幻想支配の幻想入り   作:カガヤ

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紫もや……コホン、パチュリーのターン!


第34話 「魔女考察」

あの不思議な外来人、ユウキが来てから今日で3日目。

この3日間、主に食事の時に彼で遊ぶのも親友レミィを使って遊ぶのも、咲夜や美鈴を使って遊ぶのも、そして、妹様に遊ばれるのもじっくり堪能できたわ。

ならそろそろユウキの怪我も良くなってきているだろうし、あのスキマ妖怪にほぼ命令された事をしましょうか。

 

「じゃあ、ユウキ。今日の診察をしましょう。朝食の時あなた左手も使ってたわね。もう動かせるの?」

「あぁ、これもパチュリーの魔法のおかげだな。激しく動かせはしないけど、日常生活には支障はなさそうだ」

 

これを聞き、私は僅かに目を細めた。

私の魔法のおかげ? 確かに、私は毎日回復魔法をかけ直して、魔法で編んだ包帯を巻きなおして彼の左手の治療を行った。

けれども、だからと言って3日でほぼ完治するとは思えない。

 

「パチュリー? 難しい顔して左腕つっつかないでくれないか? 痛みはないが、くすぐったい」

「ここであなたに黙っていた重大な報告があります。あなたは左腕が痛まないとずっと言っていましたが、そこまでの効果は私の魔法にありません。痛みを和らげる程度しか効果がないはずです。私は回復魔法が得意ではないので、骨が砕ける程の複雑骨折を3日で治るわけがありません」

「……わざわざ口調を変えてまで言うような事か? でも実際に俺の腕は治ってるぞ?」

 

にわかには信じられないが、彼の言う通りだった。

包帯の解けた彼の左手は昨日までうっすら残っていた傷跡も消えていて、少しぎこちなかったけど腕を振り、自由に指も動かしていた。

 

「本当に完治に近いわね。あなた、よほど魔法との相性がいいのかしら?」

「元いた世界で何度か回復魔法の世話にはなったけどな、後は昔馴染みの掛かり付けの医者に治してもらったりだ。そう言えば、その頃から結構治りが良かったな。てっきり魔法のおかげか、冥土帰しの腕のおかげと思ってたけど」

 

なるほど、彼は元から魔法への適応力が高かったのね。害をなす魔法は防ぎ、それ以外の魔法は全て受け入れる。

稀に見かける特異体質なのね。

最も、彼と私が出会った人間達は世界が別だから彼が特別なのか、それとも彼の世界の人間はみんなこうなのか。

 

「助かったよ。これで、ようやく自由に動ける」

「言っておくけど、まだよ? 経過観察っていう言葉知ってるでしょ」

 

私がそう言うと彼は少し落胆した顔を見せた。

大方ここから出て行く事を考えていたのだろう。

ここ数日の彼は自分の置かれている状況に、明らかに戸惑ってばかりだものね。

 

「経過観察じゃなくて調査、もしくは実験と言うんじゃないか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりそうだった。

彼の眼は私を真っ直ぐに捉えているが、どこを見ているのか何を視ているのか分からなかった。

何も感じない目、無表情の目に私は全て見透かされているようだった。

 

「……どういう意味、かしら?」

「八雲紫に頼まれたんじゃないか? 俺を、俺の幻想支配を調べてほしいと。今回の一件で、半ば脅迫じみた命令だったかもしれないけど」

 

彼に完全に見透かされている。

 

「なぜそう思うのかしら?」

「ここ数日ベッドの上だったからな、考える時間はたっぷりあった。八雲紫、最初は少し面喰ったけどすぐに俺のとっても良く知っている知り合いに似ている所があると思ったんだ」

 

彼の言う知り合いが誰かは知らないけど、すごく嫌いで憎んでいて殺したいくらいだと言うのは表情を見ればすぐに分かった。

 

