「のび太。今度の日曜日、どうするんだ?」
「え?日曜日?」
いつものように、どちらが言い出すともなく一緒に帰る。この季節の風は冷たく、私たちは温かさを求めて手を繋ぐ。手を繋ぐと、手だけでなくなぜだか身体中が温かくなる。
「ごめん、日曜日はちょっと用事があってさ・・・・・」
「大事な用事なのか?」
「いや、大切っていうか・・・・・その・・・・・・いや大切な用事かな。」
「そうか。」
「ま、まあ、別にそんな全然会えてないとかそういう訳じゃないんだから、許して。」
「そうか。忙しんだな。」
「ごめんね・・・・・・・・・・・・」
「大丈夫だ。家に帰れば、会えるわけだし。」
そう言っても、やはり一日二人きりでのんびりできる時間がなくなるというのは少し寂しい。それにしても「大切な用事」ってなんだろう。いつもなら、簡単に説明してくれるのに。なぜか今日に限ってはわざとぼかしてる感じがしてそれ以上聞くのが悪い気がした。というより、なんだかのび太のことを疑っているような気がして少し怖かった。
私たちは唐揚げを買って食べながら、てくてくと公園を歩く。バス亭まで行く道を少し遠回りで話をしながら帰るのが毎日になっていた。
「え?何か言った?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
私は話をもう一度かいつまんで教えると、のび太はくすりと笑った。私は続きを話し始めたけれど、のび太はそうも相づちを打つだけで、あまり話に乗ってこなかった。相づちも時々する具合で、たまに「え?」と聞き返すこともあった。
「のび太、何を考えている?」
「別に何も考えてないよ。」
「もしかして、私と一緒にいるとつまらないか?」
「そんなことないよ、アカメと一緒にいると楽しいよ。」
のび太はそう言って笑って、とってつけたように話を広げ始めた。それはそれで面白かったけれど、のび太がぼうっとしていたのは間違いではなかったと思う。その度に気にしすぎだろうと思うようにはしているけれど、心のもやもやはどうにもすっきりしなかった。微妙にのび太との温度差を感じつつも、私は逆に未だにこんなにのび太のことが好きなんだなと実感していた。のび太は私のことをどう思ってるんだろうか。つないだ手から伝わる温かさはずっと変わらないけれど、のび太の心も私の心のように温かくなっているのだろうか。
「・・・・・・・・・・・。」
いつもと変わらない日常のはずなのに、今日はなんだか少し寂しく感じてしまった。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