士郎ちゃんのチート化が進行中です。
嫌だなぁと思われたなら、ごめんなさい……。
だって、この物語の主人公は士郎ちゃん何だから。
【士郎視点】
「よし、じゃあリターンマッチといきましょうか!」
「もう負けは許されませんわ!」
昨日と同じ場所、同じ時間にいつものメンバーが集まった。
「美遊、大丈夫?」
「うん、イリヤとお姉ちゃんのおかげで空中戦も可能になったから。今回は大丈夫。」
二人とも空中戦ができるようになったのは戦力が上がっていい事だ。二人を優位にたたせるには、私達の援護にかかっている。
『そろそろいいですね。では行きます』
『限定次元反射炉形成』
『境界回路一部反転』
『『
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やはり敵は前と同じように準備していた。だが、今回は想定済み。だから、慌てる事はなかった。
「さあ、二人とも言ってきなさい!」
遠坂さんの合図で、二人は空へ登っていく。イリヤは本当に飛行をしているが、美遊は階段を上るかのように上へ上がっていく。どうやら、魔力を足場で固めているようだ。私の助言が役に立ったようで良かった。私は心の中で喜びながら、弓を投影し、矢で魔法陣を無力化していく。イリヤ達に当たらないように、細心の注意を払う。
「凄いわね。弓道部に入ったら主将確定ね。」
「今はそんな事話してる場合じゃないですわ。」
「そう。私達は最善のサポートをする。それだけだよ。」
そう言いながら、私は弓を引く。
【イリヤ視点】
「よし!いくよルビー!」
『はい!いっちょかましてやりましょう!』
私はルビーに声をかけて飛んだ。その間、凛さんに言われた事を思いだしていた。
「いい?複雑な作戦立てても混乱するだけだから、役割を単純化するわね。小回りの効くイリヤは陽動と撹乱担当、突破力のある美遊は本命の攻撃担当ね。」
空に飛んだらとにかく斉射。こっちに意識を向ける為に、弾幕をはる!!
「中くらいの、散弾!!!」
ステッキの先から魔力弾が出た!これで、
「よし!タイミングばっちり!」
「やっておしまいなさい、美遊!」
美遊が
「『ランサー』
すると、相手は
「なっ!?」
「美遊!!今すぐにそこから離れて!!」
お姉ちゃんがそう叫ぶ。消えたかと思った相手は美遊の後ろにいた。
「クッ!!」
「美遊!!!」
美遊は地面に叩きつけられた。辺りに砂埃が舞う。
『申し訳ありません、美遊様……。物理保護の強化が間に合わず…。』
「大したことな、つッ!!」
『美遊様!足が!』
「こんなの、
でも、相手はそれを許してくれなかった。ピーー、と相手の集中砲火のロック音が響く。
「イリヤ!美遊のところに!」
「うん!」
私はお姉ちゃんの合図で、美遊のところに猛スピードで飛んでいった。
「ダメ!間に合わない!」
「
私がそう思ったら、美遊の上に7枚の花弁が現れた。その隙に私は美遊を連れて、空へ飛び立った。
「何とかなったね……。」
「…ごめん、ありがとう。」
そう言って、私たちは敵に意識を戻した。
「美遊、ちょっと試したい事があるんだけど。」
「何?」
私は美遊に作戦を伝えた。これでダメなら、また日を改めた方がいい。
「どうかな?」
「うん。やってみる価値はあると思う。」
「よし。じゃあやってみよ!」
この時、ルビーとサファイアは思った。
((あぁ、これが本来あるべき姿だ。))
だが、あえて言葉にしなかった。
【士郎視点】
「何とかなったね……。」
「衛宮さん!大丈夫!?」
魔力はまだ大丈夫だが、そんなに余裕がある訳ではない。
「すぐに2人を呼び戻します!それまでシェロは休んでいてください!」
「まって!まだ、2人は諦めてませんよ!」
イリヤも美遊もまだ諦めていない。ならば、姉の私が倒れる訳にはいかない。その思いで、私は気を引き締める。
「ちょっと、まだ続ける気!?同じ作は通じないわよ!」
「一時撤退ですわ!戻りなさい美遊!」
「行きなさい、2人とも!!」
遠坂さんとルヴィアさん、それにイリヤと美遊までこっちを向いた。
「思った通りにやればいい!ダメだったら、私達が何とかするから!思いっきりやって来なさい!」
「「はい!!」」
私は再び弓を持つ。
【イリヤ視点】
行ってこいって言ってくれた。ダメだったら何とかするからと言ってくれた。なら、怖がる事は何もない。思いっきりやればいい。私は敵の方へ全速力で飛んでいく。
「だぁぁー!!あの馬鹿!役割くらい守れぇぇ!!」
「散弾を打っても、また転移で避けられますわ!」
凛さんとルヴィアさんがそう叫んでいるけど、今は気にしない。
(また転移で避けられるのなら、どこに転移しても当たるような、弾幕を張るだけ!!)
