転生者のOO   作:物だよ

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閑話 ヨハン

「初めてだな。面と向かって話すのは」

 

「……」

 

 き、気まずい……

 

 宇宙から地球に戻りひと段落ついたころに、俺は助けたヨハンの様子を見に来ていたのだが、彼はひどくやつれているように見えた。それも仕方のないこと。なんせ世界を変えるためのガンダムマイスターとしての宿命を背負い生まれてきた事を信じて与えられた任務を実行していたところに実際はただの道具に過ぎなかったことを知らされたのだ。

 

「あー……その、とりあえず生きててよかったよ」

 

「生きてて……よかった……?」

 

 ヨハンの目が俺をとらえる。

 

「私は……あのまま死ぬべきだったのだ……この身はガンダムマイスターとしてではなく……ただの都合のいい道具だったのだからな……なぜ私を助けたのだ?私を利用するためか?それともガンダムが欲しかったのか?」

 

「利用って……云い方悪いな。手伝ってくれるんなら手伝ってほしいけど嫌っていうのなら別に無理強いしないよ。ガンダムは……別にどうでもいいかな。あ、太陽炉は欲しいけど」

 

「ガンダムではなく太陽炉だと?それに手伝うとはいったい……」

 

「んー、じゃあ最初から説明していこうか。まず俺はお前を助けたかったから助けた」

 

 そういうとヨハンの目は驚愕に開かれた。別にそんなおかしなことは言っていないと思うのだが……

 

「信じられない……なぜ私をよく知りもしない者が……敵対行為までしたようなものが助けたいと思うのか……利用したがっているようにしか思えない」

 

 あー、そうか。確かにヨハンの視点からすると俺は唐突に表れたイレギュラーで自分たちの作戦を妨げた人物だ、そのうえ碌にコンタクトもとっていないどんな人物かも知らない。それなら俺が利用するために助けたとしか思えないだろう。

 

「信じられないかもしれないけどさ、お前のことは前から知っていたんだよ。お前たちが動き出す前から」

 

「嘘だな……私達トリニティの情報は極秘裏に扱われていた。ソレスタルビーイングのメンバーにも知らされないほどに」

 

「まあそうだよなぁ……けど知っていたからこそお前だけは助けたいと思ったんだよ」

 

「……」

 

「別に知らされるまでは自分が道具とは思っていなかったんだろう?」

 

「ああ……だが実際は……」

 

「ガンダムマイスターとして世界を変革するために闘ってきた。誇りをもってね。その事実があったからこそ俺は助けたんだよ」

 

 あの弟や妹のような性格だったら絶対助けてなかったね!

 

「……ありがとう……少しは救われたよ……」

 

「ちょっとは元気になってくれたようでなにより。それで?これからどうする?」

 

「そうだな……まずはあれからどうなったか教えてくれないか」

 

 というわけで手っ取り早くこれまでのことを伝えることにした。ソレスタルビーイングの壊滅、ヨハン達を操っていた黒幕、大使の死亡。

 

「な、なぜ私達を操っていたものが死んだのだ?」

 

 大使の死亡について理解が追い付かないのか理由を俺に聞いてきたのだど……

 

「MAで出撃してソレスタルビーイングと相打ちのような形で死んだよ」

 

 それを聞くと信じられない様子だった。

 

「なぜ自ら出撃を?そんなことをしなくてもそのMAを各国の兵士に扱わせればよかったのでは?」

 

 その疑問はもっともだ。セルゲイさんあたりにでも使わせておけばもっと国連軍の犠牲者を減らしつつソレスタルビーイングの壊滅に持って行けたと思うんだが……

 

「なんというか……どうも自分で始末をつけたかったみたいで」

 

 そうして俺は大使の野望やイオリアに対する考え方をヨハンに説明する。あとついでに大使も操り人形だったことを言うとヨハンはそんな人物に私は作られたのか、と嘆いている様子だった。

 

「決めたよ。私は貴方の手伝いをしよう」

 

 立ち直ったのかヨハンはこちらを向いてそんなことを言ってきた。

 

「いいの?」

 

「ああ。私で良ければ」

 

「歓迎するよ」

 

 そうして俺たちは手を握り合った。

 

 

「ああ、そうだ。ヨハン、スローネの太陽炉を貰うね。後々また新しく作るかどこかから強奪してくるかそれまでは待っていてくれ」

 

「そういえばガンダムは必要ないが太陽炉は欲しいと言っていたな……いったい何に使うんだ?」

 

「それは……完成してからのお楽しみだ。あ、別に無下に扱うわけじゃないから心配しないでくれ」

 

 




 生存させたはいいけどヨハンの扱いに困っている作者がいるらしい……私です。ヨハンって他の二人より影が薄いかもしれないけどあの中じゃ一番まともでマイスターとしての責務を果たそうと頑張っていたのに殺されてしまったから何とか生き残らせてあげたかったんです……なんかご都合展開過ぎない?てかご都合展開だよね(主に仲間になる展開)と作者である私自身も思います。一応小説はそこそこ読んでいるはずなのですが……やはり小説をただ読んでいるだけでは文章力を鍛えることは難しいということですかね……

 不定期投稿などとタグを付けておりながら最低でも月に一回は投稿をしてきた作者ですが今後はさすがに厳しくなってくると思います。まずパソコンが壊れました。これにより現状家で執筆作業が出来なくなり執筆する場合は近場のネカフェか大学へ向かわなければならなくなりました。さらに作者は今年から就活が始まりそちらにも時間を取る必要が出てきました。待っている方々には申し訳ありません。

 閲覧、感想ありがとうございました。

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