「で、そんな奴が俺をただ観察するだけ、なんて事で済ませるはずがない。自分もしくは誰かに俺の身体を隅々まで調べさせるはず。そんな時に都合よく数万冊以上の様々な種類の本がある図書館の司書で、魔法にめっちゃ詳しい魔女の元に俺が動けない状態でやってきた。調べさせるにはもってこいの状況だろ?」

「別に否定はしないわ。私は確かに八雲紫にあなたを調べるように言われたわ」

 

そう言っても彼は表情一つ変えなかった。

分かってるのかしら? 私の実験台になるような物だと言うのに、抵抗感がまるでない。

むしろとっととやれとでも言いそうね。

 

「そうか。それじゃとっととやってくれ。俺の怪我が治るの待ってたんだろ? でなきゃフランと戦った後での俺を調べるはずだし、そもそも力づくでもいいわけだし」

 

思わず目をパチクリさせる。彼はどこまでお見通しだと言うのだろうか。

 

「別にお見通しってわけじゃない。言ったろ? ベッドの上で数日間暇だったんだから、考える時間はたっぷりと、考える事案は沢山。異世界から来たとか俺の事情色々知ってるんだろ? 俺は昔から実験を色々されたししてきたから、自分の身体に何かされれば違和感に気付ける。治療された以外は何もされていない事もな」

 

これは……観察するつもりが、逆にされている?

 

「俺自身の事以外でも色々と考えてた事はあるぞ? 例えば、フランはきっとレミリアの隣の部屋でいるけど、寝る時はレミリアと一緒かもなーとか」

 

私は大きく目を見開いた。そこまで知っていたのかと。

 

「あなた、探偵でもしてたの? どうしてそこまで分かるの?」

「あーそこまで驚かれるとは思ってなかったけど、これは本人に聞いただけだ。フランの部屋はかなりめちゃくちゃになって、崩落しててもおかしくなかっただろうからな」

 

確かに妹様の地下室は今もぼろぼろのままだ。

崩落しないように補強はしてるけど、あくまで天井が崩れない為であって部屋を使いものにするためじゃない。

土木仕事は美鈴が主にする事だけど、レミィはこのままでもいい。と言っていた。

 

「どこで寝ているのかとフランに聞いて、お姉様の隣の部屋だよ。と言われて、レミリアが俺やフランのせいで仕方なく空いてる部屋をフランに使わせてるだけ、ってな。無駄にツンデレっぽく言ってた。そう言えば、あの時はパチュリーいなかったな」

 

何だかその光景が目に浮かぶわね。レミィは素直になれないだけで、昔から物凄く妹様を大事に思っていたし。

 

「んで、フランがお姉様と一緒に寝てるよー。なんて言ってレミリアが顔を真っ赤にして照れて、俺や咲夜がニヤニヤ顔でそれを見てて……ってな流れ」

 

それも想像付きやすい光景ね。私も見たかったわ。そして、弄りたかったわ!

ただ、まぁ、ほぼ無表情で感情籠ってない声で、レミィや妹様の声真似する彼はとてもシュールね。

 

「話がそれたな。じゃ早速始めてくれ」

 

と言うと、彼はベッドに横になった。完全無防備。

 

「いや、その……あなたなんでそんなに抵抗ないの? 解剖されるとかイタイ目を見るとか、警戒心があなたにはないの?」

「解剖程度の観察ならアイツが自分でやってるだろ。魔女のあんたに頼むくらいだ、魔法で調べるのにイタイ目も何もないだろ。それに幻想支配の事は、俺も正体知りたかった事だしな。調べてくれるっていうならこっちから頼みたいところだ」

 

いやいや、魔法で調べるにしてもイタイ目見る事はあるわよ?

 

「はぁ……そこまで言うなら、始めるわ。咲夜」

「はい、ここにいますパチュリー様」

 

私が呼ぶと、さっきまで誰もいなかった場所に時間を止めてやってきた咲夜が立っていた。

そして、ベッドの周りには魔石や道具が置かれている。

こういう助手は、本来こぁにしてもらうのだけど……

 

『ユ、ユウキさん相手にそんな事出来ません! 私ふとした弾みでメスをあの人の口に落としそうです!』

 

などと訳の分からない事を言っていたので、今回は咲夜に助手をお願いしたわ。

それにしても、あの子……ああいう性格だったかしら?

