転生者がダンジョンに出会いを求めて異世界に行くのは間違っているだろうか   作:サクサクフェイはや幻想入り

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特になし! 本編どうぞ!


第二十二話

「それじゃあ神様、行ってきます!」

 

「行ってくるー」

 

「あぁ、気を付けて行ってくるんだよ? Lv.2になったからって、無理しちゃだめだからね?」

 

駄女神様が心配そうにベルを見る。 なんか毎度思うんだけど、なんでみんな俺の心配してくれないのさ、泣くぞこの野郎。 男の涙なんぞ誰得だよ

 

「わかってます!」

 

「おいベル、なにも走らなくても十分間に合うだろ」

 

今日から中層と呼ばれる十三階層から下に行くからって、気合が入りすぎだろう。 ベルを追いかけようとすると、駄女神様にサラマンダーウールを引っ張られる

 

「ショウジ君」

 

「はいはい?」

 

「ベル君を頼む」

 

「・・・・・・了解」

 

珍しく心配そうな顔をしている駄女神様に、俺は真剣に返事をする。 まったく人の気も知らないで、呑気に手を振っているベルを俺は追いかける

 

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「ショウジサン!」

 

「おんや? シルさん、どうしたんですか?」

 

今日は中層に行くためにいつも以上に早起きなのだが、シルさんはいつものように店の前で待っていた

 

「これを」

 

「いつもの弁当じゃないですか」

 

「はい」

 

受け取ろうと手を伸ばすと、なぜか弁当を引っ張られる。 どういうこと? シルさんの方を向くと、心配そうな顔をしていた

 

「シルさん?」

 

「無事に、無事に帰ってきてくださいね?」

 

「・・・・・・大丈夫、必ず帰って来るから」

 

シルさんの頭を撫でて弁当を受け取る。 どうも朝から辛気臭いな、なんなのやら。 そんなことを考えていると、なぜかベルが濁った眼で俺を見ていた

 

「なんだよ?」

 

「いえ、別に」

 

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中層に足を踏み入れると、間髪入れずにヘルハウンドに襲われたわけだが、俺のやることがなかった。前衛ヴェルフ、中衛ベル、後衛および周囲警戒を俺とリリがしていたわけなのだが、ベルがほとんど引き付けてヴェルフと片をつけてたし

 

「流石ベル様です! Lv.2になってから、スピードも技の切れもかなり上がりましたね!」

 

「そ、そうかな」

 

妙にうれしそうなベル、こっちをチラチラ見んな

 

「これなら中層でもやっていけそうだな」

 

「まだ入口だしな、油断はしない方がいいだろ」

 

「・・・・・・お前が真面目だと、違和感が半端ないんだが」

 

「どうにも中層に入ってから嫌な予感がする、それに空気が違い過ぎるんだよ、上層と中層じゃ」

 

朝はそんなんでもなかったが、ダンジョンそれも中層に入ってからどうにも胸騒ぎがする、ヴェルフにも説明したがどうにも空気が違い過ぎるのだ

 

「あ、ベル様」

 

「あぁ、ベルだな」

 

「あれは僕じゃなくて、アルミラージだよ!」

 

なのにこいつらときたら、ウサギ型のモンスターであるアルミラージを見ると、ベルだなんて言いやがって、確かに似てるけど。 人の気も知らないで......

 

「・・・・・・」

 

一瞬でアルミラージの後ろまで移動する。 するとアルミラージの首が落ちる。 一瞬で抜刀し納刀。 いわゆる居合だ。 とりあえず

 

「お前ら気を抜きすぎだ」

 

三人を睨みつける。 ベルは首を押さえていたが、お前斬ったわけじゃねえから

 

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リリの指示で広い場所に出たのはいいのだが

 

「囲まれた」

 

「えらい普通の反応だな!?」

 

「まぁこのくらいでしたら何回もありましたし」

 

「でも上層だったからね、中層では初めてだし、気を引き締めて行こう!」

 

「どの口が言うんだか......」

 

「僕とショウジサンで殲滅、リリは周囲の警戒を、ヴェルフはリリをお願い!」

 

「わかった!」

 

「わかりました!」

 

ベルが指示を出し、俺とベルがアルミラージの大群に突っ込む。 正直言って、これくらいの大群はなんてことないのだが、今回は中層でヴェルフもいる、なので本気を出すことにしたのだが

