Fate/プリズマ☆士郎ちゃん   作:ギルディア シン 呪雷

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よく見ると、お気に入りが100を超えていました。この作品をお気に入りしてくださって、ありがとうございます!これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします!


4話 自己紹介

【切嗣視点】

 

「…そうか、すまないね士郎。君ばかりに任せて。こっちはまだ帰れそうにないから。………うん頼むよ。士郎も無茶はしない様に。」

 

娘からの電話を切り、僕は溜息をついた。

 

「あの子は何て?」

 

アイリがそう聞いてくる。

 

「ちょっとハプニングがあったらしくてね。イリヤが魔術の存在を知ってしまったらしいんだ。士郎が任せてくれっていったから、まだ大丈夫だと思うけれど。」

 

「あら。それじゃぁ、アイリママもちょっと頑張ってみようかしら。」

 

これは完全に戻る気でいると、僕は半分確信した。

 

「戻ってもいいけど、まだやる事があるからもう少し先にしてくれよ?」

 

「わかってま〜す。さぁ、早く終わらせて娘達の成長した姿を見てこようかしら。」

 

士郎は仕事を手伝って貰っていたけどそんな一緒にいた訳じゃないし、イリヤとは全然あってないから、どこまで成長したか僕も見てみたいなぁ。アイリの言葉に僕の娘達に早く会いたいという気持ちが刺激されてしまった。さて、僕も頑張るとするか。

 

 

【士郎視点】

 

私の部屋には今私の他に、イリヤ、遠坂さん、ルヴィアさん、ルヴィアさんの家に住んでいてイリヤと同じ様に手伝いを任されたという美遊、イリヤのカレイドステッキのルビー、美遊のカレイドステッキのサファイアがいる。このメンバーでこれからの事を相談する事になった。

 

「では、まず自己紹介から始めましょう。話はそれからです。」

 

私はそう言った。何事もまずお互いを知らなければ始まらない。

 

「私の名前は衛宮士郎、魔術師です。元々魔術師の家系ではなかったので、簡単な魔術しか使えませんが。」

 

そこで、遠坂さんとルヴィアさんがくいついてきた。

 

「元々魔術師の家系じゃないって、どういう事?」

 

「私も疑問に思います。それでは貴女は此処に魔術を教わりに来ていたのですか?」

 

「いえ、私は7歳の頃この家の養子になったんです。そこで初めて魔術というものを知りました。お父さんは教える気はなかったのですが、私が気づいてしまったんです。」

 

2人は納得した様だ。私の紹介はここまでにして、次にまわした。

 

「えっと、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンです。私は魔術とかよくわかりません。昨日初めて魔術っていうものの存在を知ったくらいです。」

 

本当は教えたくなかったからね。私はそんな事を考える。

そこからそれぞれの紹介が続いていく。遠坂さんとルヴィアさんはクラスカードの回収を命じられて、『時計塔』からやって来たらしい。その際貸し与えられた礼装がカレイドステッキのルビーとサファイア。美遊は1人途方にくれて彷徨っていたところをルヴィアさんに拾われたらしい。私と似た境遇なんだ。

 

「あの、士郎さん。聞いてもいいですか?」

 

美遊が私にそう話しかけてきた。

 

「いいよ。私に答えられる範囲なら。」

 

私は笑顔でそう言った。一瞬頬を赤らめて目をそらされたけれど、すぐに向き直って、

 

「で、では。ライダーのクラスカード、先日のカードを回収する時に相手にとどめをさしたあの槍、『刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)』は宝具ですよね。」

 

と聞いてきた。私は少し驚いた。でも、隠すつもりもないので、

 

「うん、そうだよ。正確に言うと、私が投影した贋作、言わば偽物だよ。」

 

「投影魔術!?ちょっと待って!宝具を投影したの!?」

 

「普通投影したものは数分しかその姿を保つことが出来ないはず!?それが宝具となると、一瞬で粉々になってもおかしくないですわ!?」

 

まぁ、驚くのも無理はないかな。投影したものは幻想に過ぎない。だから、世界に修正され魔力の気化に応じてだんだん薄れ、消滅する。ましてや宝具となると、普通は一瞬で砕け散るだろう。

 

「でも、私は違う。何故かよくわからないけれど私が投影した宝具以外のものは、多分いつまでも存在し続けるんです。宝具も投影できるけれど、その分負担がかかるので最終手段です。」

 

私はそう言った。私ができるのはこれしかなかったから、これだけを徹底してきた。その努力の結晶ともいえる。

 

「さて、ではこれから皆で協力してクラスカードを回収するという事でいいですね。」

 

「何で私がこいつと……。」

 

「私も遠坂凛と協力何てごめんですわ。」

 

2人は、今にも喧嘩を始めようとしていた。この2人はどれだけ仲が悪いんだろう。でも、協力した方が安全性は上がる。だから協力する事は必要な事だ。そう考えた私は、2人の間に割って入り、威圧するような笑顔を浮かべて、

 

「いいですね?」

 

と言った。2人は「「わ、わかりました……。」」と言った。あれ、何でちょっと怯えているんだろう。そう思って私は自分の状況を見た。2人の喧嘩を止めるように間に立っている、軍用ナイフ(・・・・・)を持って。

 

「ご、ごめんなさい!?こんな事するつもりはなかったんです!ほ、本当にごめんなさい!!」

 

私は急いでナイフを消失させて2人に謝った。

 

「い、いえ。元々こちらに非があったのですから、気にする事はありませんわ。」

 

「そうよ。私達は全然気にしてないから。」

 

