「今から校内新聞をつくる人間をこの中から一人決めたいと思う。」
「校内新聞・・・?」
先生の言葉に男子全員がため息をつく。
「でだ、さっそくだがこの中で誰かやりたいやつはいるか?今立候補すれば即決だぞ?」
「新聞ねぇ・・・・・」
教室を見渡しても誰も立候補なんてするやつはいなかった。まあこんな面倒な役、自分からやりたいなんて言い出すキャラは少なくともこのクラスにはいないだろう。
「なんだいないのか。だったら不本意だが強制的に私が指名させてもらう。おい野比。」
「???」
先生はのび太に視線を向ける。
「今回はお前に担当してもらう。」
「な、なんで僕なんですか?」
いきなり指名されて慌てるのび太。
「なぜと言われても困る。私は先に不本意だが強制させてもらうと言ったからな。今さらお前に否定権は無いぞ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
先生の言い分にのび太はため息をつき、頭を抱える。そもそもストレートに自分が指名されたのが納得いかなかった。
「まあいいじゃん。どうせ誰かがやらなきゃいけないことなんだし。」
「きゃあ、のび太さん。がんばって!」
そう言いながらジャイアンとスネ夫はのび太をバカにする。
「なんだ野比、そんなにやりたくないのか?せっかく私が気をきかせてやったと言うのに。」
「???」
問答無用で指名しといて気を利かせるも何もあったもんじゃない。
「新聞は各学年2名ずつでつくることになっている。つまり新聞作りはお前一人でやる訳じゃない。」
「え?じゃあまだもう一人決めるんですか?」
「いや、もう一人は既に決まっている。昨日立候補したやつがいるからな。」
するとジャイアンが慌てて口を開く。
「え?先生っ!!それって女子ってことですか!?」
「ああそうだ。お前らの大好きなクロメが元気よく立候補した。」
「えっ!?」
のび太が振り向くとクロメが嬉しそうにこちらに手を振っていた。先生の言葉に男子たちは声を上げる。
「ちょっと待ってくれ先生!それ先に言ってくださいよ!!」
「お、俺やります!!のび太の代わりに俺立候補しますよ先生!!」
「馬鹿お前何調子こいてんだ!先生っ!俺も立候補します!!」
クロメとペアになりたいがために、次々と後出し立候補者が続出する。すると先生は笑いながら口を開く。
「残念だったな。クロメは野比をご所望だ。つまりお前らは全員振られたことになる。諦めろ。」
「そんなの当たり前じゃないッスか!!二人ペアになるのに婚約者指名しない子なんて普通いませんよ!!」
「だーから最初に立候補者はいないかって聞いてやったんだろう?お前ら本当にチャンスを棒に振るのが好きだな、はっはっは!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まあそう言うわけだから、二人で頑張ってくれ。学園内はどこでも好きに取材していいからな。」
それだけ言って教室を出て行く担任。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
クラスメイトからは嫉妬にまみれた視線が飛んでくる。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