夕焼けに誓う幼馴染達 作:椿姫
久々の投稿になります…ずっとポケモンしてました。
待ってくれた皆さん本当に申し訳ありません。それと38話からは第6章となります。
「んん……」
目が覚めてスマホに目をやる。スマホにはAM6:00と表示されている。朝食の準備をしようとベッドから降りようとしたが…
「すぅすぅ…」
ひまりが僕の腕に抱きついていて動けない。
「ひまり?僕朝食の準備するから一回腕離してもらえると助かるんだけど…」
そう言うとひまりは目を擦り反応を見せる。
「……ゆうまぁ?どこいくのぉ?」
「朝食作ってくるから一回腕離して?」
「…もうちょっと寝るからだめ〜」
完全に寝ぼけてる。腕も離してくれなさそうだ。…こうなったら、
「朝食はシイタケづくしだよ〜(棒)」
「いやだ!」
ひまりは一瞬で目を覚まし腕を離す。冗談だと分かったのか僕を見てぷうっと頬を膨らませる。
「むぅぅ、ゆうま〜」
「おはようひまり」
「おはよう…じゃなくって!朝食シイタケづくしじゃないよね?ね?」
「え?もしかして食べたいの?」
「違うよぉ!」
「冗談だから大丈夫、朝食作ってくるから着替えて待ってて?」
僕はそう言って部屋を出た。
ひまりside
私はゆうまが部屋から出た後は着替えてお部屋待機なうです。ご飯出来るまで待っててって言われちゃったけど…
「ふあぁ…眠い…」
ちょっとだけ寝よっかな?私はさっきまで使ってた枕に顔をうずめようとすると、
「ひまりー、朝食出来たよー!」
ゆうまの声がして私は飛び起きる。バッグを持ってそのまま部屋を出て階段を降りていく。すごくいい匂いが朝から鼻をくすぐる。見てみると朝からハンバーグとご飯があって食欲を唆られた。
「あ、朝からハンバーグ…もしかして機嫌がいい?」
「そんなこと言ってないで早く食べないと冷めるよ?」
「は〜い」
朝食を食べ終わってからはあれこれ準備をして家を出た。肌寒かったから誕生日に貰ったマフラーをゆうまと一緒に首に巻いて登校する。勿論しっかり手を繋いでね♪
「そのマフラー使ってくれて嬉しいよ。頑張って作って良かった」
「ゆうまが作ってくれたんだよ?使わないわけないじゃん?すごくあったかいよ♪」
途中でモカと巴、蘭達と合流して学校に向かう。ちなみにつぐは生徒会の仕事があるから早めに登校するって言ってた。
学校についてからは屋台に行って準備をする。
「さて、今日は学園祭最終日だから頑張らねーとな!」
「トモちん気合入ってる〜」
「そりゃそうだよモカ。最終日は来場者数が増えるって言うからね、それに後夜祭もあるんだから尚更だよ」
ゆうまがそう言うとモカはちょっと頬をぷくっとしていた。私がなんで膨れたのか聞くと「屋台行きたい〜」と言ってた。
「マー君、モカちゃんとシフト変わって〜?今日は屋台行きた〜い」
「ん?ごめんよく聞こえない」
「ぶうぅ、マー君のけちんぼー」
「…やまぶきベーカリーのパン引換券20枚」
「モカちゃんは屋台を頑張るであります」
あっさり買収してました。モカってば相変わらずだな〜。
「リサちー!あそこのクレープすっっごく美味しいんだよー!早く早くー!」
「待ってよヒナ、まだどこも準備中だよぉ?」
屋台に向かって走ってくる人たちがいた。
「日菜さんとリサさんじゃないですか!」
「あ、ひまりちゃん!それに雄天くんもみんないるー!」
「やっほー♪今って時間大丈夫?」
「まだ開店まで時間ありますけど…どうしたんですか?」
「あたしねー、ここのクレープ食べたいのー!おねがーい!」
「こういう訳でねぇ…お願いできる雄天クン?ヒナ言い出すと聞かないところあるからさ…」
