転生者がダンジョンに出会いを求めて異世界に行くのは間違っているだろうか   作:サクサクフェイはや幻想入り

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怪物祭とかいてモンスターフィリアとよむ


第六話 モンスターフィリア

今日も今日とてダンジョン......とでも言うと思ったか! 冗談はさて置き、俺は今、普通に出かける準備尾をしていた

 

「あれ?ショウジサン、今日もダンジョンですか?」

 

「俺が武器持ってるように見え...っていつも持ってないか」

 

「いい加減武器、買った方がいいんじゃないですか?いくらショウジサンが強いと言っても、何も武器持たないのは、危ないと思いますよ?」

 

「それ受付嬢にも口酸っぱく言われてる」

 

「当たり前ですよ」

 

心配そうな顔をしていたと思ったら、受付嬢、つまり俺とベルの担当のエイナさんの名前を出したら、とたん呆れた顔になるベル。 俺としてはいつも適当に言いくるめている

 

「やっすい武器屋探しに行くのが面倒、そもそも魔法あるし」

 

「あぁ......そうでしたね」

 

「なになにぃ?どうしたのよ、ぎゃははははは!」

 

ベルの瞳が少し濁る、俺の魔法の話をするといつもこうなのだ。まぁそれだけ俺の魔法がチートなだけなのだが、それとベル自身も魔法がいまだに使えないことも。関係しているのだろうけど。 そんな分析をしていると、いつの間にかベルは気を取り直いしていた

 

「それじゃあ、どこか出掛けるんですか?」

 

「ちょっと怪物祭に」

 

「怪物祭?」

 

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「・・・・・・つまりモンスターをテイムするお祭り、ってことですか?」

 

「シルさんからの受け売りだけどな」

 

どうもベルは、怪物祭を知らなかったようで、俺が説明する羽目に。 と言っても、シルさんから聞いたことをベルに説明しただけなのだが

 

「おーい、待つニャ、そこの白髪頭とシルのお気に入り」

 

「「はい?」」

 

シルさんの名前が出たことで立ち止まった俺、たぶん白髪頭はベルのことなので、ベルも立ち止まる。呼ばれた方を向くと豊饒の女主人から顔を出した、アーニャさん? だったかな、その人がこちらに手を振っていた

 

「あ、おはようございますニャ」

 

「「おはようございます」」

 

挨拶は大事、古事記にも(ry ネタは置いといて、挨拶されたので返したのだが、いきなり財布を差し出された

 

「もらっていいとか?」

 

「そんなわけないニャ、この財布はおっちょこちょいのシルのだニャ」

 

「シルさんの?それをどうしてショウジサンに?」

 

それは俺も聞きたかった。 知り合いてか、店の客とはいえ人の財布を渡すとか、ちょっと常識的にもあり得ない。 なのはずだが、盛大にため息をつかれた

 

「白髪頭は頭が悪いニャ......」

 

「ええっ!?」

 

「アーニャ、それではクラネルさんももちろん、コジマサンもわかっていませんよ」

 

意外なところから助け舟が、店の掃除をしていたのだろう、後ろからリューサンがそう言ってくれた

 

「リューはあほにゃ、そんなのシルのお気に入りならわかってるはずだニャ」

 

「まずい、ツッコミどころが多すぎる!!」

 

普段ボケなのだが、何故かツッコミに回される。 ベルの普段はこういう気持ちなのだろうか、自重しないけどね! その後補足で説明してくれたリューさんの話をまとめると

 

「つまり、せっかくの休みで怪物祭行ったのに、財布を忘れたと」

 

「そういうことです」

 

「それは何というか......」

 

ベルも苦笑していた

 

「まぁおっちょこちょいということで。 まぁいいですよ、どうせこれから怪物祭行くところでしたし。 ヤロー二人で回るよりはいいでしょう」

 

「え?なんですかそれ、少し酷くないですか?」

 

「あれー?傷つけちゃったかな?で、それが何か問題でも?」

 

「・・・・・・」

 

最早ベルが呆れて何も言えません、みたいな目をしていた。目は口程に物を言う、よく言ったもんだ。 そんなベルから視線を外し、アーニャさんとリューさんに向き直る

 

「それでシルさんどこ行くとか、言ってませんでした? 流石に祭りだけあってこの混みですし、しらみつぶしに探したんじゃ見つからないような」

 

「すみません、そこまでは」

 

「聞いてないニャ」

 

「あ、さよで。 まぁとりあえず、プラプラ探してみますわ。 行こうぜベル」

 

「それじゃあまた」

 

やることは増えたが、目的は変わらないので俺たちは歩き始めた

 

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「はっはー、まじか.......」

 

周りには人、人、人。 しかもそんでもってベルとはぐれた。正直言って舐めてた、ここまで人通り多いと思わなかったし、まぁはぐれたものは仕方ないので、とりあえずなんか食い物でも

 

「あ」

 

と、一つの露店に目を向けると探し人が、かなり運良くね?しかもちょうど支払いで、財布を探しているようだ。俺は気配を消しながら近づく、やはり財布を探しているようだ。まぁそれはさておき

 

「おっちゃん、この人の分も払うから俺にも一つ」

 

