夕焼けに誓う幼馴染達   作:椿姫

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本来はイベントの時にアップしたかったんですが……仕方ないですよね(白目)
今回のストーリー、長いです(多分)



第14話「ウェディング大騒動!」

僕は今、商店街にいる。理由は簡単だ。食材の買出しに来ているんだ。それで北沢精肉店に来ている。ここの仕入れる肉がどれもこれも質が良いんだよ。

 

「いらっしゃい雄天くん!いつもご贔屓に!」

 

この人は北沢精肉店のオーナーでいつも肉を買う時お世話になってる人だ。娘がいて花咲川学園に通ってるとのこと。

 

「北沢さん。この鶏の皮と胸肉。あと牛脂と豚ロース。」

 

「毎度!いつもありがとね!」

 

お金を支払い次の目的地に向かう。やまぶきベーカリーだ。扉を開けるといつものように看板娘の山吹沙綾の元気な声が聞こえるはずだった。

 

「いらっしゃいませ〜」

 

「沙、沙綾?声に張りが無いけど、どしたの?」

 

僕が沙綾に聞くと沙綾は大丈夫〜と言っていた。とても大丈夫そうには見えないけどな…いつもの様にレモンパンを買って店を出る。店を出ると巴とあこに会う。

 

「あっ、巴とあこじゃん。休み会うなんて珍らs」

 

僕の言葉を遮り巴はぼくの腕を掴み引っ張っていく。

 

「ちょっ!?と、巴?いきなり何を!?」

 

そのまま引っ張られていく。しばらく引っ張られてやまぶきベーカリーの見えなくなるとこまで来た。

 

「ちょっと巴?どうしたの?」

 

僕が聞くと巴は声を荒げる。

 

「ユウ、お前は気にならなかったのか!?あんな沙綾見たことないだろ!?」

 

それは確かに気になるなぁ…

 

「巴とあこは沙綾があんなふうになってたのは知ってたの?」

 

僕が聞くとあこが答える。

 

「あ、はい!あこ達が沙綾さんの店に行った時もあんな感じでしたよ?」

 

「アタシがどうかしたのか?ってきいても何でもないって言われたんだ!あんなに元気の無い沙綾はきっとアタシらに言えない何かがあるんだ!」

 

「と、巴の言いたいことはわかった。取り敢えず落ち着こ?」

 

僕がそう言うと巴はすまないと言って落ち着きを取り戻した。

 

「それで巴はどうするの?」

 

そう聞くと巴はどうするかなぁと言って唸り始めた。

 

「だったら原因を突き止めるために沙綾さんの事をこっそりあとをつけて見ませんか?」

 

あこが案を提示してくる。何かそれストーカーみたいだねとは口には出さないでおいた。まぁ何もしないより行動に移した方がマシだからね。

 

「あこナイスだ!これなら原因が分かるかも知んねぇ!ユウ、手伝ってくれるか?」

 

あこと巴は僕に同意を求める。これは断りづらいからな…沙綾が元気ないのは何か嫌だからな…少し考える。そして

 

「僕も手伝うよ」

 

と言った。そんなわけで手伝う?事となったのだった……

 

 

 

 

沙綾side

 

「はぁ…」

 

誰もいない店内にあたしのため息だけが聞こえる。

 

「新婦役…かぁ…」

 

こんなことになったのにはちょっと理由がある。それは何時間か前の話……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー商店街ー

 

りみりんとカフェで勉強する約束をして向かおうとしていたんだけど商店街の顔馴染みの人が困ってたんだよ…それであたしは聞きに行ったんだ。そしたら

 

「最近新しい結婚式場がオープンしたじゃない?宣伝写真を撮る予定だったんだけどそのモデルさんが予定入ってキャンセルしちゃったのよ。」

 

「それで代わりとかはいるんですか?」

 

「それが撮影は明日だから大急ぎで代わりを見つけようとしてるのよ。でもなかなかいなくて…ってあら?あらあらあら?」

 

「?ど、どうしたんですか?私をまじまじと見たりして」

 

「もうこれしかないわね!……沙綾ちゃん!」

 

「ふぇっ!?な、何ですか?」

 

「モデルになってくれない!?」

 

「ええっ、私がですか!?き、急にそんな事言われても……まずそもそも何のモデルかも分からないですし……」

 

「新婦さんのモデルよ。さっき結婚式場がオープンするって言ったじゃない?その宣伝写真として新婦役でドレスを着てほしいの」

 

「し、新婦役っ……!?」

 

あたしは顔が赤くなっていくのが自分でも分かってしまう。

 

「ドレスを着るって……」

 

「大丈夫だ、問題ない。沙綾ちゃんのために1番良いドレス、頼んであげるわ!絶対に似合うわ!」

 

「そう言ってもらえるのはありがたいんですが……」

 

あたしは考える。

(ど、どうしよう。もっと軽い感じのだったら手伝えるかもって思ったけど……まさか、新婦のモデルだったなんて…しかも結構式場って、みんなの関心も高いじゃん……写真に撮られる訳だから多くの人に見られるんだよね!?は、恥ずかしいよぉ……っ!!)

