして、この宝具はもう1つ効果があり、Bランク以下の宝具を無効化するというものである。
だが
青年は伝説がさらに昇華され、とあるスキルを手に入れた。その名は、[この世全ての王]。このスキルは彼が世界全ての宝具を集めた逸話から生まれたもの。その効果は、”自分の持つ宝具をAランク以上まで引き上げる”、というものである。EXは彼の持つ唯1つの宝具のみだが、全ての宝具がAランク以上という事に意味がある。男の宝具によって”Bランク以下の宝具”は無効化出来るが、彼はスキルによって、”全宝具”が”Aランク以上”となっている。
つまり、男は自らの技術のみで、”全宝具を撃ち落とさなければならない”。
それが可能か、と言われると、不可能である。
「フッハッハッハッハ!無様よのうヘラクレス!命を全て使い果たして我の宝具に全身を刺されるとはな。ハッ!実に詰まらん。貴様ならば、俺と同じ半神ならばと期待したのだが....どうやら違ったらしいな。最後までそこの聖杯の器を手放さなんとはな。見た目に魅了されたか?幼子のような見た目であるから、自分が守られねばと正義感が湧いたか?フンッ!実に実に実に実に詰まらん!その様な考えに動かされる小物ならば、疾くこの世から去るがよい。」
青年は容赦無く宝具を男に放つ。男は完全に絶命し、傍らの少女は、その心臓を青年に抉られ、この世を去った。少女は最後こんな言葉を残した。
『いつまでも.....一緒だからね.....バーサーカー....』
死にゆく様は、まるで、先に英霊の座へ帰った男を追うようだった___
主人公side
俺は今遠坂達とアインツベルンの城へと向かっている。バーサーカーを倒す為だ。
〜移動中〜
取り敢えず城の入口、門に着いた。来るまでにトラップがあって遠坂が全部見事に引っ掛かったけど。
中に入った。そこにはイリヤが待ち構えていると思ったら
「何よ.....これは.....!」
そこに広がっていたのは、石柱は無惨に崩れ落ち、床にはヒビがあり、中央には大穴があき、壁には所々血が飛んだ跡があった。
「......取り敢えず、地下への正規の階段を使って下に行ってみよう。」
俺がそう言うと、「それもそうね....」と言いながら、歩みを始めた。
歩いている途中、思った事が、1つあった。
_____物音1つ無い。
何か音の1つでもあるだろうと思っていたのに、聞こえるのは俺達の足音のみ。
__まさか!?
「不味い!遠坂!急げ!」
「どうしたのよ!?」
「もしかしたらバーサーカーが既に倒されてるかもしれない!」
「何ですって!?」
「それは本当ですか士郎!?」
そう言いながら俺達は急速に足を進めていく!
そして俺達が見た光景とは!
「......1体、誰が.....」
数本宝具のようなものが床には落ちている。いや、もう地面と呼ぶのかもしれない。辺りには明らかに多い血液。地面や壁などには沢山くぼみ、クレーターの様なものが出来てしまっている。
____そして、イリヤは
「イリヤ.....そんな....」
無惨にも心臓を抉られ、大量の血を流し、絶命していた。
俺はこう見えてもイリヤが結構好きだった。前世から。だから今回は救ってみせると決心、したのに.....
「まだ.....何も....何1つ....救えて無いじゃないか....」
____そんな言葉が口から零れる。
後悔しているうちに、上から声が聞こえた。
『君達、早く私の下へ来るがいい。真実を教えてやる。』
それは遠坂の弓兵、アーチャーの声に他ならなかった。
「....ッ!急ぐわよ!衛宮くん!」
「ああ、遠坂。」
俺達は強化の魔術を掛け、セイバーは魔力放出を使い、一気に声のした場所へと向かった。
〜移動中〜
少し長い階段の上の所に立っていたのは、アーチャーだった。
「ふむ、漸く来たか。では、少し話をしよう。」
「話、ですって?」
「ああ、とある無能な王の話しさ。」
「そいつは、とある村の子だった。親の言う事をよく聞き、しかもルックスも良い。正に好青年という奴だろう。そいつは親と一緒に街に出向いた。そいつは親に1時間くらい自由にしていいよと言われて森の方へ行った。少し進むと丘があった。その丘には1振りの剣が刺さっていた。それはとても綺麗な剣だった。黄金色の柄。様々な装飾がされている見た目。それが欲しいと思ったそいつは、あろう事か剣を抜いたんだ。暫くすると、そいつの下に女の魔術師が来た。するとそいつは言った。『君は今日から王だ。【選定の剣】を抜いたからには、その責務を、果たしてもらうよ。』とな。その日から《王》は民の為に尽くした。国が悪化しないよう努力した。円卓の騎士という騎士の精鋭を集めた専属の集団を作り、戦争においては敗北を喫した事は無かった。ある日1人の円卓の騎士がこう言った。『王よ、どうか貧困な村の者達も助けては頂けませんか』と。当然そいつは無理だと言った。国の食べ物は限られているしな。すると騎士はこう言った。『何故!そんな簡単に民を捨てる事が出来るのですか!?貴方は王ではないのですか!?王と言うのならば全ての民を助けるべきではないのですか!?』そいつはこう言った。『王には....人の心が分からない.....』とな。それからは酷かったよ。作物はどんどん荒れ、民は死に絶え、戦争では騎士が1人去ったことにより撃退という形だけになり。そいつはいつの日か、それに耐えられなくなった。だから、あの女の魔術師に相談して、世界の様々な時代の人類にとっての害をひたすら倒していった。当初はそれで何か見つける事が出来れば、と考えていたが、やはり、何も得るものは無かった。そいつは暫し女の魔術師と共にとある場所で眠りにつく事にした。さて、これがそいつの末路だ。では、次は馬鹿な理想を叶えようとした打算的な男の話をしよう。」
「男はさっきの王の魂を持っていた。だが、それに気付くことなく、偶然トラックに轢かれた。神とやらに出会った男は自分が王の生まれ変わりだという事を知る。それからは、その男は1人の少年として生きる事になった。そして、その少年、餓鬼の正体がこの俺だ。俺は、とことん失わないように戦った。歴史通りになるべく動き、尚且つそれに少し改変を加えようとしてな。まぁ、結局は下のシナリオを辿るのみになったのだが.....」
俺はこいつが未来の俺だと知っていた。だが、何処まで一緒なのかはあんまり分かっていなかった。
こんな、悲痛な程何も出来ず、助ける事も出来ずに下の通りを進んでしまっている事に俺は.....