「ん?まぁ払ってくれるってえんならいいけどよ、ほら」

 

「ども」

 

商品をおっちゃんから受け取り、シルさんに差し出す

 

「ほいこれ」

 

「ショウジサン......」

 

俺を見ると申し訳なさそうなシルさん、なんかこういう表情新鮮だ。 これだけでも来たかいがあるもんだ

 

「ま、とりあえずここ離れない? これ食べるんだったら座った方がいいでしょ?」

 

近くにあるベンチを指さしながら、そう言う。シルさんもお腹がすいてるのか、特に否定することなくベンチに腰掛けた

 

「ほいこれ」

 

「すみません......」

 

受け取りながら、どこか申し訳なさそうにするシルさん。そこまで責任感じる必要ないと思うけどねー

 

「まぁ気にしない気にしない、意外に美味いなこれ」

 

「あ、ほんとう、おいしい」

 

食べた瞬間、笑顔とまではいかないが、幾分か表情が明るくなる。それを見ながら、俺はもう一口。 まぁ祭りで売ってるのなんて、こんなものだよねって味だ。まずくはないけどね。俺が食べ終えて、少し遅れてシルさんが食べ終えたようだ。 なので頼まれごとを済ませることにした

 

「あ、シルさんこれ」

 

「あ!これ私のお財布」

 

「それとアーニャさんから伝言。『シルはおっちょこちょいだニャー』 だそうです」

 

「・・・・・・///」

 

恥ずかしいのかうつむいてしまう、だが俯いても耳が真っ赤なので、隠せていないのだが

 

「あ、それとさっきの代金返さなくていいよ。 その代わりと言っちゃなんだけどさ、怪物祭案内してくれない?前に言った通り外から来たからさ、今回初めてだし」

 

ポカンとした顔をされたが、徐々に笑顔になっていくシルさん

 

「わかりました、任せてください!」

 

笑顔で立つと、俺の手を引っ張って急いで立たせてくる

 

「おっと!」

 

「早く行きましょう!」

 

なぜか急かされる、てかこの人込みで急ぐ方が無理なのだが、なんて文句は言わない、シルさん楽しそうだし

 

「それで、どこ案内してくれるの?」

 

「前にも言った通りこの祭りの目玉企画は、テイムを生で見せるところなんですけど、そのほかにも露店がいっぱい出てるんです。 なので露店を回ってから、あの中央のスタジアムに」

 

なんてつないだ手とは逆側の指さした方向には、巨大なスタジアムがあった。といっても日本のように鉄筋とかを使ってではなく、どちらかというと闘技場のような、レンガ(?)を組み合わせて作ったようなものだが

 

「露店も結構種類があってですね」

 

なんてシルさんの説明に耳を傾けながら、ゆったりと歩く、こうやってゆっくり風景などを見ると、自然が多い。それに癒されながらゆったりと歩く。基本的に俺は見たい露店がないため、というよりもどんな露店があるのかわからない、と言った方が正しいのだが、そのため基本シルさんが見たい露店を回る。洋服の露店、アクセサリー系の露店、ジャンクフード系の露店とか様々で、本当に色々周った

 

「あ、ショウジサン、私アレ食べたいです!」

 

「ん?クレープか。 んじゃ買おうか」

 

代わったことと言えば、シルさんが手を引っ張るではなく、いつの間にか腕に抱き着いているのだが、慣れって怖いね。 最初はお互い恥ずかしかったのだが、いつの間にか普通になってるし。 そもそもなんでシルさんも抱き着いてきたのかわからん。 一応クレープは、俺がチョコでシルさんがイチゴ、もちろん俺のおごりだ。 今は芝があったので、そこに腰を下ろして食べている

 

「ん~!イチゴおいしー!」

 

「チョコもなかなかおいしいよ」

 

「もらってもいいですか?」

 

「いいよ」

 

とシルさんの口に近づけて食べさしたのだが、ここで俺はあることに気が付いた。 間接キスじゃね、と。 その瞬間俺は固まった

 

「じゃあ、イチゴもどうぞ!」

 

そう言って笑顔でイチゴのクレープを差し出してくる、これ食わないとまずいですよねー......などと軽く現実逃避をしながら、シルさんが食べてない逆の方を食べる。シルさんの一口が小さくて助かった

 

「チョコもいいですけど、やっぱり私はイチゴの方がいいです」

 

「そっか」

 

そっけなく返す、正直言ってそんなこと気にしている暇はない。 俺は自分のクレープに目を落とす、シルさんが食べた部分があるクレープだ。 正直言ってシルさんにあげたいが、このクレープサイズが大きいため無理だろう

、ならばだ

 

「・・・・・・ハグ」

 

「間接キス、ですね///」

 

「!?」

 

どうやらシルさんも気が付いていたようだ、いや普通気が付くが。 さっきまで普通にしてたし、気にしてないのかと思ってたが、恨みがましい視線を送ると、頬を薄く赤く染めながら照れたように笑っているシルさんであった




はい、シルさんとデートです! これは元々予定していましたけどね! とりあえずこの後にアイズと出会うイベントをどう絡めて行くか.......

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