書いているとどんどん自信がなくなるのは何故なんでしょう。私の考えている事を文章にできなくて、何回も読み直したり。書いている時は何とも思わないのに、いざ読み直してみると文章が繋がっていなかったり。
私に、文才があったらなぁ………。
【士郎視点】
衛宮家に来て初めての夜はお母さんとイリヤと一緒に寝る事になった。でも、私はこんな風に人と一緒に寝るのは初めてで、ドキドキして眠れなかった。目を瞑っているけれど、眠くならない。何とか眠ろうとしていると、誰かがベットを出ていくのを感じた。
「ふふ、よく眠っているわね。」
お母さんだ。私とイリヤの頬をつついてから、お母さんが、1階におりていく音がした。私は何かあるのか気になり、こっそりついていく事に決めた。
「それより!」
階段をおりているときにセラさんの声が聞こえ、ビクッと体が一瞬縮こまった。何かもめているのかな。
居間の扉の前で聞き耳をたてる。すると中から、
「士郎には魔術を教えるの?」
と聞こえてきた。これはリズさんの声だ。それより、まじゅつ?何だろう?
「…今はまだ教える気はない。」
次はお父さんの声が聞こえてきた。中でお父さん以外の3人が驚いていた。それより、まじゅつって何だろう?と、私が考えていると、居間では真剣な表情でみんなが話し合っていた。
話を聞いても、わからない言葉が飛び交っていて、何を話しているのか全くわからない。でもそのなかで、「イリヤを守る」という発言ははっきりと聞こえた。やっぱり何か私達の知らない事がある。私が中に入って、問いただしてやろうと思ったとき、
「…あの子はあの火災で全てを失った。だから僕は、これ以上あの子に辛い思いをして欲しくはない。だから気付かれない限り話すつもりはない。」
お父さんがそう言った。私はこの時初めて、自分が大切に思われているとわかった。何も覚えていない私を引き取ってくれて、本当の娘のように大事に思ってくれる。私が今中に入っていくのは、多分そんな家族の思いを無駄にする事と同じ事だろう。……でも、それでも私は、
(少しでも家族の力になりたい。もう、失うのは嫌!)
そう決心して、私は居間の扉を開けた。
「お父さん、話を聞かせて。」
「士郎!?」
私が聞いているとは思わなかったのだろう。驚いた様子で私の名前を呼ぶ。
「………聞いちゃったのかい。」
お父さんが悲しげな顔で言った。
「…ごめんなさい。でも聞かせて。何の話をしてたの?」
お父さんは大分悩んでいた。そして、
「…皆、ちょっと外してくれるかい。士郎と2人だけで話をしたいんだ。」
お父さんがそう言うと、みんなは居間から出て、私とお父さんの2人だけになった。
「初めに言っておくけど、今から話すのは常に死と隣り合わせになる世界の事だ。僕としては、知って欲しくない。できれば、普通の女の子のように暮らして欲しい。それでも話を聞くかい?」
「うん、もう決めたの。お父さんの気持ちはとても嬉しいよ。でも、私も何か力になりたいの。」
「……そうかい。」
お父さんは諦めたのか、私に全て話してくれた。
魔術。お父さんは魔法みたいなものといった。今はよくわからないだろうから、魔法と思ってくれていいと。でも、魔術は秘匿しなければならない。また、魔術回路というものがあるらしい。魔術を使うのに必要だそうだ。そうして、ある程度話すと、お父さんは独り言の様に呟いた。
「僕はね、正義の味方になりたかったんだ。」
お父さんは独り言の様に呟いた。私は最初、何をいっているのかわからなかった。さらに続ける。お父さんは多くの人を助ける為にいつも少数派の人を殺してきたらしい。…何で?
