転生者のOO 作:物だよ
起動する。初の実戦。シミュレータでの訓練も一通りした。目的はデュナメスの救助。
「あとは自分の力を信じるのみ……ミノフスキードライブ起動!ザンスパイン、発進!」
おお、はやいはやい。もう着いちゃったか。さすがミノフスキードライブ。
さて、一体デュナメスはどこにいるんだろうか。見渡す限り砂漠ばっかりでわかんねぇ……ん?あれはユニオンのフラッグ?しかも編隊組んでその場でとどまってるってことはもうデュナメス包囲されてる?
「やべぇ!」
すぐさま編隊を組んでいるうちの一機にビームライフルを向ける。
「頼むから当たってくれよ」
トリガーを押す。狙った通りにビームは頭部を破壊した。コクピットはあまり狙いたくないね。人殺しってのは慣れたくもないし。このまま撤退してくれりゃいいんだけどさすがに一機だけ狙っても無理だと思って続けて撃つ。
そうしていると相手のフラッグ部隊は最初に狙った一機を庇いながら戦域を離脱していく。これでとりあえずは大丈夫か。さて、久しぶりのニールとの会話だ。ボロが出ないようにしなきゃね。通信をサウンドオンリーにしてと。
「大丈夫か、ガンダムのパイロット?」
「あんたは?」
「俺は……この機体、ザンスパインのパイロットだ」
「ザンスパイン?そんな機体は聞いたことがない。それになぜ俺を助ける?」
「それは……くっ!」
くそ!今から敵じゃないってことを伝えようとしたのに邪魔が入る!どこのどいつだ!俺に向かって撃ってきたのは!?敵が戻ってきたのか?
そう思って撃たれた方向を見る。あるぇ?なんでスローネアインがここにいるの?確かヴァーチェのところに救助に向かったんじゃ……あ、そうだった。確かその後にロックオンの救助に向かってましたね……ん?けどなんで撃ってきたんだ?もしかして俺って敵に思われてる?そう考えているとまたビームが飛んでくる。
「おいおいおい!また、撃ってきやがった!」
とにかく誤解を解かなければ。迫りくるビームを避けながらスローネに通信を送る。するとビームの雨は止みこちらに通信を送ってきた。しかし依然銃口はこちらに向けられたままだ。
「……何者だ?何の目的でガンダムを助ける?」
どうしようかな。何者とか言われても特に考えてないしなぁ。それっぽいこと言っておくか。
「目的か……強いていうなら君たちの計画に賛同したから……だからガンダムを助けた」
「それを本当に信用するとでも?」
「多少は信用してくれてもいいんじゃないかな?じゃなきゃまずこんなとこにわざわざ来てガンダムを助けたりしないよ」
「ふむ……」
どうだ?うまくやれたか?たぶん大丈夫だとは思うが……これが来たのがツヴァイとかドライだったら話し合いの余地はなかったかもしれないけど来たのはあの3人の中で一番まともに話し合うことができる人物が乗っているアインだ。
「とりあえずこの場では撃墜しない。ガンダムを助けたことから敵意はないというのも信じよう」
よし!なんとかなった。じゃあさっさと後でソレスタルビーイングにコンタクトをとるための回線渡して帰りますか!
「信用されてなによりだ。では俺はこの戦域から撤退させてもらう。最後に……ガンダムのパイロット」
「ん?なんだ?……これは秘匿回線?」
「ではまた今度。君たちの計画がうまくいくことを願っているよ」
そうして俺は日本に向け進路をとりとんでいった。
「帰ってこれたぁ……疲れた……」
深夜、ようやく日本に帰ってきた。
実際に戦闘をして思ったことはシミュレータと実戦の違いはなかなか大きいものということだ。なんといっても緊張感が違う。自分の一発で人が死んでしまうのだ。俺は不殺をしようと思っていないがやはり可能な限り人は殺したくない。慎重に狙って行動しなければ……
それにしてもニールは声が変わっていたなぁ。久しぶりに話すから当たり前なんだけど。もっと話したかった……あのテロの後どうやって過ごしていたのか。元気にやっているのか。しかしそれを話すと俺の正体がすぐにばれて俺は殺され機体は接収なんてことになりかねない。俺は部外者なのだ。それに俺は組織じゃない。組織……そうだ!俺も組織を作ろう!そうすればもっと本格的に俺も動けるようになるはずだ。しかしだからといって誰も彼も誘っていたらどうしようもない……というか俺には人脈が新聞社ぐらいしかないから集めようがない……どうしたものか……
考えようとしても疲れからか良い考えが浮かばない。とりあえず今日は寝よう。そして明日に備えるんだ。明日は……仕事じゃん……
戦闘描写難しい……全体的に短くて申し訳ない……