転生者がダンジョンに出会いを求めて異世界に行くのは間違っているだろうか   作:サクサクフェイはや幻想入り

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ハハッ! ついにほぼやらなくなったぜメモリアフレーゼ、飽きました

本編どうぞ



第十七話

朝、と言ってもかなり早いので早朝、と言っても差し支えない時間、俺はベルと二人でとある場所を目指していた。 まぁ、言わなくてもわかると思うが、アイズと修行するために待ち合わせした場所だ

 

「来たぞー、アイズ」

 

「ん」

 

「おはようございます、ヴァレンシュタインさん。 それで今日は?」

 

「アイズ」

 

「へ?」

 

「アイズでいいよ、みんな私のことそう呼ぶから」

 

名前で呼んでってか? まぁ、俺も最初の方はそうだった。 ベルはこっちを向くが、体をほぐすために体操をしていたので無視。 なんかベルがアイズ呼ぶのに声が裏返ってるんだが、大丈夫かよ。 そんなことはさて置き、体がほぐし終わると、アイズとベルが途方に暮れていた。 何やってんだアイツらは? 俺はそれを横目に、自分のメニューをこなしていく。 なんかナイフ持ってポーズ決めてるけど、なんなんだあれは? ベルもベルで不用意に近づいてるし

 

「っ!」

 

「っと、危ないぞアイズ。 ベルも不用意に近づくなよ」

 

構えの確認だったのか、アイズが回し蹴りを放っているところに、ベルが近づくものだから危うく巻き込まれそうになっていた

 

「ご、ごめん」

 

「・・・・・・」

 

アイズが謝るが、ベルはポカーンとしてるし。 仕方ないので助け舟を出す

 

「それで、お前らは何をしてるんだ?」

 

「えっと、どう教えていいか、わからなくて」

 

「ならなんで修行しようと思ったんだよ......」

 

「助けになれるかと思って......」

 

「いや良いけどさ、とりあえず教えることができないんだったら、経験積ませればいいんじゃないか?」

 

「なるほど」

 

手をポンと叩くな。 てか多分お前も考え付いただろ。 とりあえずベルの肩に手を置く、ようやく正気に戻ったようだ

 

「頑張れ!」

 

めっちゃいい笑顔で親指を立てておく、ベルの顔が引きつっていたが気にしない。 俺が相手するわけじゃないし。 そこからベルの修業が始まったのだが

 

「おぉベルよ、この程度で倒れてしまうとは情けない」

 

少し離れたところで、自分のメニューを消化していたのでアイズとベルの会話は聞こえなかったが、なんか珍しくベルが冷静じゃなかったな。 まぁ迎撃されて、回し蹴り一発でダウンとは情けない。 いや、レベル差か?

 

「あの、えっと、大丈夫なの?」

 

珍しくアイズがアワアワしているが

 

「そのまま寝かしとけ、別に問題ないだろ」

 

軽く見たがただ気絶しているだけなので問題なし、そんなわけでアイズにそう言うと、ほっとしたような顔をしていた

 

「さて、俺は帰ってもいいか?」

 

「えっと、なんで?」

 

「いや、そもそもなんで俺が呼ばれたか聞きたいんだが?」

 

「・・・・・・」

 

何故か首を傾げるアイズ。 コイツ、まさか自分が呼んだの忘れていたのか!? アイズ、恐ろしい子!

 

「いや、呼んだのお前だろ?」

 

「うん」

 

「なんで呼んだんだよ?」

 

「なんと、なく?」

 

自分でもわからないんですね、そうなんですね? ハッハー、なんで呼ばれたし

 

「んっ......」

 

「ほれ、ベルも目が覚めたみたいだし、続き頼む」

 

「わかった」

 

そう言ってベルのところに向かうアイズ、なんだろうか、手間かかるというかなんというか

 

「まぁいいや、また吹っ飛ばされてるし」

 

これ練習になるのか?