 

「沙綾ちゃんなら可愛いし、イメージにピッタリよ!若い人に結婚式をあげたいって思ってもらえるようなイメージで撮影予定なのよ」

 

「で、でも私高校生ですし……流石に若すぎますよ〜なんて。あははは〜。それに明日ですよね?心の準備が……」

 

そう言うと商店街の人は

 

「お願い!頼めるのは沙綾ちゃんしかいないの!」

 

「ううっ!(モデルはやったことなんてないし不安だけど……やっぱり困っている商店街の人は見過ごせ無いよね……)」

 

「……分かりました。…私……やってみます!」

 

「ほ、ホント!?ありがとう沙綾ちゃん!あ、そうそう、明日着るドレスはこのパンフレットの中から式場の人が選んだものを着ることになると思うわ。良かったら見ておいて」

 

そう言われパンフレットを手渡される。

 

「撮影時間とかは何時頃なんですか?」

 

「明日の午前10時。直接結婚式場に来てくれればOKよ」

 

「はい、分かりました」

 

商店街の人は気分を良くして帰っていった。勢いでOKしちゃったけど大丈夫かなぁホントに私で……取り敢えずりみりんがカフェで待っててくれてるから行かないと…

 

 

ー羽沢珈琲店ー

 

「あ、沙綾ちゃん!こっちこっち」

 

りみりんが手招きしてる。

 

「ごめんね遅くなっちゃって」

 

「長い間お話してたみたいだね。何かあったの?」

 

「それに…沙綾ちゃん、元気ない気がするよ?………私で良ければ、話、聞くよ」

 

「ありがとう。さっきね、商店街の人と話したんだけどね………」

 

 

〜沙綾説明中〜

 

「って訳なんだ…」

 

「沙綾ちゃん新婦のモデルさん!?す、すごいね…明日見に行ってもいい?」

 

「あははは………恥ずかしいなぁ…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

って言うわけで現在に至ります。そう言えば新郎役って誰なんだろう?そんなことを考えながらあたしは店番を続けた。

 

 

 

和都side

 

ふぅ。あっついなー。今日は真夏日だって言ってたからなぁ…もっと暑苦しい人、面倒い人が隣にいるけどね…

 

「ああ……今日はなんていい日だ。まるで、私の美しさに負けじと太陽が抵抗しているかのようだ…キミもそう思うだろう?和都」

 

「薫さんと比較されてる太陽がよっぽど可愛そうですよ」

 

「ふふ、褒め言葉にしてはキツイなぁ」

 

「どうしたら褒め言葉になるんですか!?」

 

この人は瀬田薫さん。同じ演劇部の先輩で何と俺や雄天と同じ羽丘学園イケメン四天王の1人だ。学園内にもファンは沢山いる。ゲーテやシェイクスピアと言ったものを愛読しているが本人はまるで理解してない。こんなこと言っちゃあ悪いけどバカだ。そんなことを考えてると

 

「えっ、新郎のモデルさんも来れなくなった!?ようやく新婦のモデルを見つけたのに……」

 

商店街の人の声が聞こえた。俺と薫さんは声のした方に行く。

 

「どうしたんですか?」

 

「あら和都君。それと隣の人は前にポスターで見たハローなんとかの……そうだわ!きっとあなたなら…」

 

商店街の人は薫さんに目を向ける。

 

「……おやおや。何だか視線を感じるね。太陽も人も、私の美しさに魅了されてしまったのということなのか……」

 

「薫さん。ちょっと黙っててもらえます?」

 

「私の美しさは、全ての視線を独占してしまう……ああ、こんな罪深きことは許されるのだろうか?」

 

「あれ?薫さん。あんたバカぁ?」

 

そんなことを薫さんと話していると商店街の人は

 

「新婦役で出てくれないかしら!そこのハローなんとかの人っ!!」

 

「聞いたかい和都。この人の言葉。しっかり胸に焼き付けておくんだよ…新郎役、やらせて頂こう」

 

「薫さんはほんと俺の話聞かないんだから………って出るのっ!?」

 

信じられん。人の話を殆ど聞かないようなあの薫さんが話を聞いてただと!?明日良くないことでも起こりそうだな……

 

 

雄天side

 

〜翌日〜

 

朝、紗綾にあって話を聞こうとしたけど急いでるからと言って行ってしまった。巴とあこはそれを追いかける。こっそりと。追いかけて行って着いたのは結婚式場だった。ここって最近オープンしたって言ってたなぁ。商店街の人はモデルがどうたら行ってたし。もしかして沙綾は新婦のモデルとかで呼ばれたりしてるのかなぁ…僕がそう思ってると巴とあこは

 

「ま、まさか沙綾、結婚するのか……?」

 

「お、おねーちゃん、あこ、震えが止まらないよ…!」

 

あ、これは勘違いルートまっしぐらだ。確定演出だ。僕は2人の勘違いを解こうとする。

 

「あ、あの2人とも?商店街の人が言ってたじゃん?新婦モデルで沙綾が」

 

