予告通り、今回は箸休めのようなものです。
テストなどが重なって久しぶりに書いたので、おかしな点があるかもしれませんが、ご了承ください。
【イリヤ視点】
「38・2度。風邪ではなさそうですが、少し熱がありますね。大事をとって、今日はお休みした方が良いでしょう。」
「えー、セラ過保護すぎー。確かに熱っぽいけど、別に体だるくないもん。」
「過保護で結構です!さぁ、今日は安静にしていてください!」
昨日の闘いのことはよく覚えていないけど、何とか終わったという事をルビーから聞いた。そして、私は今自分の部屋のベッドにいる。
「まぁ、いいや。最近寝不足だったし、今日はゆっくり休もう。」
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「どうだった?」
「士郎の言う通り、封印は解けてなかったわ。士郎は?」
「大丈夫だけど、少し寝かせてだって。」
「そう……。はぁ……、あまり危険な事はして欲しくないわ……。」
「だから、士郎が一緒にいる。」
「そうだけど、士郎にも平和に暮らして欲しいわ。それより、リズ!歯磨きなら、洗面所でなさい!」
「ほ〜い。」
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【士郎視点】
私は今、学校にいる。リズには寝かせてっていっておいたから、しばらくはバレないだろう。授業が始まってしまえばこっちのものだからね!
「おはよう、綾子。」
「おはよう、士郎……。何か顔色悪くない?」
「ちょっと寝不足なだけだよ、行こ!」
「そう?なら良いけど、あんまし無茶するなよ〜。」
体調は悪くない。でも、寝不足は本当。今日は少し長めに寝たけど、昨日の戦闘のせいですごく眠い。でも、そんな事で休んでなんかいられない。
「どうする?今から朝練だけど、見てく?士郎もこれから弓道部員だし。」
「あ〜……、ごめん。今から生徒会のお手伝いがあるから、行けないや。」
「そう?なら、明日にでも見に来なよ。皆大歓迎だから。」
「ありがと、じゃあ早速明日から見学させてもらうね。」
そうして、私は綾子と一旦別れ、一成君の待つ生徒会室に向かった。
「おはよう、一成君。」
「む、衛宮か。おはよう。来て早々悪いが、時間がない。付いて来てくれ。」
「うん、いいよ。」
私は一成君の後をついていった。
「この扇風機なんだが。先日電源を入れたら動かなかったと、文化部から報告があってな。俺の目には天寿を全うされたようにしか見えん。」
「天寿を全うされてたら、私も直せないよ〜…。」
「だが、お前の目から見たらただの仮病かも知れないと思い、ご足労願ったのだ。」
「それはいいけど、一成君て、昔から時々変な日本語使うよね?」
今時ご足労願うなんて使う高校生はいないよ。一成君と私はくすくすと笑った。
「う〜ん……、多分モーターに問題があると思う。でも何とか直りそうかな?」
「そうか。衛宮に見せてよかった。では、頼めるか?」
「任せて。あと、ここからちょっと繊細な作業になるから、外で待っててもらっていい?」
「了解した。すまんな。」
一成君が教室から出ていった。さて、やりますか。
「
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「セラ〜、そろそろ士郎起こした方がいいんじゃない?」
「いえ、今日くらいもう少し休ませてあげた方がいいでしょう。」
「ん〜……、そうだね。じゃあセラ、お茶とお菓子ちょうだい。」
「貴女は働きなさい!!!」
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「一成君、終わったよ。」
「そうか。丁度良い時間だな。今から教室に行けば、余裕で間に合うだろう。」
「そうだね、行こっか!」
私は一成君と一緒に歩いていった。廊下は、窓から朝日がさし、キラキラと輝いていた。平和だなぁ。