「リサちー、それどう言う意味ー!?」
「……ちょっと時間掛かりますよ?」
ゆうまがそう言うとちゃちゃっと準備を済ませてクレープを日菜さんに渡した。日菜さんはそのままかぶりつくと目をキラキラさせていた。
「んっんんんんーん!」
「食べるか喋るかどっちかにしてください!」
「多分ヒナはすっごく美味しーい!って言ってるんじゃない?」
「リサさんが翻訳機みたくなってますね…」
日菜さんは満足したみたいで私達に手を振ってそのまま学校内に戻って行った。
「じゃあ…今日も頑張ろっか!」
『おー!』
雄天side
やっぱり今日は最終日なだけあって人が多いなぁ…そう思いながらも作業を進める。
「ユウ!次はチョコバナナ2つと抹茶3つ追加だぞ!」
「了解!ひまり、出来たクレープをもってって!モカは美味しそうにじっと見ない!あとにして!」
「おっけーゆうま!」
「了解でありますマー君」
1日目とはまるでお客さんの量が違う。売っては作って売っては作っての繰り返しだし手と口は止まらない。その時聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ、お姉ちゃん!おーい!」
「あ、あこちゃん……待って、は、早い…」
そう言って屋台に来たのは巴の妹のあこだった。隣には白金先輩もいる。人混み苦手って言ってたけど大丈夫なのかな?
「お、あこ来たのか!燐子先輩も!」
「う、宇田川さん…みなさん…こんにちは…」
「お姉ちゃん!買いに来たよぉ!ねぇねぇりんりん!何にする!?」
「わ、わたし、は…まず飲み物を…」
「ご、ごめんねりんりん」
「だ……大丈夫だよあこちゃん…ぷはぁっ」
そう言うと燐子さんはカバンからペットボトルを取りだしてそれを飲みはじめた。
「白金先輩大丈夫ですか?」
僕がそう聞くと大丈夫ですと一言だけ言った。
「所でなんですけど…クレープ食べますか?」
「あこクレープ食べたいです!」
「それは見てわかるよ?すっごい目キラキラしてるもんね?」
僕がそう言うとあこはチョコバナナを2つ頼む。僕はそれを作って白金先輩とあこに渡した。
「あ、あこちゃん…お、お金…」
「だいじょーぶ!気にしないでりんりん!連れ回しちゃったぶんあこが払うから!ね?」
白金先輩は結局あこに押し切られていた。あこなりに罪悪感を感じたのだろう。
「ねぇりんりん!次はりんりんの行きたい所に行こうよ!」
「わ、私は大丈夫だよ…」
「いーの!さっきまであこだったからつぎはりんりんの番だよ、ね?いいでしょ?」
「あこちゃんがそう言うなら……」
2人はクレープ片手に校舎内に入っていった。
「ねぇゆうまぁ」
「どうしたのひまり?」
「何でこんなに今日人多いの〜?」
「後夜祭もあるからじゃない?」
「えっ?後夜祭なんてあるの?」
僕は溜息を付きながら説明する。
「文化祭のしおりに書いてあるよ。今日は後夜祭もあって午後からは商店街の人達とか色々な人が出入りするからって。それと学生屋台は15時で終了だってことも。……ちゃんとしおりは読もうね?」
は〜いとやる気ない返事をしてひまりは作業に入る。はぁ…まぁこれで分からないひまりじゃない事はわかってるからいいか。
それからもお客の数はどんどん押し寄せてきたりと休憩する余裕も殆ど無かった。お昼すぎになってからはやっと人が少なくなってきた。僕らはそのタイミングを見計らって休憩をすることにした。
「ううぅ〜もう限界…」
「あ、アタシも張り切ってたけどさすがにきついぜ…」
「モカちゃん…お腹すいて力が出な〜い」
「みんな大丈夫?って僕も相当腰と腕キてるけどさ」
そんなことを話していると、