「おねーちゃん、もしかしてさあやちゃん結婚の事で悩んでいたのかも知んないよ…!?」

 

「確かにそうなら合点はいく。沙綾、なんで相談してくれなかったんだよ…!アタシらは…友達だろっ!?」

 

もうダメだ…おしまいだぁ。完全に勘違いルート突き進んだよこの姉妹。ややこしくならなきゃいいけど…

 

 

和都side

 

今薫さんが新郎の服に着替えている。え?なんで俺がこの結婚式場にいるのかって?このバカ、失礼。薫さんがややこしくしないように。要は俺はお目付け役みたいなもんだ。そんなことを考えてると新郎の服を来た薫さんが出てきた。

 

「どうだい和都?似合ってるかい?」

 

「相変わらず似合ってますよ薫さん。ホントの新郎みたいじゃないですか」

 

「ふふっ。これでは私の子猫ちゃん達に申し訳ないな…ファンが増えてしまうではないか…!かの偉人、楊貴妃はこう言った、男も女も関係ない。愛があれば愛していいのだ、と…」

 

「おいこら薫さん。楊貴妃は絶対そんなこと言わないし言ってないから。勝手に捏造するな。そして謝れ、今すぐ楊貴妃の亡骸に土下座してこい!」

 

はぁ、ややこしい事にならないようにいのるなんてもうバカみたいだな…

 

 

沙綾side

 

こ、これがウェディングドレスかぁ…あたしは鏡の前で着付けをしてもらっている。

 

「沙綾さん、キツくないですか?」

 

「あ、いえ大丈夫ですよ。丁度いいですよ」

 

「ありがとうございます、撮影時間になったら伺いますのでそれまでは」

 

そういってスタッフさんが部屋から出ていった。さて、時間までなにしよっかな…そう思ってるとドアが開いた。入ってきたのはりみりんだった。

 

「さ、沙綾ちゃん来たよ」

 

「りみりん!来てくれたんだ!?ありがとう!」

 

「沙綾ちゃんウェディングドレススゴイ似合ってるよぉ〜めっちゃ可愛い♪」

 

「あ、ありがと。は、恥ずかしいなぁ…」

 

「沙綾さん、準備が予定より早く終わりましたので撮影入ります。新郎の方もスタンバイしてますので。ご友人の方も見学は構いませんので」

 

スタッフさんが来た。あたしとりみりんは、はいと返事をして行く。

 

「沙綾ちゃん頑張ってね?」

 

「うん。行ってくるねりみりん♪」

 

そうして撮影が始まった。撮影の時に驚いたのが新郎役がまさかの薫さんだったのが驚きだよ…

 

 

 

雄天side

 

巴とあこは沙綾と薫さんの撮影を見ていた。

 

「さ、沙綾の結婚相手が、薫先輩、だと?もう何がどうなってるんだぁぁぁ!?」

 

「お、おねーちゃん…同性婚ってこの国ダメなんだよね…?」

 

この2人は止まりそうにない。寧ろ止めれない。勘違いルート突き進んだよブレーキ掛けてないよ壊れたよオーバーキルのレベル超えてるよ!?僕はこの2人の暴走を止めれないと思います。

 

「ぼ、僕は飲み物買ってくるね…ま、まぁ程々に、ね?」

 

そう言って自販機に向かう。すると見たことある奴がいた。

 

「あ、和都」

「あれ?雄天」

 

「和都、こんなとこで何してるの?」

 

「雄天こそここで何してんの?」

 

 

〜少年2人、事情説明中〜

 

 

「なるほどね…」

 

「そういうこと…」

 

僕と和都が納得していると後ろの方から巴の声がした。

 

「沙綾!薫先輩!どういうことかちゃんと説明してくれぇ!」

 

『………え?』

 

僕と和都は急いで声のした方に向かった。そこでは何とも言えぬ状況になっていた。薫さんが沙綾をお姫様抱っこしていてその前に巴とあこがいて横では猫耳みたいな髪をしている女の子とツインテールの女の子がたじろぎ1人は顔を赤くしながら「こ、子猫っ!?はうううぅ」と言いながら顔を赤くしてた。

 

「沙綾!?薫先輩とはどんな関係なんだ!?気になって仕方がねぇんだ!」

 

「えっ!?と、巴?これは、その………」

 

沙綾を下ろし薫さんが巴の前に立つ。

 

「沙綾ちゃん、下がっていたまえ。私の姫君は誰にも渡さない。これは、そう、例えるなら私がゼウス。沙綾ちゃんはその妃、ヘラというわけだ」

 

「あのバ薫さん!また面倒事にしやがってぇぇ!!どんだけややこしくすりゃあ気が済むんだよぉ!」

 

隣で和都が嘆いている。

 

「か、薫先輩!アタシは沙綾を取り戻す!そのためなら……!」

 

あっ………(察し)

 

『…………』

 

『ちょっとみんな、一回ストーップ!!』

 

それをみた僕と和都はこの後誤解を解いて説得するのにとてつもない時間を掛けたのは言うまでもない。




皆さんこんにちは。イベントのリサ姉取れて嬉しい椿姫です。
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