 

「なーんだ、こんなもんか」

 

「ショウジサン、お疲れ様です」

 

「ベルもお疲れさん」

 

ハイタッチを交わす俺とベル、物の数分で周りを囲っていたアルミラージを殲滅した。 ヴェルフはと言うと

 

「ベルはわかるが、なんでLv.1のアイツがベル以上に速いんだよ......」

 

呆然としていた

 

「いつもアレくらいやってくれれば、少しは態度改めるんですが......」

 

「え、真面目腐ってやるのとかやだよ」

 

「「・・・・・・」」

 

リリがブツブツ言っていたのでそう言うと、ベルとリリの瞳が濁った。 ついにリリもベル化してきたみたいだ

 

「?」

 

足音が聞こえた。 遠くからだが、複数人のようだ。 そちらに顔を向けると、まっすぐこっちに突っ込んできていた

 

「おいリリ、アレは?」

 

「え? っ!? まずいです、押し付けられます!パスパレードです!!」

 

パスパレード、怪物進呈と言う名前だが。 まぁ早い話、モンスターを押し付けられるって話で。 こっちも少なからず消耗してんだ、そんなことされたら困る、なので

 

「さて、これから見せますのは、種も仕掛けもあるつまらないマジック。  皆様どうかごゆるりとお楽しみくださいませ」

 

選択する機体は、大群ということもあるが狭い通路から一直線でやってきているのだ、ならばそこを焼き払えばいい。 違うファミリアが巻き込まれる? 押し付けようとした時点で、そんな甘ちょろい考えは捨てろ。 どんな理由があろうともだ

 

「ウイングガンダム。 さて、そこのファミリアの奴ら、巻き込まれたくなかったら避けろ」

 

警告は一応した。 迷わず俺はトリガーに手を掛ける

 

「ベル! うち漏らしは頼むぞ!」

 

バスターライフルを発射し、狭い通路ごと焼き払う。 どうやら違うファミリアの奴らは、運良く巻き込まれなかったようだ。 よかったよかった。 それにうち漏らしもないようだし。 俺が変身を解くと、リーダーみたいなのが胸ぐらをつかんでくる

 

「おいお前!どういうつもりだ!!」

 

「はぁ?」

 

感謝こそされど、こうやって掴みかかられる覚えはないのだが?

 

「一歩間違えば、俺たちも巻き込まれてたんだぞ!!」

 

「人にあの数押し付けようとして、よくそんなこと言えるな」

 

「っ!?」

 

図星なのか、胸ぐら掴んでいた手の拘束が弱まる。 その隙に手をはじき、服装を整える

 

「自分らが同じような事されて、文句言える立場か? 別に俺はこのパーティーのリーダーってわけじゃないが、別のファミリアだろうがなんだろうが、仲間を守る責任がある。 まぁ別にアンタの判断は間違っちゃいないんだろうけどな、リーダーとしては」

 

パーティーに負傷者がいたのだ、だからの行動なのだろうが、そんなものはどうでもいい、どっちにしろ話している時間はなさそうだしな

 

「おいそこの俯いてる黒髪、受け取れ」

 

「は? な、なにを?」

 

俺は俯いていた黒髪の少女にポーションを投げ渡す

 

「んー、さっきのお詫び。 とりあえずそれを負傷者に飲ませてさっさとこっから移動してくれないか、邪魔だし」

 

「なっ!?」

 

怒って掴みかかってこようとするが、無視してベルに声を掛ける

 

「ベル、さっきの二倍くらい来てるけど、捌き切れるか?」

 

「この人たちを逃がす時間を稼ぐのが精一杯です」

 

「甘いこと。 まぁ、リーダーの言葉には従いますよ? んじゃ、殿は俺がやる」

 

「僕は道を切り開きます!」

 

乱戦向きなら、サバーニャか。 そう思い俺はまた変身をする、さっき魔力を使ったので、少しきついが何とかなるだろう

 

「ベル!合図したら駆け出せ!」

 

そう言いつつ、俺の後ろ、すなわち逃げる方向に向かって、ピストルビットで敵を殲滅する

 

「ベル!」

 

「皆さん、早く逃げてください!リリとヴェルフも援護を!」

 

 

 




ちょうどいいので切ります

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