___少し、恐怖してしまった.....
俺は、SNの話をなるべく守り、そこに俺がしたい修正を加えようと思った。
でも、結局、まだ、何も、救えてなんか、いない。
今回だってそうだ。イリヤを救おうって意気込んでいたのに、それがこの様だ。俺が未来のこいつに恐怖を抱いたのは、俺は未来永劫、もしかしたら、何も出来ないまま唯自分を強くしただけで、そのまま抑止力と契約して使い古されるのではないか.....と。
「ふん。衛宮士郎。貴様は今恐怖しているだろう?そうだろうな。自分が目指したのはあくまで改変を加える事。それを生涯1度も出来ず抑止力に動かされているのがお前の未来だからな。まあ、もしその様な事を思ってしまったのなら」
___奴は1本剣を投影して渡してきた。
「今ここで、自分でその剣を心臓に突き刺し死ぬがいい。」
____俺はここで死んだ方が良いのだろうか...
「駄目よ衛宮くん!」
「士郎!」
ごめんな皆.....俺には、結局何も.....
ふと、懐かしい声が聞こえた。
『そんな事は無いよ。君は、昔の事を忘れたのかい?』
アーサー.....そう思ったら、急に記憶が蘇った。
《皆!離れてろ!【十三拘束!円卓会議開始!】
【全円卓、承認】、【約束された.....勝利の剣】ァァァ!》
《おお、 災害が.... 希望の光だ..... ま、まるで騎士だ!》
絶望を、退けた。
___1つ、助けた
女の子が泣いていた。
《う....ぐす....ままぁ....》
辺りは火の海。もう女の子に火が届きそうだ。
《もう大丈夫だ。兄ちゃんに任せとけ!ハアッ!セイッ!うおぉぉぉぉ!》
火を退けた。
__2つ、助けた。
そして、最後は、前世の記憶。
《あれは....猫!?危ない!》
____3つ、助けた。
『君は3つも救ったんだ。本来こぼれる筈の命を。全てを助けようとして、結果的に失うものは自らの何か。確かに自己犠牲もあってはいけないが、多くの人を助けた。命を拾った。これだけでも、充分助けたと言えるんじゃないのかい?だから、まだ、ここで折れる訳には、いけないんじゃないのかい?』
そうだ、俺は忘れていた。本当は助ける事が出来てたんだ。なら、あいつに言わなくちゃならない。
「アーチャー、俺は、[お前]も、救えた事は、あったぞ。あの大災害の時に多くの人と女の子を救い、前世では1つ命を助けた。どうだ、3つも、助けているぞッ!」
俺は奴に言ってやった。
「そんな事も、あったな。しょうがない、お前には優しくない【事実】を教えてやろう。」
『I am the bone of my sword.
___ 体は剣で出来ている
Steel is my body, and fire is my blood.
___血潮は鉄で、心は硝子
I have created over a thousand blades.
___幾たびの戦場を越えて不敗
Unknown to Death.
___ただの一度も敗走はなく
Nor known to Life.
___ただの一度も理解されない
Have withstood pain to create many weapons.
___彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う
Yet, those hands will never hold anything.
___故に、その生涯に意味はなく
So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.
