ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第二十四章:チャンスを斬る

「何で・・・狙いを外したの?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

クロメは怒りながらのび太を見上げる。

 

「私を殺すチャンスだったのに・・・」

 

「そんなことできないよ。」

 

「!!!」

 

クロメは起き上がると、

 

べシッ

 

のび太の頬をビンタする。ただのビンタではない。今までで最も重い一撃である。

 

「それじゃあ、どうやって大臣を倒して、この国を革命するの!!」

 

クロメは尻餅をついたのび太に声を上げる。

 

「そんなの人間の勝手じゃないか!!」

 

「今、この国が腐敗・・・・民が苦しんでいるんだよ!」

 

「こんな所に住まなければいいんだよ!」

 

するとのび太は泣き出す。

 

「こんな世界で必死に生きてる人間を殺す権利なんて誰にもないよ。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

バッ

 

クロメはいきなりのび太を連れて、その場から走り出す。

 

ズドン

 

「な・・・なんだ!?」

 

先程立っていた場所に何かが降ってきた。周囲に散っていた砂がはれると

 

「私が相手だ・・・・新しい拷問を試してやる!」

 

「エスデス・・・・。」

 

運悪く頭上から現れたのは帝国最強の将軍、エスデス。

 

「久しぶりだな。」

 

(どうしょう。・・・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太はエスデスを睨みつける。

 

「タツミの言った通り・・・・・なかなかいい目だ。私の前でも恐れない・・・・お前何者だ?」

 

 

「またタツミか!?あいつは一体!?」

 

「知らないのか、お前?帝都の人間は皆、知ってると思ったが・・・・・。」

 

「???」

 

「タツミは人間じゃない。もちろん将軍でもない。」

 

「!?」

 

エスデスの言葉にのび太は眉間にシワを寄せる。

 

「言うなれば、神だ。」

 

「神?」

 

「我らの神がお前のような奴に目をかけている。私には到底それが理解できん。」

 

エスデスは日頃の鬱憤をのび太に打ちまける。タツミが自分に振り向いてくれないのは、のび太のせいだと。

 

「お前をここで殺すのは簡単だ。だが、チャンスをやろう。」

 

「チャンス?」

 

エスデスは持っていた剣を放り投げる。

 

「1分やろう。1分以内に私に触れる事が出来たら、見逃してやる。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「ただし出来なかったら・・・拷問室に来てもらう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ・・・・・・ハッ・・・。」

 

肩で息をするのび太。

 

「あと三十秒。つまらん男だな、お前。」

 

ブォ

 

スッ

 

「あたらない・・!!当たれ!!当たれ!!」

 

スッ

 

エスデスはのび太の背後をとらえた。

 

「これで・・・二回、後ろをとられたぞ。」

 

「!?」

 

のび太は振り返る。

 

「その程度では体どころか影も踏めないぞ。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「私は帝国イエガーズ作戦参謀のエスデス。負けることは決して許されない。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「私はいつでもタツミの側にいる。あの男はいずれこの世界そのものを自分の物にするだろう。」

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
  • 梨華
  • なつみ
  • その他

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