と思い返して、こぁは私が召喚してからこの数十年、男性を目にする機会全然なかった事に気付いた。

免疫がないわけね。男を知らない、なんて卑猥な表現じゃないけど。

 

「最初に言っておくけど、痛みはないはずよ。ただ、私の魔法にあなたの身体が拒絶反応起こすかもしれない。その場合何が起きるか分からないわよ?」

「分かった」

 

私の警告にも全く動じないのね。代わりと言っていいのか、咲夜が眉をひそめて私を見つめてきた。

なんであなたがそんな動揺してるのよ?

 

「大丈夫よ。何もなければ、本当に何もないから。彼は私達の知る人間ではなく、異世界の人間なの。それも不思議な力を秘めた人間。私の魔法にどんな反応するかは、やってみないと分からないわ。でも絶対に死なせない、だから大丈夫」

 

大事な事なので、最初と最後で2度言いました……で、咲夜はどうにか納得したわけだけど。

確か彼と咲夜が関わり合ったのはここ数日、なのにここまで咲夜に影響を与える男。

けど、それは咲夜だけじゃない。妹様も、そしてレミィにも影響を与えた。

美鈴は元から面倒見のいい性格だったし、こぁは……保留。

 

「それじゃあ、始めるわよ。麻酔必要かしら?」

「……不安にさせるような事わざわざ言わなくていいから、とっとと始めてくれ」

 

確かに興味がわく外来人だけど、そこまでの人物なのか徹底的に調べてあげましょうか。

 

 

それから数時間が経過。成果は……ないに等しい。

探知魔法や生命力を浮かびあがらせる魔法、はたまた全身を分解させた映像を見る魔法, etc.

これらを使って分かった事、それは彼が人間としての身体能力が五感を含めて上限に近いくらい高いと言う事。

けれどもそれ以外は全くの人間で霊力も魔力も、ましてや妖力や神力もない。

 

「その様子だと、何も分からなかったみたいだな」

「そうね。でもこれは予想出来た事よ」

 

これくらいで分かるなら、八雲紫は私に頼まない。

それに、身体能力が極めて高いのは美鈴や妹様と戦った時に分かっている事。

次に幻想支配について調べる事にした。

 

「それじゃあユウキ、幻想支配で私を視て見て。咲夜でもいいんだけど、私の方がこっちの診察しやすいわ」

「……えっ?」

 

今までずっと無表情に近かった彼が、初めて驚いた表情を見せた。

 

「どうしたの? まさか、怪我の影響で使えないとか?」

「いや、多分使える。使えるけど、パチュリーは……それでいいのか?」

「???」

 

私が良いとは、それはどういう意味なのだろうか?

 

「俺のいた世界では魔術師もいたけど、みんな自分の成果を全くの他人である俺に、いとも簡単に模倣されるのを酷く嫌っていた。最も初めて会う魔術師は敵ばかりだったから、俺はそんなの気にせず使ってたけどな。魔術師が味方の時も、大抵俺が勝手に使ったり、了承を得てから使うパターンが多かった。で、パチュリーは自分の今までの魔法の成果、俺に丸パクリされるのはいいのか?」

 

あぁ、そう言う事。確かに自分が努力して会得した魔法を簡単に使える幻想支配は、気にくわないかもしれないわね。

でも、ケースバイケース。自分以外が使う事で得られるものがあるかもしれない。

それに彼は私の魔力で私の魔法を使える。これは私から見れば利点しかない。

例えば、危険な実験を私の代わりに行えると言う事。

 

「事情があって魔術が使えない魔術師の代わりに、俺が幻想支配で使った事もあったな。それも数回」

「ふぅん。結構有効活用してたようね。私は別に構わないわよ。実験に必要な事だもの、躊躇う理由はないわ……それに、私の魔力で私の魔法を使うあなたを見る事で、その魔法の欠点を第三者的な視点で見れるのよ? 良い事じゃない」

