「そ、それ・・・・どこの子?」
突然後ろで声がする。振り返ると、そこには・・・・・・
「え、あ、わ、く、クロメ!?」
そこにいたのは、クロメだった。今、一番会いたくない人物だ。クロメは、訝しそうな目でのび太を見、にじりと後ずさりをしている。
「ゆ、誘拐?」
「んなわけあるかー!」
「まさか、食べるとか?」
「食べるかーッ!意味の取りようによっちゃ、そっちもヤバイ〜!」
半分、ギャグともつかない突っ込みを受けながらのび太は、小さな少女を引きはがそうとする。
「・・・・・なーんて、親戚かなんかーー」
「あーん、やめてよう、パパぁ。」
「親戚かなんかーーパッ、パパ!?」
クロメの顔に、すーっとタテ線が入る。今度は、本気だ。
「やっ、ちょっと待ってッ!僕がこの子のパパな訳ないだろッ!よく考えろ・・・・・」
のび太は慌てて弁解するが、
「そんな・・・・・・・、のび太が私以外に・・・・・・びえええええええ!!!」
クロメはその場で泣き始めた。
「あっ、ママだぁ!ママー!」
少女は、のび太を離れ、クロメに飛びつく。
「えっ?マ、ママって、ママ!?」
クロメは泣き止み、今度は目をぐるぐるとさせ、未だそう呼ばれたことのない単語に、言葉がしどろもどろになる。
「パパ、ママ、ようやく会えたねー!!」
女の子は、クロメの手を引っ張り、のび太のそばまで連れてくる。
「・・・・・のび太、これはどういうこと?」
クロメがじぃ〜っとのび太を見つめる。とりあえず、冷静になってみて、状況を考える。
「・・・・・・・なんなんだろうねぇ・・・・。やっぱり迷子?」
「パパって呼んでるよ?」
「ママとも呼んでるね?」
これは、一体どういう事だ?改めて女の子を見た。どうも誰かに似てると思ったら、アカメ・・・・いや、どちらかというと、クロメにそっくりじゃないか。
(クロメ、いつの間にこんな子を・・・・・・・。ってムリムリ!こんな5歳くらいの子がいるのは不自然すぎる。いつの子どもだっての!)
少女はキョトンとした顔でのび太とクロメを見つめる。
「パパ、ママ、不思議そうな顔をしてどうしたの?」
「僕は君のパパじゃないよ!」
「わたしもママじゃないよ!」
「そうなんだ。じゃあ、ツクモのパパとママはどこ?」
「君はツクモっていうのか?」
「そうだよ、ツクモだよ。」
「ツクモちゃん、どこから来たの?」
のび太がしゃがみ込み、ツクモまで目線を落とす。
「・・・・・・・わかんない。」
「どうしてここに来たの?」
「だってパパのおうちだもん。」
「クロメ、この子は誰かと僕達を間違えてるみたいだね。」
口に手を添えながらぼそりと囁く。
のび太の結婚相手は?
-
アカメ
-
クロメ
-
チェルシー
-
シェーレ
-
レオーネ