夕焼けに誓う幼馴染達   作:椿姫

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それでは第5話、どうぞ!!


第5話「前夜祭と宇田川姉妹からの頼み」

ーー朝7時雄天宅、雄天の部屋にて……

 

ひまりside

 

「ふあぁ。…良く寝たぁ」

 

私が背伸びしていると、隣でゆうまはまだ寝息をたてている。この寝顔を見ているだけで私は幸せな気持ちになっちゃう。

 

「起きるまでなら、イイよね……?」

 

私は寝ているゆうまの頬を指でつついたり軽くつねってみた。うっすらと反応してる。カワイイ♪次は何しようかと考えてると、

 

「ん…ん、ふぇ?」

 

ゆうまが目を覚ました。そしてあたしに顔を近づけてきた。そしてそのまま私のことを見ている。

 

「…‥…」

 

(ふぇえええええええ!?近い!顔が近い!?)

 

そしてゆうまが口を開いた…

 

雄天side

 

「…おはよー。ひまり」

「お、おはよ。ゆうま」

 

ひまりは何故か動揺していた。何かあったのかな?

 

「?ひまり、どーしたの?顔赤いよ、もしかして熱?」

心配した僕はひまりのおでこに手を添える。

 

「ーーーーーーーー/////!?」

 

ひまりは更に顔を赤くしてしまう。けど、熱は無いみたいだ。よかったよかった。

 

「熱がなくて良かったよ。じゃあ僕は下に行ってご飯用意するから着替えて待ってて?何か食べたいの、ある?」

 

「……何でもいい」

 

まだ顔が赤いまんまだ。熱ないからいいけどさ。まぁ大丈夫だよね。

 

「りょーかい。すぐ作っちゃうから待ってて」

 

僕はひまりに言って下に降りてった。

 

 

ひまりside

 

「いきなり顔を近づけてきたからビックリしちゃったよぉ〜」

 

そんな独り言を呟きながら私は服を着替えた。鏡を見ながら着付けを確認する。

……また、胸おっきくなったかなぁ?

そう言えばかなり前に学校であった身体測定で、身長と体重は変わらなかったけど(体重だけは増やしちゃだめだ!)胸だけ増えてたんだよなぁ〜

その事蘭やつぐに話したら二人して

 

「「世の中不公平だ…」」

 

って言ってたっけなぁ。そんなことないと思うよ私は。蘭やつぐもスタイルいい方だと思うのに…モカに至っては

 

「カロリーをひーちゃんに送ってるから〜」

 

って言ってたっけ。冗談にしてもあれはびっくりしたよ…

そんなことを思ってると下からゆうまの声がした

 

「ひまりー、ご飯できたよー」

 

「今行くー」

 

私は下に降りてった。あ、凄いいいの匂い。今日の朝食は何かなぁ?

 

 

雄天side

 

「ごちそー様でした!」

 

ひまりがご飯を食べ終わり食器を僕の方に持ってきた。あ、僕は食べ終わって今洗ってるとこだ。

 

「美味しかったぁ!やっぱりゆうまのご飯は最高だよ!」

 

「そう言ってもらえると僕も嬉しいな」

 

そんなことを話しているとひまりが思い出したかのように僕に話しかけた。

 

「そう言えば今日商店街でお祭りあるよね?」

 

「正確には今日と明日。今日が前夜祭で明日が後夜祭。しかもひまりたちは前夜祭でライブ披露するもんね?何時からだったっけ?」

 

「えっと、あっ!19時からだよ!! ゆうまも見に来てね?」

 

「勿論見に行くよ。行かないわけないじゃん?」

 

「ありがと♪」

 

今の話にも出たが、この時期には商店街でお祭りがある。前夜祭の見所はガールズバンドなどを集めてのライブ。今回はGlitter Green、通称グリグリも来るということだから例年以上に盛り上がるだろう。ってかよくグリグリからオファー貰えたな…そっちの方が驚きだよ……

 

後夜祭では祭太鼓に合わせて商店街の人達が踊ったりする。因みに祭太鼓を叩くのは幼馴染の1人、宇田川巴だ。あの時の巴かっこよかったなぁ〜今年も見れるかと思うと楽しみだ。因みに僕も祭り太鼓は叩いたことがある、でもあんまりその時の記憶がないんだよなぁ、その事巴に聞いたら

 

「ユウって太鼓叩いてる時別人みたいになってたぜ?意外な一面を見れたなーって感じがしたな」

 

