幻想支配の幻想入り   作:カガヤ

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時系列ですが東方シリーズは東方紅魔郷前、とあるは新約7巻くらいまでをオリキャラ「ユウキ」と当麻達が過ごしたと思って下さい。


プロローグ
プロローグ 「とある少年の消滅」


その日、とある少年が学園都市から、いや、世界から姿を消した。

 

消えた少年の名は【ユウキ】

名字もあるが、少年はユウキ、もしくは違う名前で呼ばれていた。

 

幻想支配(イマジンロード)

 

あらゆる異能を打ち消すのが幻想殺し(イマジンブレイカー)なら、あらゆる異能を支配するのが幻想支配。

ユウキは目に映る能力者をコピーしたり、使用不能に出来る異質な能力者だった。

能力の研究を目的とした学園都市でも、ユウキの能力は異質すぎた。

測定不能、原理不明、学園都市で発現した能力ではなく、ユウキが生まれつき持っていた能力、原石だったからだ。

 

彼は見た目は冷たい男だが目の前に困った人がいたら助けに入り、相談にきた相手にはちゃんと相談にのっている。

 

そして、ユウキが高校に入り出会った右手に幻想殺しを持った、最高に不幸な少年【上条当麻】

ユウキと当麻はすぐに仲良くなり、当麻がインデックスと言うイギリスのシスターを拾った事から様々な事件に遭遇する事になった。

ある時は学園都市最強の【一方通行】に挑んだり、悪友の陰謀で学園都市の外や海外に飛ばされ魔術師と戦ったりする事もあった。

 

当麻が関わらなくても、ユウキ自身にトラブルに巻き込まれる素質があるらしく、レベル5第三位のレールガンと共に幻想御手事件を解決したり、スクールやアイテムと言った学園都市の暗部と殺し合いをした事もある。

かと思えば、敵として戦った浜面仕上の恋愛を手伝ったり、一方通行と共闘して幼い少女を助けたりもした。

 

ユウキには学園都市や世界中に数多くの知り合いがいるが、中でも上条当麻、一方通行、浜面仕上と言った3人の【ヒーロー】との関わりは深い。

学園都市や世界を、共に救った事も1度や2度ではない。

 

そんな彼、ユウキがある日突然消えた。

だが、彼が消えた事には誰も気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

ここは人間と妖怪が住む楽園【幻想郷】

私、博麗霊夢は幻想郷にある博麗神社の巫女をしている。

 

ある日、人里での用事を済ませ神社へと飛んで帰る途中、嫌な気配を感じた。

気配は眼下に広がる、広大な森の一角から感じた。

 

「早く帰って夕飯の支度したいんだけど、しょうがないか」

 

放っておくと面倒な事になりそうな予感がしたので、私は気配の元へと飛ぶとそこには小さい女の子を背負って走る少年。

そして、少年の背後に迫って走る数匹の巨大な狼妖怪の姿があった。

 

「あの服装、外来人? 紫ったらまたやらかしたのね」

 

外の世界と博麗大結界で隔たれたこの幻想郷に、たまに外の世界の人間が来る事がある。

大抵は結界の綻びに引っ掛かったか、八雲紫と言うスキマ妖怪が好奇心から神隠しで連れて来るかのどちらか。

今回はどっちだろうか? 何にせよあのスキマ妖怪の仕業には違いない。

 

「と、そんな事考える前に……っと!」

 

【妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を退治する】これが幻想郷のバランス。

私は懐から御札を取り出し、狼妖怪へと放った。

御札は少年に飛びかかろうとしていた1体に当り、妖怪が崩れ落ちる。

 

「そこの人、隠れてて。すぐに済ませるわ。質問はその後!」

 

空から降ってきた私を茫然と見つめる外来人に、手短に言って私は右手に札、左手に霊力を蓄え妖怪たちに向き直った。

 

「夕飯の準備で忙しくなるって言うのに……面倒起こさない、で!」

 

御札と霊力弾で妖怪達を一掃する。数も少なく、一体一体はひ弱な妖怪ではこの程度ね。

 

「さてと、もう出てきていいわよ」

「あぁ、ありがとな……」

 

樹の陰から顔を出して様子を窺っていた外来人が出てきた。

顔は整っていて、幼さが抜けて大人の顔つきになったくらい、背丈は私より高く、少し年上かもしれない。

などと珍しくもない外来人を観察していると、急に外来人が私の後ろを指さし叫んだ。

 

「っ!? 危ない!」

「えっ?」

 

見た目に反してひ弱な妖怪と舐めていた。仕留め切れていなかった1体が、死骸の山から私に飛び掛かってきた。

それでも冷静に札を取り出し、トドメを刺そうとしていた私の頬を光の弾が掠めた。

 

「ギャイン!」

 

弾は正確にまるで追尾機能でもあるかのように、飛び上がっていた妖怪の急所を直撃し、妖怪は今度こそ死んだ。

私は一瞬、茫然と立ちすくんだ。目の前で妖怪が死んだ事に驚いたわけじゃない。

妖怪を退治した光の弾がありえないものだったからだ。

 

「嘘? 今の……私の?」

 

そう、あの弾は私の霊力で作られた弾。世界で私しか使えない霊気弾。

誰が放ったのかと後ろを振り返ると、そこには青い瞳を輝かせた外来人が右手を突き出して立っていた。

 

「今の、あんたが撃ったの?」

「…………」

「答えて、あんた何者?」

 

無言の外来人に札を構え、2度問いかけたが反応はない。

 

「………ぅ」

 

外来人は瞳の色が元に戻り倒れてしまった。

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

倒れ込んだ外来人に駆け寄り、私は思った。

 

――あぁ、きっとこれからとんでもなく厄介な事が起こりそうね。

 

 

続く




亀更新になるかもしれませんが、話の筋は出来てるので必ず完結させます!

誤字脱字があれば指摘お願いしますペコリ(o_ _)o))

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