頑張れ!ザイトルクワエちゃん 作:ビエン
全てを吹き飛ばすかのような大爆発が起きる。
「では戻るとしようか」
引き起こした張本人がそう言うと配下である面々が同意した。
その時。
「ケホッケホッ」
咳が聞こえた。
配下の面々が瞬時に臨戦態勢を整えていまだに晴れない砂煙を睨む。
煙が晴れるとそこには一人の幼女が居た。
「こんのっ・・・何をしてくれるんじゃ!」
長い新緑色の髪に同じく新緑の瞳の幼女は怒鳴りながら詰め寄ってくる。
「わしの体を吹き飛ばしてくれおって!数百年掛けて作ったのを!どうしてくれるんじゃ!」
「うるさいでありんす」
「ふぎゅっ!?」
シャルティアがべしっとスポイトランスで頭を殴ると倒れ付した。
「・・・・アウラ。こいつのステータスは?」
「えーっと・・・レベル80~85。HPは振り切れてます。多分ですけどザイトルクワエじゃないかと」
「・・・・ええー」
「う、ううーん・・・ハッ!」
慌てて起きて見回すとそこま薄ら寒い牢屋の中。
「あらん?起きたのねん」
そして目の前にドアップで真っ白な気持ち悪い化物の顔。
「ひ」
「ひ?」
「ひぎゃああああああああああああ!!」
叫ばずにはいられなかった。
「なんじゃ!なんじゃお前は!?」
「ニューロニストよん。ナザリック地下大墳墓特別情報官よん。別名ご・う・も・ん・か・ん・よん」
「拷問官・・・痛いことをするのか?」
「その通りよん」
「い、嫌じゃああああああああああああああああ!!」
「うふふ。もう歌ってくれるのねん?良いわよん。貴方も一緒に至高の御方を讃える賛美歌を歌ってねん」
「ふあぎゃあああああああああああああああああ!!」
数時間後。
「それでん?あ、ジュースのお代わりいるかしらん」
「気付いたらあの森にいたのじゃ・・・貰うのじゃ」
チウチウとストローでジュース(オレンジジュース)を飲みながらニュートニストの質問に答えるザイトルクワエ。
別に何も無かった。
泣き喚いたとか、漏らしたとか、同情されたとか、哀れられたとか、そんなことは一切無かった。
「妙な奴らがわしの一部と戦って倒しおっての。その次に起きた時は最悪じゃった。滅茶苦茶強い者たちがわしの体を切ったり殴ったり・・・そして最後は全て吹き飛ばしおったのじゃ」
「なるほどねん」
「あの胸でか娘め。今度会った時は絶対に殴ってやるのじゃ」
「それじゃ此処でちょっと待っててねん」
「分かったのじゃ」
牢屋にまた戻されてニューロニストは歩き去っていった。
「・・・・・む?」
ザイトルクワエがハメられたと思うのにそう時間はかからなかった。