って言ってた。

そんなことを思っているとひまりと僕の携帯が鳴った。見てみるとLI●Eが来ていた。内容を見てみると幼馴染のグループラインで蘭からだ。

『練習開始時間を15時からって言ってたけど昼12時から18時までに変更。その後の事は集まったら伝える。あとオーナーが雄天に伝えてって。「今日のシフト、花園たえが前夜祭のライブ準備で来れなくなったから代わりに入って。」だってさ』

 

たえ……そういうことは早めに行ってよ…因みに花園たえとは同じSPACEで働くバイト仲間だ。確かバンドやってるって言ってたな…

 

えっと、たえの代わりにシフト入るから、何時からなんだ?…………って9時からじゃん!? え?今何時?8時半!? 後30分しかない!ヤバイ遅刻しちゃう!!

僕は大急ぎで荷物をまとめて、

「ひ、ひまり!僕はもうバイト行ってくるから!蘭達と練習してて!?」

 

「あ、うん! 行ってらっしゃいゆうま!!頑張ってねー! ライブ来てねー?」

 

「絶対行くからー!!」

 

そう言いながら家を出て自転車を漕いでSPACEへ向かった…

 

 

ひまりside

 

大丈夫かなゆうま? 大急ぎでバイト向かってったけど…怪我しなきゃいいな。おおっと私も練習に行く準備しないと…

荷物はまた泊まるから置いといてっと、ゆうまの家の玄関は入る際に、本人の指紋を認識しないと開かない仕組みだからものが取られる心配はない。内側から開く際に気をつければ泥棒とかなんて入らないし。

と言うか、12時まで暇だなぁ。…………そうだ!つぐの家(カフェ)行って駄べりますか!そうと決まればつぐへ●INEだー!!

 

『あ、つぐ?今からつぐの家行くけど、いいー?』

 

『いいよー。ひまりちゃんなら大歓迎だよ。12時から練習だもんね。それまでだったらOKだよ。』

 

本人からも許可が出ましった!!

「ぃよし!行きますかぁ!」

私はゆうまの家を出て自分の家に戻りベースを取りに戻ってからつぐの家に向かってった…

 

 

雄天side

 

昼過ぎになり、オーナーからは「ごめんねいきなり呼び出しちゃって。今日はもう上がりでいいよ。」と言われて飲み物を貰い僕は今、昼飯を買いにやまぶきベーカリーに来ている。店内に入ると香ばしいパンの匂いが僕の鼻を刺激する。

「いらっしゃいませー。あ、雄天じゃん?バイトおたえの代わりに入ってくれてありがとねー」

 

「労いの言葉をありがとう沙綾。あ、レモンパン4つね」

 

今話している店員はおたえと同じバンドメンバーでやまぶきベーカリーの看板娘と言っても過言ではない山吹沙綾だ。花咲川学園に在籍する高校一年生。花咲川学園も入学者増加のために共学になったっておたえバイトで言ってたなぁ…

 

「好きだねー?レモンパン」

 

沙綾が苦笑いする。

 

「美味しいからね、仕方ないね」

 

僕は答える。ここのレモンパンは頭が最高にhighになるほど美味い。

 

「はいはい。この後はどーするの?なんか予定あるの?」

 

沙綾が聞いてきた。僕は

 

「とりあえず家でレモンパン食べて少し寝るかな…朝早かったから眠いんだよ…前夜祭始まるまでにはまた来るし…」

 

そんな僕を見て沙綾は若干苦笑いになった。

 

「見てる限りすっごい眠そうだよ?疲れてるなら寝た方が体にいいよ。じゃ、ライブちゃんと見に来てね?」

 

僕は沙綾に軽く手を振って家に戻った。そして家についた僕はリビングのソファにダイブしてパンを食べる。やっぱりレモンパンは美味いな…今時間何時だ…まだ13時前か…16時頃まで寝よう…その位の時間帯になれば…屋台…だ…ってあ…りゅ…し…………

 

 

 

 

…うーん?僕は寝てしまったのか?いや、寝ていいんだけどさ。疲れてたし。ところで今何時だぁ…………お、おぉ。丁度宣言した4時に起きれるなんて自分でもビックリだよ。さて、そろそろ商店街に戻るかな。僕は荷物を整理し、必要最低限の物だけ持って家を出た。

 

 

 

ーー商店街ーー

 

「らっしゃーい!! たこ焼1パック8個でら300円だよー!」

 

「こっちのビールもキンッキンに冷えてるよー!買った買った!!」

 

「北沢精肉店が贈る自慢の肉料理!! メンチカツ、コロッケ、食べてかないと損だよー!」

 

