社畜の俺が一色いろはの恩人になるなんて間違っている。 作:ぱぶぃーる
「せーんぱーい早く行きましょうよー。」
甘ったるい声で急かしてくるのは俺の嫁(予定)一色いろはである。
先週戸部のお陰で決心がついた。プロポーズするために今日はデートを入れてもらった。
楽しみにしてくれてるのは嬉しいんだけどね、、、、
いろはちゃん、君、今何時かわかってる?
午前3時。社畜の皆さんが絶賛熟睡中の時間である。
「おい、まだ眠いんだけどってかまだ3時よ?」
「へっ?.....嘘っ!?気づかなかった!間違えましたよ。てへへ」
そう言ってテヘペロするいろは。可愛い。元気80000倍はちぱんまん!
語呂が悪い?気にすんな。気にしたら負けだよ。
......ごめんなさいだから睨まないでください怖いです。
まあそんなことは置いといて俺は今日プロポーズをするのである。
「てへへ、、ってお前、、、、可愛すぎ。」
「えへへー」
えへへーも同じ。破壊力高い。
「まあまだ早い。もうちょい寝ようぜ。」
「わかりました!」
そう言って抱きついてくるいろは。
あつくないのん?
「ちょっと、、、どしたの?」
「一緒に寝るんです!」
「いや、いつも隣でしょ?」
「隣じゃ物足りません!いいから大人しく寝てください。」
「お、おう。」
柔らかい。あったかい。いい匂い。柔らかい。
大天使いろはすに抱きつかれ、俺は再び眠りについた。
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鳥のさえずりが聞こえる。
現在、恐らく6時ごろ。
「ふあぁ、、よく寝たわ。いろはー。起きろー。」
「....ん、?せんぱいー。おはようございます。」
「うしっ、さっさと支度して行こうぜ。」
「はいっ!」
支度を済ませ2人で歩く。
「久しぶりにデートしますね!」
「そう言えばそうだな。どこ行く?」
「むぅ、人任せですか、、、せんぱいがデート行こうって言ってくれたからコースも考えてくれてると思ってました。」
「ふっ、冗談だよ。ちゃんと考えてる。」
「流石ですー。成長しましたね。」
「だろ。」
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そう言っていろはを連れてきたのは某ボーリング場。
「よし、いろは。ついたぞ。」
「ボーリングですか?」
「いいや、卓球だ。負けたら昼飯奢りな。」
「ふっふっふー、望むところです!」
なにっ!?負けた!?この俺が、、、、
「私の勝ちですね〜。じゃあお昼はお願いします。」
「まあもとから昼は俺が出すつもりだったからいいけどさ。お前強くなったな。」
「あの時せんぱいに負けて悔しかったので戸部.........先輩使っうぅん、に頼んで練習したんです!」
この子また戸部のこと呼び捨てにした?使った?怖いないろはす。
「まさにドヤって顔だな、、。」
「えへへー。それにしても懐かしいですねー。」
「お?まあそうだな。」
「変わってませんね、せんぱいもここも。」
「人はそう簡単に変わらないぞ。俺なんか一生変わらないまである。まあお前も全然変わってないと思うけどな。」
「なっ、私は変わりましたよ?」
「いいや、変わらず可愛いぞ。」
「っ、、もう、、!あざといです........」
そう言って照れたのかそっぽを向くいろは(可愛い)。
「うしっ、飯行くか。」
「は~い。」
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やっぱ昼飯といえばラーメン。ラーメンといえばなりたけ。
ということでなりたけでございます。
おわかりいただけただろうか、、、?
このデートコースは初デートと同じコースだということに。
はい。調子乗りました。
そう言えばおわかりいただけただろうか?って言われたのにわかんなかった時の『は?』って言うか気分、半端ないよね!