「いくよ!極大の……散弾!!!」
跳弾。反射鏡面を利用すれば出来るかなって思ったけど、予想以上に上手くいった。でも、大き過ぎる散弾じゃダメージは与えられない…。だけど、敵は一瞬止まるはず!その一瞬が有れば、
「美遊!!」
「弾速最大……
見事に命中した。敵は地面に叩きつけられていた。
「や、やった!!」
『まだです!ダメージは与えましたが、致命傷は与えていません!早く詰めの攻撃を!』
ルビーがそう叫んだ。しかし、
「
「
「
下には準備万端の人達がいた。
「轟風弾五連!!」
「爆炎弾七連!!」
「
3人の魔術が同時に発動し、物凄い爆炎が地面を包んだ。何というか…、壮絶だぁ……。視線を地面から空に移した。すると、無数にあった魔法陣が消えていくのが見えた。
「…という事は。」
『私達の勝利です!!』
ルビーが叫んだ。と同時に花火が上がった。
「何で花火?ていうか、何でデザインが私なの!?」
『いいじゃないですか!祝砲ですよ!』
とっても恥ずかしいんですけど!?煙が晴れて、下を見ると、凛さんとルヴィアさんはまた喧嘩をしていた。私は苦笑して、すぐに美遊のところに行こうとした。
でも、美遊は重い顔をしていた。美遊の視線の先を見ると、そこには、
「えっ?」
「まずい!!アイツ、この空間ごと焼き払うつもりよ!!」
つまり、さっきの攻撃を転移で避けていた。私はさっきまでの雰囲気を一変し、どうすればいいか、頭をフル回転した。
(そうだ!美遊の飛行は足場で魔力を固めているものなら!!)
私は美遊に魔力砲を放って叫んだ。
「美遊!!
魔力を固めて足場に出来るなら、魔力砲でも出来るはず!
美遊は、私の考えを察して『ランサー』のカードを
「いっけぇぇぇぇ!!!」
「
魔力砲の勢いがのった美遊の槍は、敵を貫いた。そして、次の瞬間にはカードの姿になった。
「やったぁ!これで完全勝利だよね!」
「こぉらぁ、イリヤスフィール!!」
「うぇいッ!?」
私は地面に着くとルヴィアさんのゲンコツに頭を挟まれた。
「よくも美遊に魔力砲を撃ってくれましたわねぇ!!」
「いだだだだだだだっ!!だ、だって出来ると思ったんだもん!」
頭をぐりぐりしてくるルヴィアさんに、私はそう言った。
「こら、子どもに手をあげるな。」
「こっちは気にしないで、早く美遊のところへ行って来なさい。あと、緊急だったけど危ないことをしたんだから、ちゃんと謝るのよ。」
「は、はい。わかりました。」
お姉ちゃんは私にそう言った。確かに、もし美遊が魔力砲に乗れなかったらと思うと、ゾッとする。私はすぐに美遊のところへ向かった。
【士郎視点】
「何とか倒せましたね。」
「えぇ、しかし2枚目でここまで苦労するとは、先が思いやられるわ。」
「情報が少なすぎるのですわ。敵の能力についても…、そもそもこんな空間を作ってしまうカードについても。」
私達は3人でそんな話をした。確かに情報が少ない。敵がどんな能力を使うのか、それがわからなかったら対策の使用もない。ん?空間?
「そういえば、カードを回収したのに空間の崩落が随分と遅くないですか?」
「えっ?あぁ、確かに。」
「どういう事ですの?」
何か嫌な予感がする。早く『
「!!!2人とも、避けて!!」
私は2人を突き飛ばした。その瞬間、私は漆黒の剣に斬り裂かれた。薄れゆく意識の中で、こっちを見つめるイリヤの姿が見えた。
「に……げ…………て………………。」
「お姉ちゃん!!!」
戦闘の描写を書こうとすると、どうしても短くなってしまいます。その辺りは、私の至らなさが原因です。これから頑張っていきます!
では、次回もよろしくおねがいします。