転生者のOO   作:物だよ

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組織名は悩みましたがクロスボーンガンダムから流用しました。


六話

「ああ、やっと通信できるのね。私は、スメラギ。あれから何度もメッセージを送ったのにそれにちっとも反応しないからどうしたものかと思ってたわ」

 

「本当に申し訳ない。しかしこちらはそちらと違っていろいろやることが多くてね」

 

 目の前には呆れてるような、もしくは怒っているようなソレスタルビーイングの面々……いや確実に一人は怒っているな。まあ仕方ないよね。あれから4日も経っているんだから。しかもその間向こうから結構な通信が向こうからかかってきていた。いや私も次の日の夜には通信しようと思ってたんだよ?それがどうよ……次の日会社に行ってみれば新たなガンダムと謎のMSのことで仕事量が増加。それに伴う事務所での連勤……やっと一段落がついて輸送艦までこれたのだ。

 

「言い訳など聞きたくない。こちらから聞きたいことは貴様の所属とMSに関することだ」

 

 言い訳を自分の中でつらつら並べているとティエリアが話しかけてきた。ずいぶんとイライラしてるご様子だ。

 

「あなたは組織で動いているのかしら?」

 

「俺は……そうだな、組織としてはこれから動くつもりだ。組織名も教えておこう。蛇の足だ」

 

 クロスボーンガンダムから組織名は借りてきた。いやいい名前思いつかなかったんだよね。それに今から作る組織にはぴったりな名前だと思うし。

 

「蛇の足……そんな組織は聞いたことがないわ」

 

「それはそうだろう。今まで全く活動していなかったからな」

 

「なぜ今活動を?」

 

「それはあなたたちを助けるためだよ。あんな見え見えの罠でも君たちの理念上武力介入せざるを得ないと思ったからね。急いで助けに行ったわけさ。ま、まだ3機もガンダムがいたんじゃ助ける必要もなかったかもしれないけど」

 

 嘘です。それっぽいことを並べたけど実際はロックオンのところだけスローネ行かないんじゃね?と思ったから急いで助けに行きました。あとこのタイミングくらいで接触しておかないとマジで原作に介入できなさそうだから……

 

「あなたの機体は何なの?スローネと同じ赤い粒子を撒いていたようだけど……あなたの機体も太陽炉を搭載しているの?」

 

「スローネ?それに太陽炉とは?」

 

 知っているけど知らないふり。ソレスタルビーイングに関する組織でもないのに知ってたら話がこじれるからね。時には嘘も必要なのよ。

 

「お前を攻撃したガンダムのことだよ。太陽炉ってのは俺たちが乗ってるガンダムの動力源だ。あとあの時はありがとな。お前に助けられたパイロットだ。ロックオンと呼んでくれ」

 

「無事でよかったよ……本当に」

 

「ロックオン!まだ敵か味方かはっきりしない人物に我々の情報を教えるなど!」

 

「いいじゃねぇか。俺を助けたってことは少なくとも敵じゃねぇってことは確かだ。それにトリニティのやつらよりずっと印象がいい」

 

「それはそうだが……」

 

「でお前さんは味方……と考えていいのかい?」

 

 一期のころのティエリアはやっぱり固いなぁ。まあイノベイドだししょうがないよね。

 

「そうだな。この際はっきりさせておこう。私は敵になるつもりはない」

 

「そりゃ良かった」

 

「……だが今は完全な味方というわけでもない」

 

「なに?」

 

「俺はイオリアの計画には賛同している。しかし俺にも目的があってね。そのためにも今は組織として力をつけたい。これからは私は忙しくなる。だから君たちが助けが必要だとしてもとっさに動くことができない。しかし可能な限りイオリアの計画のため……いや君たちの助けになれるように努力はしよう」

 

 正直俺がむやみやたらに原作介入すると大きな齟齬が生まれそうで怖いんだよなぁ。それに言ったことは本当だし。組織の人員集めとか資金とか……

 

「話が逸れたな……俺の機体は太陽炉は積んでいない。そちらの機体とは別方向に進化した機体だ」

 

「太陽炉でもないのにあれほどの性能……そんなもの聞いたことがないぞ……」

 

 でしょうね、イアンさん。俺の機体は宇宙世紀の中で進化した機体だからなぁ。

 

「質問はそれだけですか?」

 

「そうね……まだまだ聞きたいことはいろいろあるけどお終いにするわ。必要最低限聞きたいことは聞けたからね」

 

 話はこれで終わりなようだ。もっと聞かれるかなと思ってからホッとした。

 話は終わりになったが俺はこれからのためにソレスタルビーイングに頼まなければいけないことがある。

 

「スメラギさん、蛇の足として頼みたいことがあるのだが」

 

「……私たちがそれを聞く理由は?」

 

「そちらを一度助けたんだ。一つくらい頼みをしてもいいのでは?何もそんなに難しいことを頼もうとしているわけではない」

 

「……いいでしょう。今回はそちらの頼みを聞き入れましょう。それで要件は?」

 

「それは……」

 

 

 

 

(私の仮説通り、ガンダムのエネルギー発生機関がトポロジカル・ディフェクトを利用しているなら、全ての辻褄が合う。ガンダムの機体数が少ない理由も、200年以上もの時間を必要とした事も……。あのエネルギー発生機関を作れる環境は木星……しかしあの新しい機体は何だ?これまでのガンダムとは全く違う……ガンダムだけなすべて辻褄が合うのだが……!な……何だ……?)

 

 唐突にパソコンが勝手に文字を打ち始める。

 

{I will go back to you now.〈今、あなたの元に行きます〉}

 

「ん?どういう……ことだ?」

 

「観測室より通達!謎のMSが当基地に向けて凄まじい速度で進行中!全モビルスーツ部隊に通達!」

 

「何と……!」

 

 驚いた次の瞬間窓の外にあのドグウのような形のセンサーを持つ機体がいた。

 

(ここまでか……私は知りすぎてしまったようだ……)

 

「離れていてください。そこにいると危険です」

 

(外部音声?それに離れてとはいったいどういう……私を殺すのではないのか?)

 

 とりあえずいわれたとうりに部屋の後方に下がる。すると目の前のMSは天井を壊しこちらに手を差し伸べてきた。

 

「初めまして、エイフマン教授。突然ですがあなたには俺と一緒に来てもらいます」

 

 




なお主人公が送ったメッセージの数分後に原作のメッセージが届く模様。
遅くなってすみません。

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