Fate/プリズマ☆士郎ちゃん   作:ギルディア シン 呪雷

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こんにちは。ギルディア シン 呪雷です。
今回は日常回です。私的にこういう回を書いている時が1番楽しいです。ただ、内容がごちゃごちゃしてるかもしれません。…いつもこの更新する時が1番緊張します。


4話 学校へ行こう!

【士郎視点】

 

「士郎、学校に行かないかい?」

 

「え?」

 

急な事でそんな反応しかできなかった。お父さんのその急に突拍子もない話をする癖はやめたほうがいいと思う。そんな事を考えながら、お父さんに聞き返した。

 

「学校って何?」

 

「勉強したり、他の人と親睦を深めたりする場所だ。親には子供を学校に行かせる義務があるんだ。」

 

それじゃ私に拒否権はないんじゃ…。私はそう考えたが、とりあえず、うん。と返事をした。私は7歳という事になっているので、小学3年生のクラスに転校生として入学する事になった。

 

学校に行くまでの1週間で2年生までの勉強を教えてもらった。……正直その1週間のことは思い出したくない。セラさんがまくしたてるように延々と話し続けていた。おかげで何とかなりそうだけど。

 

そして時は流れ、今日がその学校『穂群原学園』に行く日である。私は自分の短めの赤髪を整えて学園に行く準備をした。

 

〜穂群原学園〜

 

学園内は転校生の話で持ちきりだった。

 

「なぁ、転校生って女子かな?」

 

「いや、男子だろう。何でも名前が士郎っていうらしいからな。」

 

普通名前より性別の噂の方が広まるはずなんだが、何故か名前が広まっていた。一体誰の情報なのだろうか。そんな風に考える生徒もいた。

 

「皆席につけ。」

 

担任の先生が入ってきた。

 

【士郎視点】

 

……どうしよう。すごく緊張する。私は先生の合図を教室の前で待っていた。

 

「入りなさい。」

合図だ。平常心で普通に挨拶しよう。うん、普通に。

 

「……よし!」

 

私は教室のドアを開けた。

 

私の目に入ってきたのは私を珍しそうに見てくる生徒の姿だった。……へ、平常心。そう、平常心。私は深呼吸をして、黒板に自分の名前を書いた。

 

「本日転校してきました。衛宮士郎です。わからない事だらけですが、これからよろしくお願いします。」

 

よし!言えた!私は心の中でガッツポーズをした。

 

【教室内生徒視点】

 

( ( ( ( (か、可愛い。) ) ) ) )

 

クラスの生徒全員が心の中でそう思った。士郎は気づいていないが、赤髪のショートヘア、少し小柄な体型。そして、無事に挨拶が出来た事に喜びを隠しきれず小さくガッツポーズをしている。皆はそんな士郎に見惚れていた。

 

「誰か、衛宮に学校を案内してくれる人はいないか。」

 

バッ!全員の手を挙げる音が重なって、教室に響いた。士郎はビクッと体を震わせていた。

 

「じゃあ、柳洞。お前に任せる。」

 

士郎の案内役は、隣の席の柳洞一成になった。

 

【一成視点】

 

今日は俺のクラスに新たな生徒がやってきた。俺は女子は好かんので、男子生徒と聞いて少々安心していた。しかし、入ってきたのは赤髪の女子であった。その女子は、とても可憐であった。

 

「本日転校してきました。衛宮士郎です。わからない事だらけですが、これからよろしくお願いします。」

 

そう挨拶して、安心し、無事に挨拶を言えた事に喜んでいる彼女は、俺の隣の席になった。また、俺は衛宮さんに学校を案内する事になった。……クラス全員の視線が俺に集められ、正直居心地が悪かった。

 

〜放課後〜

 

「ここが最後か。ここは生徒会室だ。生徒会役員が使っている。」

 

「うん。大体の場所はわかった。ありがとう、柳洞君。」

 

可憐だ。……いかん!俺は寺の子だ!物欲退散。

 

「いや、大した事ではない。また困った事があれば聞くがいい。」

 

そう言うと、彼女は少し不思議そうな顔を浮かべていた。

 

「柳洞君。どうしてそんな堅苦しい話し方をするの?」

 

「俺は寺の子なのでな。この話し方が普通なのだ。衛宮さんはこの話し方は御不満か?」

 

「ん〜、不満ではないよ。ただ、柳洞君によく思われていないのかなって思って。」

 

「そんな事は断じてない!」

 

俺は怒鳴ってしまった。これでは嫌われてしまっただろう。だが、これでよかったのかもな。俺がそんな風に考えていると、

 

「ふふ、よかった。」

 

彼女は笑っていた。

 

「ねぇ、一成君って読んでいい?」

 

…何故、俺は急に怒鳴りつけたのに。だが、すぐに理解した。これが衛宮士郎という人間なのだ。

 

「構わん。」

 

「じゃあ、私の事も士郎って読んで。」

 

「!?そ、それは断る。」

 

彼女のそんな急な申し出を断った。それは、流石に気恥ずかしい。

 

「む…、じゃあさん付けをやめて。」

 

それくらいならいいだろう。

 