ワイワイガヤガヤ……

 

今年も想像以上の盛り上がりだ。屋台などを回っていると一つの屋台から僕を呼ぶ声がした。

 

「おぉ、雄天じゃな!? ワシんとこの焼き魚、食ぅてけぇ!美味いゾォ!!」

 

と、独特の喋り方で僕を呼んでいた。

 

「今年も焼き魚出店ですか、鮫島先輩?」

 

「美味いもんは沢山のモンに食うてもろた方がエエじゃろ!! 」

 

「まぁそうですよね」

 

この人は同じ羽丘学園に通う鮫島イツキ先輩で3年生。僕やひまりよりも大きいその身長は190mあるんじゃないかと思われる。商店街からは少し離れたところにある魚屋 [OCEAN] の長男で兄弟が中等部にいる。顔が強面で如何にも番長みたいなやつだと思われがちだが実際は友達思いで超優しい先輩。しかも今絶賛片思い中で前、誰が好きなんですか?って聞いたところ、

 

「ワシは宇田川巴の事が好きなんじゃ」

 

って言ってたな。まーそれにしても初めて見た時はびっくりしたよ。こんな身長高い先輩が羽丘学園にいるなんて…

 

「と、ゆー訳で、雄天!! 秋刀魚の塩焼きじゃ!! どうじゃぁ? 焼きたてじゃぞぉ?」

 

「じゃあお言葉に甘えて1匹ください」

 

「毎度ォ!! 250円じゃ!!」

僕はきっちり250円払った。

 

「そう言えば鮫島先輩も明日の後夜祭の祭太鼓出るんですよね?」

 

「ったり前じゃぁ!しかも今年は巴と一緒じゃぞ!? ワシの気持ちをアピールする時じゃぁぁぁぁ!!!!」

 

鮫島先輩の目が燃えている。優しいんだけどこの先輩は…暑苦しいんだよなぁ…暑苦しいのを抑え出れば結構いい人なんだけどな…あぁ、暑苦しい…これ以上関わると正直言って面倒だ。

 

「じゃあ僕は行きますね?」

 

1人で燃えてる先輩を放って僕はその場を後にした。

 

1人で出店を見てみると、

 

「ユウ、お疲れ」

 

「巴じゃん? そう言えば練習はもう終わったの?」

 

「あぁ。今は機材を運び終わって時間があるからフラフラしてたんだ、あことな」

 

そういうと巴の後ろからひょこっと顔を出してきたのは巴の妹、宇田川あこだ。あこは友希那先輩のバンド「Roselia」のドラム担当そして……

 

「我が戦友よ! 今宵は我らが奏し音楽に戦慄するが良い!!」

 

「…………」

 

カッコイイを意識しているのか、こんな喋り方をするようになった。ま、面白いからいいけどさ。あとはネトゲかな? 結構話が盛り上がるんだよなぁ〜

 

「あ、そう言えばあこ?ネトゲのイベント限定装備ゲットしたかぁ?因みに僕と白金さんはゲットしたぞぉ〜」

 

僕はあこに聞くと

 

「えええっ!? あのカッコイイ装備ゲットしたのりんりんと雄天先輩!? あこはまだだよぉ〜、羨ましいー!」

 

あこがりんりんと言っていたのは白金燐子先輩。「Roselia」のキーボード担当で僕らのネトゲ仲間だ。後、そのネトゲをひまりに1回やらせたことあってその時ひまり、感動して不覚にも泣いちゃったんだよなぁ〜あれはいろんな意味で凄かったな。

 

「じゃあ手伝おっか?イベントは明後日までだしな」

「ありがとー先輩!」

 

そんな話をしていると巴が、

 

「そろそろアタシらは行くよ。ユウ、絶対に見に来いよ?アタシらの演奏」

「当たり前じゃん。頑張れよ?」

 

巴があったり前だーって言いながらあこと走ってった。あこは「バイバーイ先輩!」と言いながら行った。

 

その後間もなくライブが始まった。順番通りにバンドが演奏して行く。僕はだいたい前から2~3番目くらいの所に座っている。プログラムを見る限りだとそろそろ蘭達の出番か…

司会の人が、

 

『それでは次のバンドはぁぁぁぁぁ、幼馴染5人で結成されたガールズバンドォォ、Afterglow!!』

 

蘭達がステージに立った。5人とも緊張してたみたいだが僕を見つけたのか、顔のこわばりがなくなった。

 

「みなさんこんばんは、Afterglowです」

 

歓声が凄かった。挨拶の後はそれぞれメンバーが話し、

 

「それでは聴いてください…「scarlet sky」」

 

蘭達の演奏が始まった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー前夜祭終了後、雄天宅にて…ーー

 

 

蘭たちの演奏は凄かった。思わず魅入ってしまった。それはラストのグリグリにも言えることだが… バンド、か…面白そうだな…そんなことを考えてると、

 

ドンッ!!

