Fate/プリズマ☆士郎ちゃん   作:ギルディア シン 呪雷

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10月に入る前に1話出したかったのですが、遅れてしまいました。すいません。

予告通り、今回は箸休めのようなものです。

テストなどが重なって久しぶりに書いたので、おかしな点があるかもしれませんが、ご了承ください。


8話 嵐の前の・・ 士郎編

【イリヤ視点】

 

「38・2度。風邪ではなさそうですが、少し熱がありますね。大事をとって、今日はお休みした方が良いでしょう。」

 

「えー、セラ過保護すぎー。確かに熱っぽいけど、別に体だるくないもん。」

 

「過保護で結構です!さぁ、今日は安静にしていてください!」

 

昨日の闘いのことはよく覚えていないけど、何とか終わったという事をルビーから聞いた。そして、私は今自分の部屋のベッドにいる。

 

「まぁ、いいや。最近寝不足だったし、今日はゆっくり休もう。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「どうだった?」

 

「士郎の言う通り、封印は解けてなかったわ。士郎は?」

 

「大丈夫だけど、少し寝かせてだって。」

 

「そう……。はぁ……、あまり危険な事はして欲しくないわ……。」

 

「だから、士郎が一緒にいる。」

 

「そうだけど、士郎にも平和に暮らして欲しいわ。それより、リズ!歯磨きなら、洗面所でなさい!」

 

「ほ〜い。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

【士郎視点】

 

私は今、学校にいる。リズには寝かせてっていっておいたから、しばらくはバレないだろう。授業が始まってしまえばこっちのものだからね!

 

「おはよう、綾子。」

 

「おはよう、士郎……。何か顔色悪くない?」

 

「ちょっと寝不足なだけだよ、行こ!」

 

「そう?なら良いけど、あんまし無茶するなよ〜。」

 

体調は悪くない。でも、寝不足は本当。今日は少し長めに寝たけど、昨日の戦闘のせいですごく眠い。でも、そんな事で休んでなんかいられない。

 

「どうする?今から朝練だけど、見てく?士郎もこれから弓道部員だし。」

 

「あ〜……、ごめん。今から生徒会のお手伝いがあるから、行けないや。」

 

「そう?なら、明日にでも見に来なよ。皆大歓迎だから。」

 

「ありがと、じゃあ早速明日から見学させてもらうね。」

 

そうして、私は綾子と一旦別れ、一成君の待つ生徒会室に向かった。

 

 

「おはよう、一成君。」

 

「む、衛宮か。おはよう。来て早々悪いが、時間がない。付いて来てくれ。」

 

「うん、いいよ。」

 

私は一成君の後をついていった。

 

「この扇風機なんだが。先日電源を入れたら動かなかったと、文化部から報告があってな。俺の目には天寿を全うされたようにしか見えん。」

 

「天寿を全うされてたら、私も直せないよ〜…。」

 

「だが、お前の目から見たらただの仮病かも知れないと思い、ご足労願ったのだ。」

 

「それはいいけど、一成君て、昔から時々変な日本語使うよね?」

 

今時ご足労願うなんて使う高校生はいないよ。一成君と私はくすくすと笑った。

 

「う〜ん……、多分モーターに問題があると思う。でも何とか直りそうかな?」

 

「そうか。衛宮に見せてよかった。では、頼めるか?」

 

「任せて。あと、ここからちょっと繊細な作業になるから、外で待っててもらっていい?」

 

「了解した。すまんな。」

 

一成君が教室から出ていった。さて、やりますか。

 

同調、開始(トレース・オン)。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「セラ〜、そろそろ士郎起こした方がいいんじゃない?」

「いえ、今日くらいもう少し休ませてあげた方がいいでしょう。」

 

「ん〜……、そうだね。じゃあセラ、お茶とお菓子ちょうだい。」

 

「貴女は働きなさい!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「一成君、終わったよ。」

 

「そうか。丁度良い時間だな。今から教室に行けば、余裕で間に合うだろう。」

 

「そうだね、行こっか!」

 

私は一成君と一緒に歩いていった。廊下は、窓から朝日がさし、キラキラと輝いていた。平和だなぁ。

 

「あ、士郎ーー!!」

 

あ〜……、短い平和だったなぁ……。

 

「藤ねぇ。おはよう。」

 

「こらぁぁ!学校では藤村先生と呼ばんかい!!」

 

