ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第七章:教育係を斬る

「あー、なんてかたい柱だ!!早く切れろ !!」

 



ノコギリを手に今まさにこのアジトを破壊しようとしている、のび太。

 


「みんなが起きてくる前に何とか壊さないと。あいつ、 毎日 僕をボコスコ殴って。僕からの仕返しだ!!」

 

あれから毎日雑用させられる毎日に、のび太の心は疲れ果てていた。



 

「アジトがなければ掃除もしなくていい。ざまーみろだ。」

 



笑みを浮かべながらノコギリを動かしていると。

 

ガッ

 

「???」

 

突然 腕を誰かに掴まれる。

 

「驚きだな。最近のシロアリはこんなに大きいのか。」

 



のび太の腕を掴んだのは、彼の教育係の少女、アカメ。

 

「朝の訓練をサボるためにアジトを破壊するとは。史上空前のうつけ者だなお前は。」



 

「う、うるさい!!こうでもしないと休めないでしょう!!毎日毎日バカみたいに雑用や訓練ばっかやらせて!!! たまには休ませてよ!!」

 

「私たちは殺し屋だ。毎日 訓練するのは当然だろ。」



 

「僕は殺し屋じゃない!! やりたいなら一人でやってよ!!」

 



のび太は怒りに満ちた形相で言い放った。



 

「もう我慢できない! 勝負だ 、アカメ!!僕が勝ったら訓練は廃止だ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 



ドガン

 

ガス

 

バタン


 

アジトに物凄い音が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後。

 

「くっそ~~~~~~~~~ !! なんで勝てない~~~~~~~~~んだよ!!」



 

のび太は顔中傷だらけで鼻血を出している。

 

「まだ当分私には勝てないな。今のお前には殺し屋としての欠点がざっと 288こはある。」



 

その言葉にのび太は

 

「たった288こ!? 教えて!! 今すぐ!!」



 

声を上げる。

 

「前向きな奴だ。一つ目、 目上の者への口の利き方がなってない。」



 

「失礼しました アカメ様。ニつ目は何ですか?」



 

「ニつ目、せっかく作ってやったピーマンの炒め物をいつも残す。」

 

「・・・・・・おい。単なる僕への日々の不満だろそれは。」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻ると、のび太はベッドに横になる。

 

「強くなりたい。力が欲しいな〜っ。」

 

カチャ

 

「ん?」

 

 

振り向くと、そこには小さい紫の箱があった。

 

「E・S・P訓練ボックスだ。前に使ったことがあるぞ。これを使えば、超能者になることができるんだ。」

 

E・S・P訓練ボックスー念力、透視、瞬間移動の3つの超能力を使えるように訓練するための道具。この道具に向かって念じることでそれぞれの能力が使えるようになるが、毎日3時間ずつ3年間訓練しないと一人前にはなることができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・一所懸命思ってるのに・・・・・。うーん。」

 

空き地でE・S・P訓練ボックスと睨めっこするのび太。これは念力の特訓なのである。

 

ジイー

 

「う〜ん。」

 

未だにE・S・P訓練ボックスと睨めっこするのび太。そこへ、

 

「この箱がどうかしたのか?」

 

「!!!」

 

顔を上げるとそこには、茶髪で翠眼の少年がいた。

 

「話しかけた!気持ちが乱れた。」

 

「???」

 

「もう少しで上手くいくところだったのに・・・・・・。」

 

「何が?」

 

「超能力さ。」

 

「超・・能力・・・?」

 

「テレキネシス、念力だよ!手を触れずに物を動かしたりするの。」

 

「プッ。」

 

すると少年は腹を抑えて笑い出した。

 

「アハハハハハ。よせ、よせ、そんなことできるわけないだろ!」

 

少年の反応にのび太は、眉間にシワを寄せる。

 

「・・・・・・・・・君、誰?」

 

「ハハハハハ。あっ、悪かった。俺はタツミ。」

 

「僕は野比のび太。」

 

お互いに自己紹介をすると、のび太はE・S・P訓練ボックスの方を向く。

 

「よーし、見てろ!今からこの箱を手を触れずに動かしてやる。じーっ。」

 

するとE・S・P訓練ボックスが少しだけ宙に浮いた。

 

「おお、凄い浮いてる!」

 

「うーん。」

 

「頑張れ!落とすな。しっかり、もう少しだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タツミはのび太の特訓にのめり込んでいく。

 

「だんだん、重くしょう。次は・・・。」

 

数時間前、超能力を笑っていた人間とは思えない入れ込みようである。

 

「ちょ、ちょ、ちょっと一休み。」

 

「しょうがないな。」

 

二人はその場に座り込む。すると街の中央広場が騒がしくなる。

 

「何の騒ぎだろう?」

 

行ってみると、十字架にはりつけにされている人たちがいた。

 

「これは・・・・!?」

 

「帝国に逆らった人間の公開処刑。帝都ではよくある事だ。」

 

「な・・・なんて酷いことを・・・。」

 

「ああいうことを平気でやるのが今の大臣・・・世継ぎ争いで今の幼い皇帝を勝たせたキレ者だ。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
  • 梨華
  • なつみ
  • その他

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