「ありがとうございましたー」
もう何人目か分からない客に声をかけ、そろそろ閉店の準備を始めるチェルシー。
「ホントにこんな時間まで客いるんだな・・・・・・・」
時刻は既に8時半を回り、チェルシー以外のスタッフ達も店内の片付け作業に入っている。
「・・・・・・・僕、こんなところで何してんだろう。」
夕方、のび太が店に足を運ぶのは迷惑じゃないと言ってきたチェルシー。バイトに行く直前も少し寂しそうな顔をしていたので、どうも今日一日それがのび太の頭から離れない。
「それじゃ、お疲れ様でしたー。お先に失礼しまーす。」
「ん?」
仕事が終わったのか、チェルシーより先に一人の店員が店から出てくる。そんな彼女を待っていたのか、少し離れたところから手を振っている彼氏らしき人物が一名登場。
「偉いなあいつ、こんな時間にまで彼女の送り迎えか。」
疲れた表情も吹き飛ぶ勢いで、待っていた彼氏に飛びつく彼女。そのまま笑顔で手を繋ぎ、中むつまじく駅前の方へ並んで歩いて行く。
「仲良いな・・・・・・・」
そんな二人の後ろ姿を、少しだけ羨ましそうな目で見ているチェルシーがいた。そんなチェルシーの表情を見て、昼間言っていた寂しそうなチェルシーの言葉を思い出す。
『最近バイト前になると、少しだけ寂しくなるの・・・・・・』
『またクレープが食べたくなったら気軽に顔出して?』
「そっか・・・・・・・そうだよな・・・・・」
今となって、チェルシーの考えていることになんとなく気がついた。なんでこんな簡単なこと、チェルシーが寂しい思いをする前にちゃんと気づいてやれなかったんだ。
「チェルシー!」
「っ!え・・・・・?」
突然声をかけられ、チェルシーは振り向く。
「と、突然どうしたの?のび太がこんな時間にここに来るなんて・・・・・・」
「チェルシーを迎えに来た。」
「え・・・・・?」
いつもバイトが終わるとこの暗い時間に一人で帰るチェルシー。バイト仲間の彼氏は迎えに来て、自分の彼氏は迎えに来ないなんてチェルシーに取ってみれば普通に羨ましく見えるのは当然だ。
「もうバイト終わるんでしょう?早く着替えて用意してきて?」
「あ、うん・・・・・ごめんちょっと待ってて。」
店の奥に入って行くチェルシー。片付けもほとんど済んだのか、店長に頭を下げてすぐに着替える。
「ご、ごめん!お待たせ、はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
「き、着替えるの早いね。」
「だって、一緒に帰りたかったから・・・・・」
少しむくれて赤くなるチェルシー。照れながらもさっそくのび太の手を握ってくるチェルシー。のび太はその手をあえて一度離し、チェルシーの肩を軽く抱いて自分の方へと引き寄せる。
「あっ・・・・・・」
「手を繋ぐより、こっちのが良いでしょう?」
「う、うん・・・・・・・」
目と鼻の先にはお互いの顔。チェルシーものび太も、そのまま自然な動作でお互いの唇を重ね合う。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