あれれ〜、おかしいぞ〜。ライダーとの闘いをもっと詳しく書きたかったのに〜。
キャスターから頑張ります……。
【遠坂視点】
「あれはマズかったかなぁ。」
ついさっき、私はルビーの魔力を辿ってとある家の前に行った。そこは何と衛宮さんの家だった。中にはルビーが勝手にマスター登録したイリヤもいた。でも何故かルビーはイリヤとは違う場所にいるようだった。私は魔術で屋根に登り、ルビーのいる部屋の窓を叩くと、そこは衛宮さんの部屋だった。…そこからの事はあまり話したくないけど。まぁとにかく、私は人を泣かせた。
『まったく、凛さんはほんっとに駄目ですねぇ。年下の女の子を泣かせるなんて。』
「うるさい、あんたも同罪よ。ていうか彼女、私と同学年よ。」
『え、マジですか!どう見ても高校生には見えませんよ!?』
そう。彼女は身長のせいもあって、幼く見える。でも、私より胸はあるのよねぇ。それにしても、
( 可愛かったなぁ。)
泣いていたとはいえ、あの子はとても可愛かった。赤髪が腰の辺りまで伸びていて、顔は童顔で。泣いている姿は抱きしめたくなって……。そこで、泣かせた張本人が私だと思い出して、とても心がいたんだ。
「今度ちゃんと謝ろう。」
私は心に誓った。
【士郎視点】
私は少し落ち着いて、セラに頼み事をした。内容は、おそらく今日の0時にイリヤは外に出るから、見張っていてほしいという事。セラは頷き、下に降りていった。でも私は、あのステッキの事だから絶対に阻止すると思っていた。だから、もしダメだったら私が窓からこっそりついていく事にした。
〜夜中0時〜
案の定、イリヤが外に出ていく姿が見えた。セラとリズに何をしたのかはわからないが、見張りは破られた様だ。
「はぁ〜、こうならなければ良かったのになぁ。」
私は溜息をついて、家の屋根をつたいイリヤを追っていった。追っている途中で学校に向かっている事がわかった。
(そうか。学校に溢れていた魔力の原因がクラスカードなんだ。)
今朝学校に入ると違和感があった。気になったからちょっと解析してみたら、校庭から魔力が溢れていた。その原因がわからなかったから、様子をみようと思っていたんだけど。
学校に着いた。やはり遠坂さんがいた。そして、イリヤは家を出た時とは違う服装だった。おそらく
(やっぱり。なら私が取る行動は1つ。)
私は3人がいる所に降りた。
「はい、そこまでだよイリヤ。」
「お、お姉ちゃん!?」
【イリヤ視点】
真夜中の学校に呼び出された私は、ルビーの力でセラとリズの見張りを抜けて指定された場所にやってきた。そして着いた途端、お姉ちゃんが空から降りてきた。
『あちゃ〜、やっぱり来ちゃいましたか。』
ルビーはお姉ちゃんが来る事を知っていたかの様にそう言った。それにしても、いつも優しいお姉ちゃんの顔が怖い。
「そりゃ来るわよね。あれだけ反対していたのだもの。」
凛さんも知っていたようだった。あれ?知らなかったの私だけ!?ていうか、何で空から降りてきたの!?それより、こんな恥ずかしい格好をお姉ちゃんに見られた!!私の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
「はい。イリヤを返してもらいにきました。」
『え〜、イヤっていったじゃないですか〜。私はイリヤさんに魔法少女になって欲しいんです。』
そういったルビーのすぐ横(でも私には絶対に当たらない場所)を剣のようなものが物凄いスピードで通りすぎる。
「もう一度だけ言います。私の妹を返しなさい。」
お姉ちゃんが殺意を込めた目でルビーを睨む。これには流石のルビーでも言葉は出ないようだ。
「ま、待って衛宮さん。私たちにはイリヤの力が必要なの。だから、身勝手だと思うけれど協力して欲しいの。」
お姉ちゃんは顔色1つ変えずに凛さんの方を見る。私は確信した。今のお姉ちゃんに何を言おうと無駄であると。
「クラスカード、でしたっけ。それを回収するのは貴女方の任務のはずでは。何故イリヤが巻き込まれなければならないのですか。」
「そ、それは………。」
凛さんは返答に困った。と、その時
『もうっ、面倒くさいですね!こうなったらイリヤさんの魔法少女の素質をお姉さんに見せてあげましょう!限定次元反射炉形成。』
ちょっ、ルビー!?何する気!?、と私が叫んで止めようとした時にはもう遅かった。次の瞬間私の足元にはアニメでよく見るような魔法陣が浮かんだと思ったら、周りが違う世界に変わっていた。
「ちょっとルビー!あんた何で鏡面界に『
『だから、そのごたごたを解決するためですよ〜。』
私は全然状況を把握出来てないんですけど!?
『さぁ、イリヤさん。あそこにいる黒いのをパパッとやっつけて、お姉さんに魔法少女になる事を認めてもらいましょう!』
え、黒いのって?あの人の事、って闘う!?聞いてないよ!カードを回収するだけっていったじゃん!
