ドラえもん のび太のアカメが斬る！

第五章：オーディションを斬る

「そのコトバ・・・・・たしかにちょうだいしました。 ただひとこと、ぼくを鯉びととよんでくれたなら、 そのことはこそあしきせんめん、 きょうからはもう、ぼくはロミオでなくなります。」

クスクスクス

ジャイアンの演技にクラス全員が笑いを堪える。

「お嬢さん僕と一緒に踊らない？」

クスクスクス

「変な顔！」

「何、あのメイク？」

スネ夫の顔にクラス全員が爆笑する。

「何だよ、ハリウッドのプロ用メイクだぞ！」

（もうすぐだ・・・・。）

アカメは椅子に座りながら自分の出番を待っている。

（大丈夫、あれだけ練習したんだ・・・・・。落ちるわけがない・・・・。）

元殺し屋とはいえ、人前に立つのはやっぱり恥ずかしい。

ドクン

ドクン

（どうしよう・・・・ドキドキしてきた。）

「うまいわね〜！！」

「流石源さん！！」

緊張の余り他人の声が全く頭に入ってこない。

（苦しい・・・・心臓が喉から飛び出しそうだ！！）

「次は誰かな？」

（・・・・・・・・・・・・。）

「・・・・・ねえ・・・・ちゃん・・・・」

薄っすらと聞こえる誰かの声。

「お姉ちゃん！！」

「！？」

「お姉ちゃんの番だよ！」

「えっ、あっ、ああ・・・・。」

アカメは急いで立ち上がるが

ギー

ガシャ

ギー

ガシャ

手と足が同時に動いている、まるで一世代前のロボットだ。

クスクス

クラスメイトたちはアカメを見るなり笑い出す。

「・・・・・・・・・・・・・・。」

黒板の前に来るとアカメはそのままうごかなくなる。

（お姉ちゃん、頑張って！）

クロメの願いとは裏腹にアカメの視界ははっきりしていない。頭の中も真っ白であった。

「/////・・・・・・・・・・。//////」

「どうしました、アカメさん？どうぞ、始めてください！」

「あっ・・・・・あっ・・・・・。」

教師の指示に口を開くアカメだったが言葉がうまく出てこない。すると

ガラン

「すいません！遅れました。」

教室の扉が開き、のび太が入ってくる。

「野比、今までどこに行ってたんだ！？」

「すいません・・・・。お昼休みにトイレに行ったんですけど、鍵が壊れてて閉じ込められてたんです。」

「あははははははっはははは！！！」

のび太の言葉にクラス全員が笑い出す。すると

「ぷっ・・・フフフフフ・・・・アハハハハハ。」

アカメは思わず笑い出す。その光景にクラスメイトたちは

「アカメちゃんが笑ってる・・・・。」

「嘘・・・・・アカメちゃんのあんな顔初めて見た。」

「可愛い・・・・・・・」

「あんな顔も出来るんだね。」

するとアカメの表情が変わる。それはまるでナイトレイドにいた頃のような真剣な顔。

（のび太、見ていてくれ！！）

その様子を嬉しそうに見守るのび太。

（アカメ、頑張って！！）

「葬る！！」