___その体は、きっと剣で出来ていた 』
世界が侵食される。そして、気付くと、そこは荒野だった。唯の荒野ではない。辺りには真っ黒な剣が沢山墓標のように刺さっており、空は紅く、歯車の様なものが幾つも歪に回っている。
「貴様がどれ位通用するか、自分の戯言を信じてやってみるがいい。」
途端に、奴は投影をしてこちらへ走ってくる。
「【投影、開始】!」
俺も投影をして、迎え撃つ。だが
「ハアッ!」
アーチャーにより、俺の双剣は粉々に砕かれた。直ぐに新しく創る。
「【投影、開】」
言う前に、奴に肩を刺される。
「どうした?魔力が多いなら投影も強くなると勘違いしたか?もしそう思ったのならとんでもないな。剣の構造や年月、様々なものを限界まで模倣せねばならんからな。それをやらず、身の上だけと模倣とはな......実に、嘆かわしい。やっていて悲しく思える。」
俺の剣には、中身が、無い
「そんな事はっ!無い!」
「【投影.........開始】!【擬似改革】!【擬似暗示】!」
もしも中身が無いのなら、その中身すらも相手から模倣するのみ。
「ほう.....いいだろう。俺の贋作を真似たという事は、着いてこれるんだろうな?」
侮るかの様に剣を構え立っている。
「行くぞアーチャー!ハァァァァァ!」
俺は奴の動きをトレースする。
「【同調、開始】!」
____憑依経験、共感終了
とことん真似てみせる。それが、俺の本懐じゃないか!
「セアッ!ハァッ!」
奴は涼しそうに受け流す。
糞、何が足りない。1体何故ついていけない。
「お前には圧倒的に足りないものがある。それは」
____覚悟だ。
俺とあいつの声が心の中で重なる。俺には覚悟が足りない。それは俺も分かっている。
___ごめんな、セイバー、遠坂。俺は......もう
それを見た。
《君はこれから王としての責務を果たさねばならないよ。覚悟はいいかい?》
それを、見た。
《王よ.....貴方には人の心が分からない.....》
遥か昔辿った、それを見た。
《それには危険だけが伴うんだよ?生きたまま抑止力の駒の様に動くなんて.....》
前には『自分』がこちらを見ている。
「その、『俺』、お前のやり方は、正しいものだったな。」
「.....唯の村の子だったからね。色々と不器用だったんだ。」
「色々と、失くしたものがあるように見えた.....」
「.....それは違うよ。民を無くさないよう、皆に迷惑を掛けないように意地を張ったから、僕は君の肉体となっていた。いや、でも。1つだけ、忘れた大切な記憶がある。」
最初に、それを見た。
《ありがとうございます王よ!》《ありがとうお兄ちゃん!》《貴方のお陰で我々は本当に豊かに暮らせております.....》《君は本当に凄いね。》
《これは.....剣?抜いてみようか.....》
おい、その先は地獄だぞ。
《君は.....王に選ばれた。選定の剣。【勝利すべき黄金の剣】にね。》
《王.....か。まだ実感が湧かない。でも.....僕の全身全霊を以て、王の役目を果たし通してみせるよ。》
何だ、覚悟の決め方なんて簡単じゃないか。なら、俺も行かなきゃな。
「待て、その先は地獄だよ?」
「これが、お前の忘れたものだ。確かに、王としての日々は苦痛だった。でも、同時に喜びだったんだよ。誰かの役に立てている気持ち、感謝されている事を知り仕事をやり通した。お前が落としたのは、その途中で心の何処かで無くしてしまった優しさだ。」
『【約束された....勝利の剣】ァァァ!僕は、負けてられない!民を、皆を守る為に!』
それを見た後、俺は歩みを進めた。目指しているのは丘に1つ刺さっている選定の剣。
剣の下に辿り着く。
「その人生が、絶望だらけだとしても?」
「ああ、その人生に、幸福が無いとしても。」
「俺は、皆を守り続ける!」
選定の剣を引き抜く。
「君は僕で、僕は君だ。」
「そして、2人で漸く、」
____《アーサー・ペンドラゴン》だ。
__諦めてなんか、いられるものか。
「なっ、彼女の鞘!?そうか、切嗣が埋め込んだもの.....!」
俺は、その言葉を思い浮かべる。
「あれは聖遺物、召喚されたのではない。まさか.....体が『それ』だからか!」
「《体は.....》」
「貴様っ!」
それを、告げる。
「《剣で出来ている》。」
「フンッ!」
奴が陰陽双剣を飛ばしてくる。
「お前には....負けられない!」
「ハアッ!」
俺も双剣で弾く、俺の刃は、残っている。
「誰かに負けるのはいい。けど、自分を否定する自分に負ける訳にはいかない。」
「.....漸く始まりか。だがそれでどうなる?実力差は歴然だと、骨の髄まで理解出来た筈だが?」
「俺の体はまだ動く。負けていたのは俺の心だ。お前を受け入れ、負けていた、俺の心が弱かった!」
「何....?」
「お前の人生は、ただ逃げていただけだ。でも、俺はそんな事しない。」
「俺は全てを救い、導く者になる!お前が俺の在り方を否定するように、」
「俺も死力を尽くして、お前という末路を叩き潰す!」
さて、以下がだったでしょうか。前回のバーサーカーの話がすっかすかと指摘されたので、何とか内容を濃くしました。
では、感想や評価や意見待っています。
また次回会いましょう。