「おーい、みんなー!」
つぐみがこちらに向かって走ってきた。手に提げてるビニール袋には購買で買ったと思われる食べ物が入っているのが遠目でも分かる。そして後ろからは蘭も来ていた。
「つぐみ、どうしたの?生徒会の仕事あるんじゃ…」
「今は外れても大丈夫って言われたからみんなの様子を見に来たの。お腹も空いてるんじゃないかって思ってあそこの売店でワッフル買ってきたんだ!蘭ちゃんと一緒に!」
そう言うとつぐみと蘭はみんなにワッフルと飲料水を差し出す。
「蘭〜!つぐ神様〜!」
「ありがと〜、しっかりとモカちゃんのお腹におさめま〜す」
「さんきゅーなつぐ、蘭」
「雄天、はい」
蘭は僕にワッフルを渡す。
「ありがと蘭」
「別に、つぐみに言われて一緒に来ただけだし」
「もう蘭ちゃん!ちゃんと雄天くんたちが心配だったて言わないと!」
「ちょっ、つぐみ!?な、何言って…」
つぐみのその言葉と蘭の本心を聞くやいな、ひまりとモカがありがとうと言いながら蘭に抱きつく。蘭は否定しつつも顔に出ているのがバレバレだった。
「私今日はこのあと時間空いてるから雄天くん達の事手伝うよ!ね、蘭ちゃん?」
「えっ?ま、まぁあたしも時間あるし…つ、つぐみが言うなら…ちょっとだけ」
「ら〜ん〜!」
こうして僕達は差し入れとつぐみと蘭が手伝ってくれたお陰で無事に午後も乗り切ることが出来た。そして後夜祭準備に突入した為みんなで他のところを見て回るという事になった。
「あ、お化け屋敷がある」
僕が指さすとひまりは青ざめる。
「おー、マー君行くの?」
「ひまりが行きたがってたもんね?ね?」
「ひーちゃん大丈夫なの?」
「だ、大丈夫じゃないよ?ゆ、ゆうま…私そんな事言ってないよね…じ、冗談だよね…?」
「冗談だよひまり……半分」
「半分!?」
「ど、どうするの……は、入るの?」
「蘭?震えてるよ?」
「べ、別にっ!怖くなんかないし!」
「何でそうやって自ら地雷を踏み抜くのかなぁ…」
「ゆ、雄天!」
蘭がキッと僕を睨む。
「いや今の僕悪くないよね!?」
「うぅ……と!とにかく!あたしは入らないからね!」
蘭とひまりは意地でも入らないみたいだ。モカと僕は行きたいんだけどな……
「ねーねー、マー君」
「どうしたのモカ」
「どうせならモカちゃんと二人でお化け屋敷行かなーい?ひーちゃんと蘭はこわいみたいだよ〜?」
モカはニヤニヤしながら僕の腕に自分の腕を絡めてくる。腕に胸が当たって思わずびっくりしてしまう。
「おや〜?マー君何で慌ててるのかなぁ?」
「い、いや、別に…」
「モカちゃん一人でお化け屋敷は無理だよぉー、マー君おねがーい、一緒に来てほしいなあ(棒)」
「うわっ!わかりやすいほど棒読みだ!」
それを見ていたひまりと蘭は何故か対抗心と嫉妬心のようなものを燃え上がらせていた。
『私も(あたしも)行くっ!』
巴が2人に本当にいいのか?って聞いてたけど2人とも意気揚々と入って行った。……数分後に悲鳴が聞こえたのは言うまでも無いが魂が抜けかけたように二人が出口から出てきたことに関してはツッコミはしないでおこう。
そして時間は刻々と過ぎていって後夜祭の時間になった。巴はあこと回るからと言って途中で居なくなりつぐみも生徒会の仕事で戻りモカは蘭と2人で回るしマー君とひーちゃん邪魔しちゃわるいも〜んと言ってその場をあとにした。つまるところ僕とひまりで後夜祭を回っている。
「ゆ、ゆうまぁ…これ、大きすぎない?」
「そうかな?」
「そうだよ…美味しそうだけど…」
「食べないの?」
「食べるよ!…はむっ、や、やっぱりおっきくて口にはいらないよぉこのりんご飴〜」
