ドラえもん のび太のアカメが斬る！

第四章：囮を斬る

「これからどうする？」

と答えるスネ夫にジャイアンは、

「どうするだって！？決まってんじゃないか！！」

テーブルを叩く。

「『？？？』」

「そいつを俺たちで捕まえるんだよ！！」

「『・・・・・・・・・・・・・。』」

『俺』ではなく、敢えて『俺たち』と表現するジャイアン。どうやら自分たちも手伝わされるらしい。

「友達だろ！仲間だろ！！おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの・・・・・な！！！」

「う、うん。」

ジャイアンの提案を仕方なく承知するのび太。だがスネ夫はおずおずと口を開く。

「あっ、でも・・・・・・僕・・・・これから塾に・・・・・・」

「スネ夫！！！！！！塾と翼ちゃん、どっちが大切だ！！！！」

ジャイアンはスネ夫の胸倉を掴む。

「それは勿論つば・・・・。」

すると今まで黙っていた翼が声をあげる。

「やめた方がいいよ！！あいつは一筋縄じゃいかない！！」

取り乱す翼にジャイアンは

「大丈夫！！」

「えっ？」

自信満々に声を上げる。

「翼ちゃんを怯えさせるようなクズヤローは俺たちが必ず捕まえてみせる！！」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

しばらくして、野比家の居間で楽しく会話する二人の人物。

一人はこの家の長男の幼馴染、骨川スネ夫。そしてもう一人は

「ストーカーは翼ちゃんを狙っている。だから囮を置けば奴の裏をかける。」

ガイアファンデーションで翼に化けたこの家の居候、チェルシーだった。

「『・・・・・・・・・・・・・。』」

「そこを背後から捕まえてやる！！」

そう言いながら意気込むジャイアン。

「でも・・・・・・チェルシーちゃんには申し訳ないな。」

「仕方ないだろう。翼ちゃんがいないとストーカーの顔が分かんないし・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・。」

ザッ

しばらくすると物音がした。

「おい、誰か来たぞ！！」

誰かが野比家の庭に侵入して来たのだ。ジャイアンはタイミングを見計らい

「今だ！！！」

侵入者に飛びかかる。

ドス

ベス

ドコン

激しい揉み合いが続く。そしてしばらくすると

「良し、捕獲完了！！」

ジャイアンがロープで侵入者を縛りあげていた。

「あのさ・・・・・ジャイアン・・・・・・」

「？？？」

大ハシャギしているジャイアンにのび太は申し訳なさそうに声をかける。ジャイアンは恐る恐る視線を下に移すと

「もう武さんたら、せっかくのび太さんに借りたノートを返しに来ただけなのに・・・・・」

グルグル巻きに縛りあげられた静香が泣き出してしまう。

「ごめーん、静香ちゃん！！」

泣きじゃくる静香に慌てて謝罪するジャイアン。

「ちゃんと相手を確かめなくちゃ・・・・・・」