「……言っておくけど、悪巧みには条件次第でしか乗らないからな?」

 

つまり、条件が良ければ悪巧みに乗ると言う事ね。

 

「パチュリー様、そのいかにも悪い事考えてるぞー的な笑みは止めた方がいいかと、お嬢様みたいですよ」

「あら、それはすぐに止めないとダメね」

「お前ら、主の扱いが酷くないか?」

「それは向こうもお互い様。さ、早く幻想支配で私を視て、私だけを視なさい」

 

少し艶めかしく言ってみたけど、彼はものすっごーーく白い目を私に向けてきた。

 

「パチュリー様、慣れない事はしないほうが身のためですよ。とっても似合いません」

「う、うるさいわね! ちょっと和ませようとしただけじゃない!」

「和めません。寒くなりました」

 

ま、全くこの子は、ズバズバと言うのはレミィと美鈴だけにすればいいのに、なぜか私には一番言ってくるのよね。

 

「はぁ~いいから、視るぞ」

 

彼は瞼を閉じ、すぐにゆっくりと開けた。

 

「終わったぜ」

 

その瞬間、目の前に私が現れた。いや、見た目は彼で中身も彼で、別に私の髪型になったとか、私と同じ声になったわけじゃない。

それは妹様との一件で知っていたはずなのに、それでも実際に私自身を視られた事で改めて認識させられた。

目の前に、私と全く同じ力を持った、誰か別人の殻を被った私がいるようだった。

 

「目が赤くなりましたね。確かフランお嬢様の時は目が銀色でした」

「そうか、そのルールみたいなのは幻想郷でも変わらないか」

 

確か、霊夢や人里の教師を視た時は青色、チルノは緑色、妹様は銀色、私は赤。

彼の居た世界では、能力者は青、魔術師は赤だったと聞いた。

 

「恐らくだけど、その目の色は視た相手の力で区別されると思うわ。霊力など人間が持つ力は青、妖精のような自然が生み出した存在の力は緑、妖怪の妖力は銀、魔法使いの魔力は赤、と言うわけね」

 

正確には妹様は魔力だけど、妖力に近い性質だから赤じゃないのかも。

 

「なるほどな。んで、俺はこれからどうすればいい? スペルカードか、魔法でも使えばいいか?」

「それは良いわ。恐らく私の使える魔法は全て使えるでしょうから、それよりこれを読んでみて」

 

私が彼に渡した青紫色の本。図書館から持ってきたこれは魔道書。

魔力が無いものでなければ訳の分からない文字で書かれていて、下手をすれば魔道書に囚われてしまうかもしれない。

でも、今回彼に読んでもらうのはそんな物騒な物ではない。

初級者向けの無害な本。内容も魔法の基本的知識を私が纏め上げた物。問題は全くない。

 

「これは、魔導書か? 俺の世界にもあるけど、実際手にして読むのは初めてだ」

「そんな警戒しなくても、ただ開いて読んでくれればそれでいいわよ」

「分かった……お、読める、読めるぞ! 得体のしれない文字ばっかりだけど、ちゃんと読める。何何、4月5日、今日の朝食は軽めのフレンチトーストと紅茶だった」

 

あ、あれ? おかしい。何かがおかしい

 

「私の好きな組み合わせだったけど、咲夜が独自にアレンジした紅茶らしく、一口飲んで倒れてしまった。咲夜自身は健康のためにと薬草を煎じてくれたみたいだったが、かえって体調が悪くなった。あのPAD長、いつか呪う……何だこりゃ?」

「か、返して!!」

 

怪訝な表情をする彼から魔道書(?)をかっさらったけど、もう遅かった。

 

「パチュリー様? 今の内容、どう考えても1年前のあの日ですよね?」

 

ギギギッと音がしそうな動作で首を横に向けると、満面の笑顔でそれでいて極寒の笑みを浮かべた咲夜がいた。

 

