数日後。いつものように夕食を食べていると、チェルシーがのび太に問いかける。
「そういえば・・・・のび太はどう思ってる?」
「ん、何が?」
「のび太は私の事・・・・・どう思ってる?」
「え・・・・・?」
突然の事なので言葉に詰まる。しかし、それも束の間。
「もちろん、かけがえのない存在だよ。」
「ううん、そうじゃなくて・・・・・」
「???」
「その・・・・・だから、なんて言うか、もっと簡単に・・・・」
「簡単って・・・・大事に思ってるとか?」
「だ、だからそうじゃなくて、ほら・・・・男と女で言うと。」
「さっきから何を言ってるの?」
「もういいよ!」
チェルシーは怒りながら食席から立ち上がると、部屋に戻って行った。
「ははは、まったく面白いな、二人とも。まあ、ケンカはわかるけどな。」
「そうね。私たちも似たようなケンカをしたことがあるわ。」
チェルシーとのび太の様子を見て、のび助と玉子は笑みを浮かべる。
「どうしょう?」
解決策が分からないのび太は声をあげる。
「そのうちわかるわよ。」
いい加減な返答を返す。家族が困ってるというのに随分薄情だ。
「うわぁ、教えてくれたっていいのに。」
ドラえもんもたまらず声を上げる。
「別に教えるほどのことはないぞ。答えなんて無いんだから。」
「だって、パパとママは一度経験あるんでしょ?せめてその時はどうだったかくらい教えてくれたっていいじゃない。」
「聞いたって意味は無い。答えなんて人それぞれさ。のび太やチェルシーちゃんが思うよう行動すれば、物事はいい方向に転ぶんじゃないの?」
「いい加減だなぁ・・・・・・まったく。まあ、明日になれば、お互いに落ち着いているとは思うけど・・・・・」
「でしょう?だったらいいじゃない。気にしない、気にしない。」
そして次の日、いつものチェルシーに戻ってる、と思っていた。が、現実はそうではなかった。チェルシーは、のび太と顔を合わせると、まるで逃げるように去っていくのだった。表情を見るに、怒っているという訳ではなさそうだが、バツが悪そう、という風に見える気もするし、のび太のことを蔑んでいるようにも見える。
(ったく。パパもママも、昨日話を聞いたんだから、何か気の利いたことを言っておいてくれたらよかったのに。そしたら、「ごめんね、のび太。私が悪かった。許してね。」ってことになって、一番早いのに・・・・・。)
仕方ない。向こうから謝ってくる線はまずなさそうってことで、今回は自分の方から謝るとしょう。
「チェルシー」
しーん。
チェルシーはさらりと身を翻して避けられてしまった。見事に、意図的な無視を決め込まれてしまった。信じられない。天変地異の前触れか。
「・・・・・・・・・・。」
結局、朝から昼休みまで、チェルシーとは一言も口を利いていない。目の前のジュースに入った氷がカラリと揺れる。
「はぁ・・・・・・・」
思わず深いため息をついてしまう。そしてそんな二人の様子を男子生徒たちはニヤニヤしながら眺めるのだった。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