 

「ゆーうーまっ!」

 

ひまりがドアを開けて抱きついてきた。胸の感触は相変わらず凄いな…動揺するな僕!! 理性を保てぇ!!

 

「どうしたの?ひまり」

 

「今日のライブ、どーだった?」

 

「かっこよかったよ。練習の時とは大違いだったね。流石だよ」

 

僕はひまりの頭を撫でながら答える。ひまりは頬を赤らめてえへへと言いながら喜ぶ。

 

「ねーねー。なんか御褒美ちょーだいゆうまー」

 

ひまりは上目遣いで御褒美を要求してきた。そんなに目をウルウルさせて、しかも抱きついたまんまでよ、要求なんて! 卑怯だろ!ええっと、御褒美って言っても何をあげたら…

 

「御褒美って何をあげたらいいの?」

 

僕はつい聞いてしまった。ひまりは少し考えた後、

 

「ゆうま」

「ん?何ひまり?」

 

ひまりは僕に抱きついた状態で

 

「ん」

 

僕の唇に自分の唇を重ねて、

 

 

 

キスをしていた

 

(/////!!?)

 

突然過ぎて頭が回らなかった。必死に状況を整理していると

 

「御褒美は…これでいいよ/////」

 

顔を赤くしながらひまりは笑った。そして僕の耳元で

 

ーーー次はゆうまからキスしてね?ーーー

 

と呟いた。暫くは放心状態だった…

 

放心状態から覚めた僕はその後風呂に入って寝ようとしたが暫く寝付け無かった…あの言葉が頭に残る…

 

(次はゆうまからキスしてね?)

 

悶絶する僕の隣でひまりはぐっすりと寝ていた…満足そうな笑顔で

 

 

 

翌日、ひまりの親が帰ってきた為、ひまりは隣の自分の家に戻った。

 

「今日の後夜祭では、巴と鮫島先輩の祭太鼓かぁ…」

 

そんなことを呟い出ると1通のメールが届いた。誰からだ?内容を見てみるとあこからだ。

 

「先輩! おねーちゃんが…すぐに家に来て!!」

 

巴に何かあったのか!? 僕は急いで宇田川家に向かった

 

 

ーー宇田川家、玄関前ーー

 

「あこ! 巴!」

 

僕がそう呼ぶと家からあこが出てきた。

 

「あ、先輩!! 」

 

「あこ! 巴に何があった!?」

 

「おねーちゃんが、怪我しちゃって祭太鼓に出られなくなったの!!」

 

「何でそんなことになった!?」

 

「昨日、祭太鼓の練習をしていたら………」

 

ーー説明中ーー

 

「…と、いうわけなんですよ」

 

「…手首を思いっきり捻ったのか」

 

「今日明日は絶対安静ってお医者さんが言ってたの! どうしよう先輩!? 今日おねーちゃん祭太鼓出来なくなっちゃうよぉ!!」

 

そんなことを話していると、

 

「ユウ? そこにいるのか、ユウ!!」

 

巴が家から出てきていた。右手首に包帯を巻いている。

 

「巴!! 大丈夫なのか!?」

 

僕が問いただす。

 

「あぁ、アタシは大丈夫だ……っ!!」

「無理しないで、おねーちゃん!!」

 

「…こうなっちまったらもう、今日と明日は安静にしとかなきゃな」

 

「それはそうだけど今日の祭太鼓どーすんだよ!?」

 

僕がそう言うと巴は僕に頭を下げた

 

「と、巴?」

 

「こんな事頼めるのはユウだけだ!頼む!! ユウ、あたしの代わりに今日の後夜祭の祭太鼓、出てくれ!!」

「あこからも、お願いします!!」

 

2人が頭を下げて僕にお願いしてきた。

 

…僕が、巴の代わりに、祭太鼓!?

 




皆さんはガルパのイベントどこまでいきましたか?僕はもう少しで100000いきそうな感じですね。

新しくお気に入り登録してくれた方々ありがとうございます!これからも頑張りますので何卒よろしくお願いします!!

今回登場したオリキャラ、鮫島イツキは次回紹介します

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