「あはは…やっぱりダメだったか…」
そんなことを話しながら祭り屋台を歩いていくと校内放送が流れた。
『このあとすぐ、後夜祭を締めくくる花火大会が始まりますので生徒やお客様は見やすい位置でステンバーイしてください』
「ねぇゆうま!聞いたっ!?花火大会だって!上から見る?それとも下から?ねぇねぇ!」
「そのフレーズどこかで聞いたことあるような…僕はどっちでもいいかな?ひまりは?」
「私は………あそこがいい!」
そう言ってひまりが指さしたのは学校の屋上だった。僕はひまりに連れられるまま屋上に行くこととなった。行ってみるとそこは誰もいなくまるで花火の絶景スポットとも言わんばかりだ。僕は屋上に置かれてるベンチに座る。
「ふぅ…疲れた…まだ花火まで時間あるね?」
「ねぇねぇゆうま、ちょっと足開いて」
「え?何で?」
「いいから、ね?」
僕は訳が分からなかったがとりあえず足を開く。
そしてひまりは僕が開いたスペースにポスッと腰を下ろす。
「ふぇっ?ひ、ひまり!?/////」
「……足」
「?」
「もうちょっと開いてよ…収まんないよ/////」
「ご、ごめん…」
「分かればいいのだ!」
「………はぁ」
こうしてひまりが僕の空けたスペースに座ること数分……
「…ゆうま」
「ん?どうしたの?」
「…背中が、ちょっとスースーする」
「今の時季って肌寒いからね…とりあえず温かい飲み物買ってこよっか?」
「そ、そうじゃなくって……そ、その、ほら…」
「ストールとかは生憎ないからなぁ…」
「も、もっとこう…適度に暖かいものがあるでしょ?ゆうまってこういう時たまに鈍いよね?」
「…………あ、そっか」
僕はひまりを後ろから首に腕を回すように抱きしめる。
「え、えっと…これでいい?ひまり?」
「ありがと………これでいいよ/////」
「な、なんかこんなふうに抱きしめてるとひまりがちっちゃく感じるね」
「私ちっちゃくないもん!女の子として色々な所はちゃんと成長してるもん!」
「ごめんごめん…」
そんなことを話していると花火が上がる音が聞こえた。ドーンと音が鳴る。そして夜空に綺麗に花火が咲き誇る。緑や赤などこれでもかという程にドーン!ドーン!となり続く。
「うわぁ!キレイ!ね?ゆうま」
「すごいね……」
ひまりを抱きしめながら花火を見る。きっと巴や蘭達も見ている頃だろう。そしてこの時間はあっという間に終わってしまった。
「すごかったね!!あんなに綺麗な花火なんて夏祭り以来だよね!?」
「そうだね」
僕とひまりは屋上をあとにしようとする。
「ねぇひまり」
僕は出口に手をかけたひまりに声を掛ける。ひまりは疑問符を浮かべる。
「?」
「来年もさ…い、一緒に文化祭楽しんだり、花火見たりできるよね…?」
僕がそう言うとひまりは僕に近づく。そしてそのまま頬に手を添えて、口付けをした。
「っ!?」
「ーん、「できるよね?」じゃないよ?これからも一緒だし来年もだよ!もう、ゆうまったら!」
「…そうだね」
『これをもちまして羽丘学園・学園祭と後夜祭の全部を終了とさせていただきます。学生の皆さんは体育館に集まりお客さんは気を付けてお帰りくださいますようお願い致します』
アナウンスが流れた。さて、体育館に行かないと…
「ゆうま」
ひまりが手を差し伸べるので僕はその手をとる。
「それじゃあ…いこっか?」
「うん!」
高校生になって初めての学園祭。色々あったけど楽しむことが出来て本当によかったと心から思えた。
リアルではテストもあってポケモンもやってて色々忙しかったです。
小説の方はちょくちょくと更新していけたらと思います。
これからも頑張りますので何卒宜しくお願いします。