「確か、その次の日ですか、普段はつかない寝癖がどうやっても直らず、その日に限って転んだり滑ったりで皿を割りそうになり、うっかりお嬢様の頭にアツアツのスープを皿ごとぶつけてしまったり、雨に降られそうになったお嬢様に差した傘が壊れて、お嬢様が大雨で大変な事になったり。と、散々な一日だったのですが……もしかして?」

「な、なな何を言っているのよ。これは小説よ。間違えて魔導書じゃなくて小説持って来ちゃったみたいなのよ」

 

何で!? なんで魔導書が私の日記に変わってるの!?

あ、これ……ブックカバーだけ魔道書で私の日記と入れ替わってるわ。

しかもこれ、去年の日記じゃない。見つからなくて無くしたと思ってたのよね。

私がこんな隠し方するわけないし、まさか……こぁのイタズラ?

 

「その次のページは一言、呪い大成功! って書かれてたな」

「ちょっ!? ユウキ!? あなた何を言ってるのよ!?」

「あーいや、その一言だけで1ページ使うほど大きく書かれていたから、まさか……自分の日記を俺に渡すわけないよなーと思って」

 

ユウキはあはははーと乾いた苦笑いをしながら、視線は私からそらしたまま。

 

「パチュリー様、私はあの時の事は恨んでおりません。元はと言えば私が変な薬草を混ぜてしまい、そのせいでパチュリー様は1日寝込んでしまったのですから、だから私が悪いんです。改めて、パチュリー様の朝食を台無しにして、申し訳ありませんでした」

 

咲夜はさっきまでの黒い笑みを消して、心からの謝罪を籠め、頭を下げてきた。

全くこの子は、人が良いと言うかメイドの鏡ね。

 

「良いのよ。私こそ大人げなく呪いかけちゃってごめんなさい」

 

でもその呪いの割を食ったのはレミィなのよね……

 

「では、お相子と言う事で……で、本題なのですが」

 

ん~? 何かしら、さっきよりも背筋が寒くなってきたわね。

なぜなのかしら、咲夜がさっきまでの申し訳ないと言う表情が一変して、冷たい笑みを浮かべてきたわ。

 

「この日記に書かれている、PAD長についてご説明を頂けませんでしょうか? 私そんなもの持った事ありませんよ?」

「その、そ、それはね咲夜……うっかり1年前、あなたが引き出しの中にびっしりとPADを入れているのを見かけちゃった、から……ハッ!?」

 

し、しまったーなんで余計な事までペラペラとー!?

咲夜が顔を真っ赤にしてプルプル震えてるわね……少し可愛いと思ったわ。

 

「咲夜、俺は両耳を塞いでいたので、今の会話は聞いていないから。うん、気にしないでくれ」

「お、お気づかいありがとうございます、ユウキ様。では、私はパチュリー様と少しお話がありますので失礼いたします」

「ご、ごごごめんなさい咲夜! でも、今は使ってないからいいじゃない! ちゃんとその美鈴ほどじゃないけど大きな胸はちゃんと本物だって私は知ってるから!」

「ユウキ様の前で何トンでもない事、ペラペラしゃべってるんですか、この紫もやしーーー!!!?」

 

フォローしたつもりが逆効果!?

あ、でも耳を塞いだユウキが顔を真っ赤にして何も聞こえないフリをしているのが、これまた少し可愛かったわ。

なんて、現実逃避してる前に逃げるわ!

 

「まちなさぁーーい! よくもユウキ様の前で恥をかかせてくれましたねー!?」

「きゃーー!? ちょっと、美鈴、こぁ、レミィでも妹様でもいいから、誰か助けてー!?」

 

結局、美鈴が気付いて止めてくれるまでの数十分、屋敷中を追いかけ回されたわ。

ユウキの実験は、日を改めてと言う事にもなった……あぁ~怖かった。

 

つづく

 




さて、次回は少しバトルします。
ほのぼのーですけど。

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