「承知した。これからよろしく頼む、衛宮。」

 

「うん、一成君。」

 

衛宮は俺に笑顔を向けた。

 

「では、また明日。」

 

「?うん、また明日。」

 

俺は足早にその場を立ち去った。…俺の顔が火照っているのを感じながら。衛宮の笑顔は、見るもの全てを魅了する力を持っている。俺はその事を確信して、熱をもった顔を冷やしながら帰っていった。

 

 

【士郎視点】

 

一成君に案内をしてもらってから、私は教室に荷物を取りに戻った。すると、

 

「やぁ、衛宮さん。」

 

教室にいた男子生徒から声をかけられた。

 

「貴方は確か、間桐慎二君?」

 

「そうだよ。僕の名前覚えてくれたんだ。嬉しいな。」

 

間桐君はニヤリと口元を歪めていた。

 

「間桐君、私に何か?」

 

間桐君はこっちに近づいてきた。

 

「慎二でいいよ。それより衛宮、君は今付き合っている人はいるのかい?」

 

「付き合っている人?」

 

私は質問の意味がわからなかった。私は少し嫌な予感がしたので、早めに教室を出ようとまとめておいた荷物を持った。

 

「あぁ。君程可愛い子なら、彼氏の1人や2人くらいいるのかなって。」

 

「そんな人はいないよ。それに私は可愛くないし。」

 

可愛いっていうのはイリヤみたいな事をいうんだと私は思った。

 

「……自分の魅力に無自覚か。」

 

慎二君は何かボソッと呟いた。私は何も聞こえなかったけど。

 

「まぁいいや。なら、僕と付き合わないか。」

 

「……え?」

 

私は何を言っているのかよくわからなかった。

 

「だから、僕の彼女にならないか。」

 

「で、でも私たちにはまだ早いと思うよ。お父さんも言ってたし。」

 

そう。私はお父さんに何度も言われた。『いいかい士郎。誰かに付き合ってくれ、彼女になってくれ、と言われたら、絶対に断るんだよ。君にはまだ早い。』と。その時のお父さんの顔はとても怖かった。

 

「早いもんか。恋に歳は関係ないんだぜ。」

 

慎二君がこっちに近づいてきた。すると、ガラガラ、と扉が開く音が教室に響いた。

 

「お、衛宮はっけ〜ん。」

 

「あなたは、美綴綾子さん。」

 

「ち、いいところだったのに。」

 

慎二君が毒づいた。私は少し安心した。

 

「ほら、衛宮帰ろうよ。」

 

「あ、一緒に帰る約束してたんだっけ。」

 

美綴さんは途中までの道のりが一緒なので一緒に帰ろうと誘われていた。

 

「そうそう。全然こないから何かあったのかなーって思ってさ。ちょっと探してたんだー。」

 

それは悪い事をしたな、と私は思った。

 

「まぁいいや。そんな奴ほっといて早く行こ。」

 

美綴さんは私の手を引っ張った。しかし、それを許さないと言わんばかりに慎二君が割り込んできた。

 

「まてよ。僕への返事がまだだろ。」

 

そういえば、と思って私は美綴さんに少し待ってもらい、慎二君の方へ向いた。

 

「お、なんだ。やっぱり僕の誘いだから断r 」

 

「ごめんなさい。」

 

「…え。」

 

慎二君は固まってしまった。

 

「私はまだ恋が何なのかよくわからないし、やっぱりお父さんの言った通りまだ早いと思う。」

 

「…………。」

 

「……でも。」

 

俯いていた慎二君は私の言葉で顔を上げた。

 

「でも、もし大きくなってもまだ私の事を思ってくれていたら、また誘ってね。」

 

「……… ふん、わかったよ。」

 

よかった。慎二君も悪い人ではない。私はそう思った。

 

「じゃあ慎二君、またね。」

 

「……あぁ。」

 

慎二君と挨拶を交わし、私は待たせていた美綴さんに謝って、一緒に帰っていった。

 

その帰り道で美綴さんが、

 

「衛宮って律儀だな。あんな奴ほっときゃいいのに。」

 

と言ってきた。私は人との繋がりをそんな簡単に切りたくないと思ってる。

 

「私、慎二君は悪い人だと思えないの。だから、できれば慎二君とも仲良くなりたいなって。」

 

「ふ〜ん、そっか。」

 

美綴さんは何か納得したらしく、そう返してニヤニヤとこっちを見てきた。

 

「な、なに?美綴さん。」

 

美綴さんは私の肩に手をまわして、

 

「な〜んも。それより、私の事は綾子と呼びなさい。私は士郎って呼ぶから。」

 

「え、いいの?」

 

「あぁ、いいよ。士郎。」

 

「うん。よろしく、綾子。」

 

私がそう言うと、綾子はギュッと抱きついてきた。けれど、それはとても心地よかった。





実は、士郎ちゃんの自己紹介は私の小学校の頃の実話なんです。1回も噛まずに言えたのが嬉しくてガッツポーズしたら、みんなの笑い者になってしまいました…。
それはさておき、次回を1つの区切りにしてその次くらいから本編第1章を始めたいなと思っています。
では、また次回もよろしくお願いします。

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