 

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「ベル様、なんでこの頃ダンジョンに入る前からボロボロなんですか?」

 

「それはね、特訓してるからかな」

 

「へー」

 

俺の方をジト目で見るリリ、そんな目で見られても困るのだが

 

「ん? なになに、俺になんか用? お兄さん困っちゃうなー」

 

「・・・・・・はぁ」

 

露骨にため息つかれるのも、結構つらいものがあるんだよ、リリルカさん? するとリリは歩くスピードを落とし、俺の隣に並ぶ

 

「それで、本当はどんないじめをしてるんですか?」

 

「何それ酷い」

 

言いがかりもいいとこだろ。 あ、ベルが脇腹抑えた。 結構クリーンヒットしてたもんな、でも耐久上がるから良いんじゃないか

 

「だって、ベル様があんなにボロボロになるなんて、そうとしか考えられません!」

 

「この子ベル好きすぎるんですけど......修行してるのは本当だが、相手は俺じゃない」

 

「本当ですかー?」

 

すっごい疑わしそうに見てくるリリ、残念だが本当のことなんだが。 そんな会話をしていると、モンスターが出てきたらしく構えるリリとベル。 俺? もちろん高みの見物、と言うよりも

 

「ショウジサンは手を出さないでくださいね!」

 

なんてベルに言われる始末である。 本当に思うけどさ、ベルもアイズもさ俺のことなんだと思ってるわけ? ただついてくるだけとか本当に意味が分からないんだが。 そんなことを考えていると、いつもの間にか戦闘は終わっていたようだ

 

「なぁ、俺なにしに来てるんだこれ?」

 

「「・・・・・・ただの付き添い?」」

 

「よし、明日から別々に来ることにしよう!」

 

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今日も今日とてベルが宙を舞う。 いや、比喩的表現とかではなく、アイズの回し蹴りによってだ

 

「ねぇ、君はなんでそんなに早く強くなれるの?」

 

「え?」

 

何度目かの気絶、そして目が覚めたベルにアイズがそう問いかけた。 その表情は真剣だった

 

「どうして?」

 

「そんな、僕は強くなんて......でも、憧れの人たちがいるんです、早くそこに行って並んで歩きたいから、ですかね」

 

空を見上げ、どこか真剣な表情のベル。 アイズは一瞬驚いたようだが、すぐに同じように空を見上げ

 

「わかるよ、その気持ち。 うん、わかる」

 

そう呟いた

 

「ショウジは?」

 

「俺? 俺はー、ただ誰かに負けるのが嫌いなだけだ。 それだけ」

 

「・・・・・・負けず嫌いなんだね」

 

何故かクスッと笑われたが、まぁいいや。 二人とも休んでいるし、俺も休むか。 どうせ今日は、一日中鍛錬漬けにするつもりだしな。 リリが休みなので、今日は俺たちは鍛錬に時間を当てているのだ

 

「あふ......」

 

小さくあくびをしながら、目をこするアイズ。 なんか眠そうだな。 そう思ったら、ベルの顔を見て何を思いついたらしい

 

「訓練をしよう、昼寝の訓練」

 

「「はい?」」

 

何を言ってるんですかね、このお姫様は? 思わず俺とベルで顔を見合わせる

 

「訓練、ですか?」

 

「そう、訓練」

 

「いや、ただお前が眠いだけだろ」

 

「違う訓練」

 

頑なに譲ろうとしないアイズ。 そこからはダンジョンでの仮眠はどうだのの話になったため、めんどうになった俺は

 

「もういいよ訓練で」

 

「むー」

 

頬を膨らましてるアイズだが知らん。 もうこれ以上反論しても無駄そうだし

 

「じゃあ寝よう」

 

そのむくれたまま、なぜか俺の膝の上で寝てしまうアイズ。 本当に意味が分からないんだが

 

「もういっそのことベルも眠れよ」

 

「そうします」

 

俺の膝に着地をするとすぐに寝たしまったアイズ。 もう俺は呆れを通り越したよ

 

------------------------------

 

結局昼過ぎまで寝たいたベルとアイズ。 その後適当に昼を食べ、夕方じゃが丸君を買うために露店に寄ったのだが、うちの駄女神様に会ってしまい、ベルは根掘り葉掘り聞かれていた。 なぜか俺も八つ当たり食らったしね

 

「知っているなら教えてくれたっていいじゃないかショウジ君!そのために君をベル君と一緒に行動させてるんだから!」

 

なんてありがたいお言葉を貰った。 そういうために、ベルと一緒にいるわけじゃねえから。 ツッコミ入れる気にもなれなくて、言わなかったけど

 




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