「あ、士郎ーー!!」
あ〜……、短い平和だったなぁ……。
「藤ねぇ。おはよう。」
「こらぁぁ!学校では藤村先生と呼ばんかい!!」
いきなりやって来て、頬っぺたをつねられた。普通に痛い。て言うか、それなら藤ねぇも衛宮さんて呼んでよ。
「いひゃい、いひゃいよ。」
「それより、イリヤちゃんは大丈夫?なんか熱って聞いたんだけど。」
「うん。微熱だから、明日には治ってると思うよ。」
藤ねぇはこういうところはちゃんと教師だ、と私は思った。
「それより、何で藤ねぇが高等部にいるの?」
「ん?私弓道部で教えてるし、朝練は時々顔見せてるんだよぉ。」
それは、初耳だ。綾子隠してたな……。
「ま、あんたもがんばんなさい。あ、久しぶりに士郎の肉じゃが食べたいなぁ。」
「今度またそっち行くから、その時ね。」
「本当!絶対だよ!ちゃんと連絡してよ!」
藤ねぇの場合、連絡しなくても本能で嗅ぎつけて来そう。私はそう思い、藤ねぇと別れて教室に向かった。
まずい。とてつもなく眠い。1時限目が始まった15分後に、私は眠気に誘われていた。あぁ……、意識が………。
「……さん、…衛宮さん?」
「……?」
「大丈夫ですか、衛宮さん?」
「は、はひ!?すいません!」
気づいたら眠ってしまっていた。失態だよぉ……。
「気分が悪かったら、無理せず保健室に行ってね。ちょっと顔色も悪いから。」
「いえ、大丈夫です!お気になさらず!」
先生の優しさには感謝しかないけれど、休む訳にはいかない。私は気合を入れ直し、寝ていた時に進んだ板書を写す。すると、突然聞き慣れた声が聞こえた。
「士郎、帰るよ。」
……え、なんでさ。なんでリズがいるのさ。
「あ、あの……、どちら様でしょうか?」
ほら、先生困ってるじゃん。ノートにひたすら書き込んでいた皆も、完璧に動きを止めていた。
「私は士郎の保護者。本当は士郎は今日休むはずだった。なのに士郎はこっそり学校に行った。だから、連れ戻しに来た。」
普段やる気のないリズが珍しくハキハキと喋っていた。え、もしかして、怒ってる?怒ってるよね?
「そうなんですか!?え、衛宮さん!早く帰ってお休みしてください!早退扱いにしておきますから!」
「ちょ、ちょっと待ってください!私はこの通り、元気、」
そう言って立ち上がった瞬間に、平衡感覚を失うほどの目眩が私を襲った。
「この通り元気じゃないから、連れて帰る。」
倒れかけた私をリズが支え、そのまま担ぎ上げた。って、この体勢って、お姫様だっこじゃん!!
「お、降ろして!リズ!!」
「降ろしたら士郎逃げるし。」
「この体勢、恥ずかしい、から……///」
スカートの中が見えそうなのと、何よりこの状況を見られるのが恥ずかしい。
「しょうがない。ならおんぶする。」
「自分で歩いて帰れるから!!」
リズを説得できず、結局おんぶという事になった。正直、とても恥ずかしかった。
「士郎、帰ったらセラのお説教。」
「ん……、しょうがない……、よね……。」
私はリズの背中の温もりを感じながら、コクッ、コクッと船を漕いでいた。
「眠かったら寝ていい。」
「ん……、ごめんね………。」
私は言われるがまま眠った。リズの背中は、とても気持ちよかった。
〜1時間程前〜
「士郎がいない!?」
「鞄も無かったから、多分学校。」
「全くあの子は!!!リーゼリット!今すぐ士郎を迎えにいって来なさい!!!」
「行ってくる。」
「また貴女はそうやって……、はい?」
「今から士郎を連れ戻してくる。」
「は、はい。頼みましたよ!」
「うむ。」
セラは思った。リズが素直に言うことを聞くなんて、何かの前兆では無いのかと。しかし、セラの心配とは裏腹に、何事も無く士郎を連れて帰って来たのだった。
今更なのですが、本作ではプリヤでは出てこなかった人物もバンバン出す予定です。
次回はイリヤ視点のお話になります。なるべくはやく更新できるように頑張ります。
では、次回もよろしくお願いします!