いきなりやって来て、頬っぺたをつねられた。普通に痛い。て言うか、それなら藤ねぇも衛宮さんて呼んでよ。

 

「いひゃい、いひゃいよ。」

 

「それより、イリヤちゃんは大丈夫?なんか熱って聞いたんだけど。」

 

「うん。微熱だから、明日には治ってると思うよ。」

 

藤ねぇはこういうところはちゃんと教師だ、と私は思った。

 

「それより、何で藤ねぇが高等部にいるの?」

 

「ん?私弓道部で教えてるし、朝練は時々顔見せてるんだよぉ。」

 

それは、初耳だ。綾子隠してたな……。

 

「ま、あんたもがんばんなさい。あ、久しぶりに士郎の肉じゃが食べたいなぁ。」

 

「今度またそっち行くから、その時ね。」

 

「本当!絶対だよ!ちゃんと連絡してよ!」

 

藤ねぇの場合、連絡しなくても本能で嗅ぎつけて来そう。私はそう思い、藤ねぇと別れて教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

まずい。とてつもなく眠い。1時限目が始まった15分後に、私は眠気に誘われていた。あぁ……、意識が………。

 

「……さん、…衛宮さん?」

 

「……?」

 

「大丈夫ですか、衛宮さん?」

 

「は、はひ!?すいません!」

 

気づいたら眠ってしまっていた。失態だよぉ……。

 

「気分が悪かったら、無理せず保健室に行ってね。ちょっと顔色も悪いから。」

 

「いえ、大丈夫です!お気になさらず!」

 

先生の優しさには感謝しかないけれど、休む訳にはいかない。私は気合を入れ直し、寝ていた時に進んだ板書を写す。すると、突然聞き慣れた声が聞こえた。

 

「士郎、帰るよ。」

……え、なんでさ。なんでリズがいるのさ。

 

「あ、あの……、どちら様でしょうか?」

 

ほら、先生困ってるじゃん。ノートにひたすら書き込んでいた皆も、完璧に動きを止めていた。

 

「私は士郎の保護者。本当は士郎は今日休むはずだった。なのに士郎はこっそり学校に行った。だから、連れ戻しに来た。」

 

普段やる気のないリズが珍しくハキハキと喋っていた。え、もしかして、怒ってる?怒ってるよね?

 

「そうなんですか!?え、衛宮さん!早く帰ってお休みしてください!早退扱いにしておきますから!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!私はこの通り、元気、」

 

そう言って立ち上がった瞬間に、平衡感覚を失うほどの目眩が私を襲った。

 

「この通り元気じゃないから、連れて帰る。」

 

倒れかけた私をリズが支え、そのまま担ぎ上げた。って、この体勢って、お姫様だっこじゃん!!

 

「お、降ろして!リズ!!」

 

「降ろしたら士郎逃げるし。」

 

「この体勢、恥ずかしい、から……///」

 

スカートの中が見えそうなのと、何よりこの状況を見られるのが恥ずかしい。

 

「しょうがない。ならおんぶする。」

 

「自分で歩いて帰れるから!!」

 

リズを説得できず、結局おんぶという事になった。正直、とても恥ずかしかった。

 

「士郎、帰ったらセラのお説教。」

 

「ん……、しょうがない……、よね……。」

 

私はリズの背中の温もりを感じながら、コクッ、コクッと船を漕いでいた。

 

「眠かったら寝ていい。」

 

「ん……、ごめんね………。」

 

私は言われるがまま眠った。リズの背中は、とても気持ちよかった。

 

 

 

〜1時間程前〜

 

「士郎がいない!?」

 

「鞄も無かったから、多分学校。」

 

「全くあの子は!!!リーゼリット!今すぐ士郎を迎えにいって来なさい!!!」

 

「行ってくる。」

 

「また貴女はそうやって……、はい?」

 

「今から士郎を連れ戻してくる。」

 

「は、はい。頼みましたよ!」

 

「うむ。」

 

セラは思った。リズが素直に言うことを聞くなんて、何かの前兆では無いのかと。しかし、セラの心配とは裏腹に、何事も無く士郎を連れて帰って来たのだった。

 




今更なのですが、本作ではプリヤでは出てこなかった人物もバンバン出す予定です。

次回はイリヤ視点のお話になります。なるべくはやく更新できるように頑張ります。

では、次回もよろしくお願いします!

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