そして次の日の登校時間。
「う〜ん。最近いい天気が続くね〜。梅雨の季節なのにね〜。」
「そうですね・・・・・」
「なに、元気ないね。朝なんだから、もうちょっとシャキっとしなよ。シャキッと。」
「僕のことはこの際どうでもいい。」
「ん?なあに?」
「・・・・・・・・・。」
知ってるくせに。のび太は、無言でチェルシーを睨みつける。
「はい。」
のび太は交換日記をチェルシーに手渡し、チェルシーは無言でそれを受け取る。
「ありがとう。また渡すからね!」
「まだやるの、それ。」
「当たり前だよ!というかまだ1回目だよ!」
正直内容が内容なだけにやりたくない。だがチェルシーは、のび太に半端強引にやらせようとする。
「ねぇ、チェルシーが書いた内容だけど・・・・・」
日記の内容がどこまで本気か分からない為、のび太はチェルシーに問いただそうとする。だが・・・・・
「おはよーっす!のび太!チェルシーちゃん!」
「じゃ、じゃ、じゃ、じゃ、ジャイアン!」
突然背後からジャイアンが挨拶をしてきた。
「じゃ、じゃ、じゃ、って俺は水道じゃねんだ!というか、チェルシーちゃんと一緒に登校とはお安くないな。」
「なんだよお安くないってのは。一緒に登校しているだけだよ。」
明らかに挙動不審なのび太に比べ、チェルシーは堂々としていた。
「あはははは、そうだよねー、一緒に登校してるだけだよねー。交換日記は始めたけど。」
「ん?」
チェルシーが呟いた『交換日記』と言う言葉にジャイアンは首を傾げるが、のび太が急いで会話に割って入る。
「なんでもないよっ!なんでもっ!それより今、学校のチャイムが鳴らなかったか!?」
「なにぃっ!?もうそんな時間か!?」
三人は急いで学校へと走った。
そして数分後、学校に着いた。
「おはよ〜」
上機嫌で静香に挨拶するチェルシー。
「おはようチェルシーさん。今日も、チェルシーさんと一緒なのね。」
静香はチェルシーとのび太の姿を交互に見る。
「い、一緒に登校しただけだよ!」
「ふぇ!?え、ええ・・・・・そう?」
いきなり声をあげるのび太に静香は驚いた。そんなのび太を見て、チェルシーはクスクス笑う。
キーンコンカーンコン
「はぁ・・・・・・今日は疲れた・・・・。帰ろう・・・・・」
チャイムが鳴り、放課後になった。のび太は急いで帰り支度を始める。
「のび太ー。帰るなら一緒に帰ろう。」
「嫌だ。」
「一緒に下校するくらい今日がはじめてってわけじゃないじゃない。」
「僕は一人で帰りたいの。」
「あ!それと。はい、これ!」
チェルシーは交換日記をのび太の前に差し出す。
「!?」
のび太は急いで交換日記を取る。
「ちょ、何して!」
「どうしたの?」
「(どうしたのじゃないよ!交換日記の事がバレるでしょうが!)」
「(別にノートを手渡すくらい不自然じゃないじゃない。のび太がうろたえすぎなんだよ。)」
のび太は呆れる。元殺し屋とは思えないセリフだ。
「(大丈夫、大丈夫。私が大丈夫って言ってるんだから絶対大丈夫だよ。安心して?)」
「(安心できるかっ!?」
「のび太さんとチェルシーさん、なんのお話ししてるんだろう?」
「密談・・・・・・蜜談・・・・・とろりと甘く濃厚なハニートーク。」
「つまりハニートーか。エロいな。」
「エロいわね。」
「字間違ってるよって、つっこんじゃダメな雰囲気?」
のび太は鞄を背負うと、そのまま教室を出て行った。
「待ってよ!」
そしてチェルシーが後を追いかける。
(チェルシーも僕なんかに構ってないで、さっさと彼氏でもつくればいいのに。)
事実、チェルシーはアイドルが裸足で逃げ出すほどのトップクラスの美貌を持つ少女だ。周囲からも高嶺の花として認識されている。そんな彼女からのお誘いとくれば、九割九分の男は一も二もなく首を縦に振ること間違いなしといえよう。ただ残念なことに、彼女が付き合いたいと思っている相手は残りの一分にあたるのである。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