「何で、みんなをたすけられないの?多くの人が助かっても、その為に人が、死んじゃうなんて、……間違ってるよ。」
私がそう言うと、お父さんはまた悲しそうな表情を見せた。
「残念だけど、全ての人を助ける何てことはできないんだよ。」
何で?何で助けられないの?私の中でその疑問だけが頭の中をめぐる。でも、お父さんが、その疑問に答えた。
「誰かを助けるという事は、誰かを助けないという事なんだ。」
あ……そうか。離れた2人の人を一緒に助ける事はできない。それと同じ事だ。………なら、私は、
「私も、正義の味方になりたい。」
「!?士郎!」
お父さんの目には明確な怒りがうかんでいた。
「わかってる。私は全てを助ける正義の味方にはならないよ。」
「どういうことだい?」
「全ての人を助ける事で誰かが犠牲になるなら、私は助けない。だから、全てじゃなくて、『私の大切な人を守る』正義の味方になりたい。」
お父さんは驚いていた。私の答えを想像していなかったんだろう。そして、次には笑って私に言った。
「大切な人を守る正義の味方、か……。それなら実現できそうだね。……よし、僕も決めた。魔術を教えよう。」
私は嬉しさもあったが、少し怖くもあった。でももう決めたんだ。だから、この道を行く。
「まず魔術回路を生成する必要があるが、今日はもう遅いから明日にしよう。」
「うん。」
私はそう返事をして、寝室に戻った。
【切嗣視点】
まさか士郎にすぐ気付かれるとは。居間に残った僕はお茶を啜った。そこに皆が戻ってきた。
「士郎さんに魔術を教えるのですか。」
「………そう、なってしまったね。」
士郎が現れたことで会議の意味が全く無くなってしまった。
「…魔術や戦術、一応銃火器類の使用方法も教えるか。あぁ、リズには士郎に近接戦闘を教えて欲しい。アイリとセラは士郎が魔術の扱いに困ったら、支えてあげて欲しい。」
「「「はい。」」」
そうと決まればはやく魔術回路を生成しないと。まだ準備する事が山程あるな。……よし、頑張るぞ。僕の娘の夢の為に。
【士郎視点】
翌日、私は今大きなお屋敷の前にいる。何で私がそこにいるのかというと、話は数時間前に遡る。
〜数時間前〜
「おはよう。」
私は居間に入り挨拶をした。
「おはようございます。」
「おはよう、士郎ちゃん。」
「おは〜」
各々違う挨拶が返ってきた。でも、返ってきた挨拶は3つだけだった。
「あれ、お父さんは?」
私が聞くと、お母さんが答えてくれた。
「切嗣はちょっと用事で出てるわ。」
「そうなんだ……。」
昨日の話をもう少しききたかったんだけどな……。そう考えていると、
「あれれ〜、もしかして士郎は切嗣の事好きになっちゃった〜?」
「?お父さんは好きだよ?」
そういうと、セラさんが「……ファザコン……許さない……」とか小さな声でブツブツと何か言っていた。私は台所にいるセラさんに近づいていった。
「セラさん、お手伝いします。」
「いえ、結構です。貴方はこの家の長女になられたのです。こういう事は、メイドである私やリズにまかせておけばよいのです。」
「で、でも。」
「でもではありません。それに私のこともセラで結構です。敬語も必要ありません。貴方は私よりも上の立場におられる事をお忘れなく。」
「セラ。ストップ。」
「何です、リズ。………あ。」
私は、膝を抱えて座っていた。…だって、私は、もっと力になりたいだけなのに……。
「セラ泣かせた。」
「も、申し訳ありません!決して悪気があった訳では…。
そ、そうです!お皿の準備をして頂いてもよろしいですか。」
「……うん!」
これ以降セラには、士郎に手伝いを頼む、という仕事が増えた。
「ただいま。」
お父さんがそう言いながら居間に入ってきた。
「お帰りなさい。」
「士郎、今日はこの後僕と一緒に来てもらうよ。」
「どこに?」
「ちょっとね。」
そんな会話を交わして、お父さんは自分の席に座って新聞を読みだした。
「リズ。イリヤさんを起こしてきてください。」
「ん。」
こうしてイリヤも起きてきて全員揃って朝ごはんを食べた。セラさんのごはんは美味しかった。
この朝ごはんの後お父さんに連れられて、今いるお屋敷にやってきた。
〜現在〜
「ここは?」
私がそう尋ねるとお父さんが
「此処は僕の知人にかしてもらった武家屋敷さ。今はもう使ってないみたいだから、自由に使っていいそうだ。」
と言った。その後お父さんに魔術について教わった。まず魔術回路の回路生成。でも、そこで問題が生じた。
私の魔術回路について、27本もなんて……とお父さんは呟いていた。どうやら私には最高で27本の魔術回路があるらしい。お父さん曰く、魔術師の家系じゃないにしては回路が多いらしい。
また私の使える魔術は、『投影』『強化』『解析』『変化』の4種類と後は簡単な魔術だけ。これは初歩の初歩らしいけど何事も極めれば凄い力を発揮すると思う。その事をお父さんに言うと、
「そうだね。あぁ、その通りだ。」
と笑顔で言ってくれた。こうして、お父さんとの魔術の鍛錬は私の日課になった。
後何話かしたらいきなり時間を飛ばすつもりです。
その分変な風になってしまうかもしれませんが、何とかしたいと思います。
後テストも近いので、間が空くかもしれませんがお願いします。
では、次回もよろしくお願いします。