ホラー番組見てるいろはとか想像しただけで可愛い。一緒にお化け屋敷とか行きたいなぁ、、、、
おっとあぶねぇ、家族で行ったお化け屋敷で母さんにお化けに間違えられて叫ばれたトラウマを思い出してしまった。
......おい母ちゃん。息子とお化けの区別つかないのかよ。しっかりしろよ。
「せんぱいー?どーしたんですかぁ?」
「おう、悪ぃ。何でもないぞ。まあ入ろうぜ。」
「ラーメンですか、、、良いですね。」
「そう言えばお前と再開した事故の時も晩飯なりたけだった気がするわ。」
「今日は事故らないで下さいねー♪」
いや、事故るかもしれない。プロポーズの時に噛んだりするかも。それ大事故だな。
「なんでそんなにルンルンなんだ、、、?まあいいけど。事故らねぇよ。」
『はい、らっせ。』
「せんぱい、今日もらっせの人がいますね。」
「そうだな。ラッキーだ。」
「ギタギタと、、、どーする?」
「私はあっさりでー。」
「二人でなりたけとか懐かしいですねー?」
「おう。そうだな。」
『へいおまちー。』
「いただきます。」
二人揃って厳かに口にし、啜る、咀嚼する、飲み干す。
いろはもラーメンの美味しい食べ方が染み付いてきたな。
無言のラーメン。
2人でラーメンを食べ終わり、店をでる。
「美味しかったですねー。」
「安定だな。やっぱりなりたけって神だわ。」
「ふふ、そうですね。」
「よし、適当に買い物しようぜ。」
「おぉ。いいですねぇ。私服が欲しいですー。」
「おう。じゃあ買いに行くか。」
「はーいっ!」
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一言で言うとめっちゃ買った。
あれこれ欲がるいろはが可愛すぎて買ってあげてしまった。
ちょっと甘すぎたかもしれん。
そろそろいい時間になってきたので例のカフェに行こうと思う。
「なあいろは、甘い物食べたくない?」
「ふぇ?食べたいです。」
「よし決まりだ。行くぞ。」
ちなみに俺は甘党ではない。マッ缶党だ。
.........いや、マッ缶党は甘党か?
なぜカフェなんかに誘ったかと言うと、そこでプロポーズするつもりだからだ。
堅苦しいプロポーズでなく、ケーキやらアイスやらを食べながらプロポーズする。人生の分岐点であり大切なイベントであるプロポーズをそんなに軽い感じでやっていいものかと悩んだが、他にいい案が思い浮かばなかったのでこうすることにした。
席に座って注文を済ます。
こういう所では何を頼めばいいかわからん。
仕方ないからブレンドとジェラートにしておく。
いろははなんかよくわからんカタカナ羅列の食べ物を注文していたが、よくわからん。
ケーキを食べながら話題をふる。
「なあいろは。付き合う前に初めてデートした時もこんなコースだったよな。」
「そうですねぇー。私はあの時からせんぱいが好きでしたよー?」
「そうなの?やっぱ俺鈍感?」
「振り向かせてやろうとがんばったんですけどねー。まあ今こうして一緒にいられる訳ですし、良かったとは思いますよ。」
「そうだな。なあいろは。俺は、、、俺はこれから先ずっといろはにそばにいて欲しい。」
「何ですかそれプロポーズですか嬉しいですけどもっと早くして欲しかったです。」
「そうだな、すまない。」
「いえ、いいんですよ。結婚、しましょうっ!」
そう言って笑ういろはの頬には、一筋の涙が流れていた。
守りたい、この笑顔。
泣いているいろはの頭を撫でていると、周りからもちらほらと拍手が聞こえた。
「しゃんぱいっ!しぇんぱい!」
ほんと可愛いなこいつ。
泣きながら胸に顔をグリグリして先輩先輩って。
「よし、食い終わったし、帰るか。」
「はいっ!」
会計を済ませ外に出る。
そう言えば指輪を渡すのを忘れていた。これはまずい。うわぁー!はちまんピンチっ!
ここで渡すしかないな。
「いろは、これ、指輪。」
「この指輪は薬指に付けるやつですか?」
「あぁ、そうだ。」
「せんぱい、付けてください。」
「おう。」
そう言っていろはの左手の薬指に指輪を付ける。
「婚姻届、家にあるので書いて出しましょう?」
「お、準備がいいな。よしっ、行くか。」
不意に唇に軟らかい何かが当たる。
とても短いキスだった。でも、今までしたキスで1番幸せに感じた。
「せんぱい、大好きですっ!」
「俺もだよ。」
しっかりと恋人繋ぎをし、新婚生活に心を踊らせながら2人で家路にく。
あぁ、やっと俺は『本物』を見つけられたな。
最終話になります。
今まで本当にありがとうございました。
他にもいくつかSSを書かせて頂いております。良ければ読んでみて下さい。
なお、アフターについては間は開くかも知れませんし、開かないかもしれないですが、書く予定です。
このような駄文に最後までお付き合いして頂き、ありがとうございました。
2017 08.13 はぶぃーる