「本当にごめんなさい……。」

 

私は二度とこんな脅迫じみたことをするまいと心に誓った。

 

 

 

「そうだ!皆さん今日はうちで夕食をとっていきませんか?」

 

「賛成!私も美遊さんとお話しした〜い!」

 

イリヤはとても乗り気だった。私にとってはさっきの罪滅ぼしのつもりでもある。

 

「いいの?メイドさん達許してくれるの?」

 

「いいですよ。それに今日の当番は私だから、是非食べていってほしいです。」

 

こうして今日は皆で一緒に夕食を食べた。

 

【イリヤ視点】

 

私は夕食後、美遊さんとお話ししていた。美遊さんは運動もお料理も得意らしい。そして、明日から私と同じ学校に通う事になっているらしい。

 

「じゃあ、私のクラスの転校生って美遊さんの事?」

 

「多分……そう。」

 

そうなんだ!これから美遊さんと一緒なんだね!

 

「じゃあ美遊さん、私とお友達になってください!」

 

「……いいの?」

 

「もちろん!」

 

そう返事をすると、美遊さんが少し笑って、

 

「じゃあよろしく、イリヤスフィール。」

 

と言った。でも、『イリヤスフィール』は呼びづらいでしょ。

「イリヤでいいよ。皆そう呼んでるし。」

 

そう言うと美遊さんはちょっと顔を赤らめて、

 

「なら、私も美遊でいい。」

 

と返した。私も何か気恥ずかしくなってしまった。でも笑顔で、

 

「うん!」

 

と返事をした。そして私達は友達になった。

 

 

 

「ねぇ、美遊。」

 

「何、イリヤ。」

 

「あれ、どう思う?」

 

私はとある方向を指さした。その方向には食器の後片付けをしているお姉ちゃんがいた。

 

「どうって?」

 

「お姉ちゃんの服の事。」

 

お姉ちゃんの服は機能性重視で、男っぽい感じである。

 

「お姉ちゃん可愛いのに、着飾ろうとしないの。外出する時もいつも同じようなデザインの服ばかり。」

 

「それは……。」

 

「「許せないわね(ですわ)。」」

 

突然凛さんとルヴィアさんも入ってきた。

 

『勿体無いですね。士郎さん顔もスタイルも性格もいいのに、女の子に大切なオシャレを忘れているんですか。』

 

何故かルビーも入ってきた。でも皆思うことは同じみたい。

 

「「「「着せ替えるしかない。」」」」

 

前の事を教訓に、半分ダメもとだけど、真正面から頼んでみる事にした。

 

「お姉ちゃん、もっと可愛い服着て。私見たいなぁ〜。」

 

「うーん……、私は可愛い服とか似合わないと思うんだけど、そんなに見たいの?」

 

おや?これは意外といけちゃったりするかな?

 

「うん。ねぇ美遊、見たいよね?」

 

「うん。士郎さんは何でも似合いそう。」

 

ここで美遊をプラス。子どものみならず、全ての人に甘いお姉ちゃんは人の願いを粗末に出来ない、絶対に。私は勝利を確信した。

 

「でも、私はこういう服しか持ってないからなぁ…。また今度かな。」

 

しまったぁぁぁ!!そうだ。よく考えればわかることだった。お姉ちゃんは自分の服は自分で買った物しかない。だとすると、お姉ちゃんは似たものしか選ばない。となれば可愛い服はない!私がそう絶望したと同時に

 

「ご心配なく。服なら私の家の者に持って来させますわミス衛宮、いえシェロ。」

 

ルヴィアさんがそう発言した。それよりシェロって……。でもまぁ、これでお姉ちゃんは着替えるほかに道はない。

 

「そうですか?ならちょっと着替えてみよっかな。では、よろしくお願いします。」

 

お姉ちゃんはそう言った。よし!後はルヴィアさんに任せるだけ。そう思った時、家に誰かきた。

 

「ルヴィアさんのお家の方らしいのですが、お通ししますか?」

 

「いえ、結構です。私はお嬢様に荷物をお届けにきただけですので。」

 

セラの呼びかけに荷物を持ってきたルヴィアさんの家の人

が自分で答えて、すぐに帰っていった。ともあれこれで準備は全て整った。

 

「さぁ、お姉ちゃん。着替えてみて。」

 

「はぁ〜……、自分の部屋で着替えてくるからちょっと待ってて。」

 

そう言うと、お姉ちゃんはルヴィアさんに借りた服を持って二階へ上がっていった。

 

数分後、お姉ちゃんが下りてくる音がした。私達はワクワクしながら待っていた。居間のドアが開くと、顔を赤らめながらお姉ちゃんが入ってきた。

 

「あ、あんまり見ないでね。恥ずかしいから……。」

 

一言で言うと、この上なく似合っていた。性別なんて関係なく、皆ドキドキしてしまうくらい。普段着ない白と青のワンピースに身を包んで、とても清潔感が溢れる容姿だった。

 

「とっても似合ってるよお姉ちゃん。ね、美遊?」

 

「はい、とっても。」

 

「は、恥ずかしい……。」

 

この後、セラとリズにも見せたら、やはり可愛い服は持っていた方がいいと言うことでお姉ちゃん用に買う事が決定した。

 




士郎ちゃんの着たワンピースは、「stay night」のセイバーの様な感じです。本当は挿絵とか描けたら良いのですが……、すいません。

今回はちょっと更新が遅れました。ごめんなさい。ちょっと書き溜めがなくなってきて……。なるべく早く更新出来るようにがんばります!

では、次回もよろしくお願いします!

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