アカメVS 静香
「いててててて・・・・・・・っ。」
ナレーション:瓦礫の山から何とか起き上がるロミオ。身体中を打ってもうフラフラ状態。
「ロミオ様!」
ナレーション:そこへ心配そうな顔をしたジュリエットがやってきた。
「よかった。私を置いて先に行ってしまったかと思ったわ。」
アカメはのび太の手を取ると、そっと寄り添ってきた。
「愛しいジュリエット。君を置いて僕がいくわけなんてないだろう。(ん?)」
するとのび太は何か違和感を感じた。何か変だ。さっきまで一緒にいたアカメと何かが違う。
「そうね、愛しいロミオ。そんな貴方だったから、私は恋に落ちたの。」
この先は、追加されたキスシーンだ。
(落ち着け・・・あくまでフリだからな。時間がなくて打ち合わせもしてないし、アカメの演技力にすべて任せればいい。)
心臓が早鐘のように鳴り響き、今にも胸板から飛び出してしまいそうだ。つややかな唇から目が離せない。
「・・・・じっとしててね。」
のび太にだけ聞こえる声で、そっと囁いてくる。息をのみつつ、なんとか頷く。
「・・・・・・・・・・・。」
吸い込まれそうなほどの大きな瞳には、ロミオを演じているのび太が映っていた。のび太の瞳にも、ジュリエットを演じているアカメが映っているんだろう。
「ん・・・・」
のび太の顔を映している瞳がゆっくりと閉じていく。アカメが身を乗り出す気配を感じて、のび太もゆっくり目を閉じた。
(これでおしまい。すべきことはすべてやり遂げた。後はアカメに任せてーー)
「ロミオ!!」
「???」
突然後ろで声がした。振り向くとそこには、
「えっ!?アカ・・・・・じゃなくて・・・ジュリエット!?何で?」
ジュリエットが立っていた。
ナレーション:これは、どうしたことだ?ジュリエットが二人、どうなっているのでしょう?
(どうなってるんだ、こんなの台本にないぞ。)
もう一人のジュリエットの登場に混乱するのび太。
「・・・・大好き。」
「えっ?」
ちゅっ
あたたかで柔らかくて・・・触れた部分から熱が広がってくる。
(え?えっと?あれ・・・・??)
「ちゅっ、ちゅぷ・・・」
のび太の唇がジュリエット(アカメ?)の唇で塞がれた。
(ちょっ、ちょっと!待って!待て!!)
その光景に観客は呆然とする。
「なッ、なッ、なぁッ…………!?」
ジュリエット(アカメ)はワナワナと震えだす。ぷはぁ、と口を離すジュリエット(アカメ?)、二人の口に銀色の橋が架かり、なんとも淫靡な光景になっていた。
「・・・・やっとできた。」
はぁ・・・・という熱っぽい吐息を残し、ジュリエット(アカメ?)が静かに離れる。
(いま、キスしたよな!?確実に唇がふれたよな!!?)
もう確かめようもない感触を、慌てて振り返る。ほんの数秒前なのに、記憶があやふやなほど衝撃すぎて。ぐるぐると思考だけが同じ場所で何度も巡っていく。時間が止まったかのように感じるほど長くてーーーー。
(え?えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜っっッ!!!?)
するとジュリエット(アカメ?)の周囲を煙が包みこむ。煙が晴れると、そこには
「フッフッフ。いただきだにゃーん♪」
見知った顔が立っていた。
「『チェルシー!?』」
チェルシーは腕を伸ばすと、
「やっぱり我慢は体に毒だね。まぁ、恋は戦争だし。早いもの勝ちだよね。うん、あたしのび太を奪う事に決めたから。アカメちゃん!つまりあたし達はこれからライバルッてことになるねっ!改めて、よっろしくぅっ!!それじゃ、これからは隙あらばガンガン仕掛けるからね。」
チェルシーはのび太の腕を掴むと
「さっ、行こう。」
「えっ、あっ、ちょっと・・・・。」
走り出した。
「それじゃあね、アカメちゃん!」
残されたのは、いまだ呆然としたままの観客と、
「なッ、なッ、なぁッ、なんでだぁぁぁッッッッッー!!!!!」
大絶叫を上げるアカメだけだった。
勝者:チェルシー
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
-
チェルシー
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シェーレ
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レオーネ