転生者のOO   作:物だよ

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一四話

 ついてない……いや逆についているのか?こいつがまだいるってことはニールは生きてるってことだ。……いや安心するのはまだ早い。確かにまだ生きてるけどデュナメスから降りた時点でかなりの怪我を負っていたはず……すぐに見つけなければまずい。

 

「よそ見してる暇があんのかぁ?!」

 

 ツヴァイが切りかかってくる。ビームファンを起動し応戦する。しかし俺はおかしなことに気づいた。確かアニメじゃここでツヴァイはバスターソードを失っていたはず……鍔迫り合いをしてる間に相手の状況を確認する。見る限りわかることは片腕破損のみ……ファングも切れているようだ。

 

「勝てると思ってるのか?そんな状況でぇ!」

 

「おうよ!下で戦った時に腕は大したことないってわかってるからなぁ……片腕ありゃ十分よ!」

 

「くっ!」

 

 隙をついて蹴りを入れてくる。一旦距離を離そうと牽制にビームライフルを放つがバスターソードで防ぎながら距離を詰めてまた切りかかってくる。

 

「ほらほらどうしたぁ!こっちは手負いだぜぇ?」

 

 なめられている……まあ仕方ない。所詮実戦もろくに経験していない素人だ。MS戦のセオリーなんて知らない。ただシミュレーションをやれるだけやった経験とニュータイプの勘と機体性能を頼りに戦っているだけだ。もし同じ機体で戦っていたら当然勝てないだろう。しかし……

 

「そんなに余裕ぶっていてもいいのか?」

 

「なに?」

 

「地上で戦ってた時がこの機体と俺のすべてと思わないでもらいたい!」 

 

 俺は力任せにビームファンをなぎ払って距離を取り新しい武装を起動させる。

 

「行け!ティンクル・ビット!」

 

 両肩から射出されたビットは奇妙な軌跡を描きながらツヴァイに向かっていく。

 

「っ!ファングか、そんな武器を隠し持ってたなんてなぁ……だがよ」

 

 ビットから放たれるビームをツヴァイは器用に避けていく。

 

「狙いが正直すぎじゃねぇのか!?」

 

「……いやこれでいいんだ」

 

 ビットは俺の脳波に正確に従ってツヴァイを追い立てているが元からビットが当たるとは思っていなかった。相手が人外じみた技量の持ち主だし。このままいけば隙をついてツヴァイは俺にまたきりかかってくるはず……

 

「そらいくぞぉ!」

 

 やはり!俺はツヴァイが横に逃げられないようにビットから照射ビームを放つ。そしてさらに向かってくるツヴァイに向けて最後の武装を放った。

 

「ビームストリングス!」

 

 回避行動はとらせない。防御させるように仕向けた。

 

「ライフルでも撃ってくると思ったが……なんだぁこの武器は。こんなものでおれをやろおって思ってたのかぁ?」

 

 ツヴァイはこちらの考え通り防御してくれた。

 

「そのとおりだ!くらえ!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!一体何が?!」

 

 俺はビームストリングスを起動する。その瞬間紫電が走り激しい電撃がツヴァイを襲った。この武装は電撃を浴びせることにより機体、そしてパイロットにダメージを与えるものだ。いくらサーシェスといえどこれを食らえば無事ではすむまい。

 

 ある程度電流を浴びせたところで解除する。ツヴァイは沈黙しているように見える。適当に撃ちまくった上に最後の照射でエネルギーが切れてしまったビットと一緒にビームストリングスも機体に戻した。その瞬間だった。咄嗟にビームシールドを張る。

 

「へっ……完全に……隙をついたと……思ったが……」

 

「まだ動けるのかよ……ほんとおかしいな」

 

 危なかった。もしニュータイプの力がなかったら攻撃を察知することができずに死んでいただろう。

 

「まだだ……まだ俺は……戦えるぜ!」

 

 再度バスターソードを構えてこちらに踏み出してくるその瞬間だった。

 

 ツヴァイの下半身が消え去った。遠距離からのビーム射撃によって。一瞬何が起こったのかわからなかった。しかしすぐに誰が撃ったか思い当たりすぐさま撃ってきた方向へ機体を走らせる。

 

「生きていてくれたか……良かった……」

 

 破壊されずに残っていたGNアームズのビーム砲の上にあいつはいた。近づいてコックピットをあけそいつを収容する。

 

「大丈夫……じゃないな」

 

「おまえは……」

 

「何も言うな。……まずいな。傷が酷い……おい意識をしっかりもってろよ!」

 

 俺は急いでスメラギさんに連絡をする。

 

「こちらマサ、応答してくれ!」

 

「Mrマサ!良かったわ!今すぐにその宙域でパイロットを探して!こちらのガンダムのパイロットがその宙域にいるはずなの!」

 

「それはもう収容している!だがかなりまずい状態だ。すまないが俺はこのまま地球に降りる!そうしなければ助からない!」

 

「MSで大気圏を突破するなんて無茶よ!それにプトレマイオスには整備された治療設備が整って」

 

「この機体ならできる!それにな、もう少しでそちらには国連が大型MAと一緒に再度攻撃を仕掛ける!そっちに連れて行ってもすぐに脱出させなければいけない!あなたたちの艦ではもう逃げ切ることはできないからすぐに脱出の用意をして脱出するんだ!」

 

 必要なことを伝えると俺はすぐさま地球に向けて進路を取った。すぐに治療できるようにエイフマン教授に連絡を取る。

 

「教授?これから地球に帰ります!重体の人物がいるのですぐに治療ができるようにしておいてください!」

 

「無事じゃったようだな。了解した。治療ポッドの準備をしておく」

 

 俺は全速力で地球に帰っていった。

 

「死ぬなよ……ニール!」

 

 

 

「教授!すぐにこいつを!」

 

「あいわかった。準備はできておる。すぐにスーツを脱がしてこの中にいれるんじゃ」

 

 指示通りにパイロットスーツを脱がしすぐにポッドに入れる。

 

「これでとりあえずは大丈夫じゃ。疲れたろう?あとはわしに任せておけ」

 

 そういってエイフマン教授はポッドを別の場所に運んでいった。

 

「無事に帰ってこれたのね」

 

「絹江さん……うん、何とか帰ってこれたよ」

 

 絹江さんがこちらに向かってくる。俺も近づこうと一歩踏み出した瞬間崩れ落ちそうになるも絹江さんが慌てて駆け寄り支えてくれる。

 

「大丈夫!どこか怪我とかしてたの?!」

 

「……ごめんね?心配かけちゃって。大丈夫……だよ。ちょっと疲れが……」

 

「良かった……とりあえず部屋に連れていくわ。今日はもうやすみましょう」

 

 絹江さんに連れられて部屋に行き、そのままベッドに入る。

 

「おやすみ、マサユキさん……」




 もうそろそろ一期が終わる……遠隔兵器描写難しい……アニメじゃツヴァイはロックオン撃破後片腕バスターソード損失、すべてのファング全部ロスト(たぶん)してたのでそれではいくら主人公の腕がそんなに良くないことを知っていたとしてもビームライフル一つじゃ撤退するかなと思いバスターソードを持っていると捏造しました。他にもさらっと捏造してるかもしれませんが許してください……
 
閲覧、感想ありがとうございます。

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