『イリヤさん!攻撃がきます!』
ルビーがそういってくる。そんな事急に言われても!あ、ダメだ。私死んじゃうのかな。黒い人が攻撃してきたのをみて、私はそう思い目を閉じた。
黒い人が飛ばした物が私に当たる、そう思ったけど痛みが来る事はなかった。私は恐る恐る目を開けた。そこには、長い赤髪の女の人が私を守っていた。その人の顔を見なくても私は誰だかすぐにわかった。
「大丈夫、私が守るから。」
「お姉ちゃん!!」
【士郎視点】
私は何があってもイリヤを守る、そう、私は家族を助ける正義の味方になるのだから。
「
私は言い慣れた呪文を唱える。次の瞬間、私の手には夫婦剣、干将・莫耶が現れる。
「妹には手出しさせない!」
私は黒化英霊とイリヤの間に割って入った。そしてイリヤを下がらせて、黒化英霊との打ち合いが始まった。
【イリヤ視点】
私はお姉ちゃんに言われた通り、後ろにさがる。
「何よあれ。弱体化してるとはいえ、何で英霊と生身で闘えるのよ。」
そう。お姉ちゃんは似た双剣で、相手と互角以上で剣を打ち合っていた。金属がぶつかり合う音が校庭に響き続ける。数分間の打ち合いの末、ふと金属音が止み、2人はある程度の距離をとった。
「まずい、宝具を使う気よ!ルビー!」
『わかってますよ!障壁を張ります!離れると死んじゃいますよ!』
2人は何か慌てていた。私も何となくだけど2人が慌てる理由がわかった。
「ちょっと待って!お姉ちゃんがまだ!」
私がそう叫ぶ。でも、お姉ちゃんは慌てるそぶりなど見せなかった。寧ろ落ち着いていた。
「
お姉ちゃんが剣を捨て、何かを呟いた。するとお姉ちゃんの手には真っ赤な槍が現れた。
『彼女は随分変わった魔術を使うようですね。』
ルビーがそう呟く。私は何を話しているのかわからなかったけれど。
「
「
相手が何かしようとしたのを遮るように、お姉ちゃんの槍が先に命中した。
「アアアアア!!」
慟哭にも似た悲鳴をあげながら、相手は消滅していった。
「……衛宮さんは一体何者なのかしら。」
『さぁ。少なくとも事戦闘において凛さんが勝てる確率は限りなく低いでしょうね。』
そう2人は話している。お姉ちゃんはこっちに歩いてきた。
「イリヤ、怪我はない?」
「大丈夫だよ、お姉ちゃんこそどこか怪我してない?」
「私は平気。さてと、話を戻しましょうか。」
お姉ちゃんは私に優しい笑顔を向けてから、また厳しい顔に戻り凛さん達を睨みつけた。
「あ、あのねお姉ちゃん。私ね、決めたんだ。」
お姉ちゃんがこっちを見る。
「私、このお手伝いを続けたい!」
「!?何で!!今のを見たでしょう!あんなのとこれから闘うことになるんだよ!」
お姉ちゃんの言いたい事はわかる。私も今日はとても怖かった。……でも、
「でも私、決めたの。もう守られるだけはイヤ。私も力になりたい!」
【士郎視点】
イリヤの発言は、衛宮家に来たばかりの頃、私がお父さんに魔術を教えてもらう為に言った事と殆ど同じだった。それは、私の迷いを消し去った。…お父さん、お母さん、ごめんね。やっぱりこうなっちゃった。
「……本気なんだね?」
「うん。」
はぁ〜……。私もあまいなぁ……。でもしょうがないか。
「遠坂さん。」
私は遠坂の方を向く。
「イリヤの事は、もう許します。ただし、私もカードの回収に参加させていただきます。」
遠坂さんは、寧ろお願いしたいというような表情を浮かべていた。
「さて、そろそろこの世界から脱出しましょうか。そちらに隠れている2人も出て来たらどうです?」
茂みから出て来たのは、ルヴィアさんとイリヤと同い年くらいの女の子だった。
「いつから気づいていたのですか、ミス衛宮。」
意外という顔でルヴィアさんは尋ねてきた。
「最初からです。あわよくばカードを横取りしようと考えていたようですが。私が出てきたおかげでそれも出来なかったようですね。」
「えぇ、おかげ様でこのざまですわ。」
ルヴィアさんは呆れた様な表情を見せた。
『さぁ、そろそろ「
ルビーがそう言った途端、元の場所に戻った。
「さて、今日はもう遅いですから細かい話は明日にしましょう。明日は皆さん私達の家に来てください。」
私はそう告げて、お開きにした。
「そうそうイリヤ。」
「な、何?」
私は帰路の途中、イリヤに言わなければいけない事を、あたかも今思い出したかの様にきりだした。
「私達に無断で夜中に外出した事、あとでちゃんと説明してもらいますからね。」
「……ごめんなさい。」
この後、イリヤはセラと私に挟まれながお説教を聞かされた。
士郎ちゃんが
次回は、イリヤと美遊をいい感じに仲良くさせるような話を書きたいなぁと思っています。
では、次回もよろしくお願いします!