「のび太・・・・?」
「クロメ・・・・?」
しばらく何が起きたのかわからなくて、のび太もクロメも呆然としてしまった。
「僕は、あっちを捜すから、クロメはあっちを!」
「うん、わかった!」
目の前でいなくなったというのにもかかわらず、のび太はツクモが消えてしまったとは思えなくて、クロメと手分けをして、いなくなったツクモを捜した。雪の降る公園の中を二人で捜したのだが、ツクモの姿はどこにもなかった。本当にツクモは消えてしまったのだろうか。目の前で起こったことを、信じるしなかないのだろうか。
ーーぶるるっ。
雪は次第に強さを増していた。
「帰ろう。風邪を引いちゃう。」
のび太は、肩や頭の上に積もっている雪を払い落とし、そう言った。クロメは無言で頷いた。のび太は、降り続ける空を見上げた。
「クロメーー」
「うん?」
「ツクモは、帰ったんだよ。きっと・・・・・」
「うん・・・・・・」
「大好きなパパとママのところへさ。」
「そうだね。だって、ツクモ笑ってたもん。」
のび太はクロメの手を引き、公園の出口に向かう。静かに降る雪の中を、肩を寄せ合って歩く。まだ、のび太たち二人の間に、ツクモがいるような気がしていた。でも、ツクモはもういない。ツクモは自分のいるべき場所へ帰っていったのだ。
「『「『「『「おかえり、二人とも。」』」』」』」
その後、帰宅した彼らをドラえもんたちは笑顔で出迎えたのであった。
そしてその夜。
「のび太、起きてる?」
突然襖の反対側から声がした。
「クロメ・・・・?どうかした?」
襖を開けると、そこには寝巻き姿のクロメがいた。
「のび太・・・・、今日、のび太と一緒に寝ていいかな?」
クロメが頬を赤くしながらそう言った。
「え、そ、それは・・・・・・・」
「ダメ?」
さらに上目使いになった。そんな彼女にのび太は・・・・・・。
「ツクモって、本当は私たちの子供だったりして。」
のび太に寄り添いながら、クロメがそう言った。
「本当・・・・・って、それヘンじゃない?」
「未来から来たんだよ。」
「う〜ん、未来って言われてもしっくり来ないな。」
「でも、目の前で消えちゃったし・・・・・。アレ、現実だよね?」
「それは・・・・・・多分ね。」
「だから、未来っていうのもアリだよね。」
「アリ、なのかなぁ。てことは、僕とクロメは結ばれるってことなのかな。」
「あれれー?少なくとも、私はずーっとのび太と結ばれたくて一緒にいるんだけど?」
クロメが意地悪そうに笑う。
「そうだったね・・・・・・・ありがとう、クロメ。」
好きだから、一緒にいたい。好きだからキスをする。好きだから触る。好きだから信じ合う。クロメはのび太の腕に抱かれながら、呟いた。
「愛してるよ、のび太。」
のび太とクロメは幸せいっぱいで眠りについた。だが、すぐにこの幸せが跡形も消えてしまうことを、彼女たちはまだ知らない。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