転生者がダンジョンに出会いを求めて異世界に行くのは間違っているだろうか   作:サクサクフェイはや幻想入り

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肝試しイベのアイズ可愛い、なんかはなし書く気起きたけど、いつになるのやら

それでは本編どうぞ!


第十三話

「おぉベルよ、あのくらいの敵に囲まれて、やられてしまいそうになるとは、情けない」

 

胡散臭いナレーションをしながら、目の前の光景を見ていた。 この前の警告が効いているのか、リリは特に、何かしらのアクションを起こさなかった、それどころか、ベルを助けたぐらいだしな。 にしても魔剣か、ああいう剣もあるんだなこの世界、なんて感心しながら、ベルたちの後ろをつけていた

 

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「・・・・・・ふぅ」

 

今日も今日とて、ダンジョンに潜る俺。 ベルはリリが休むので、休むらしい。 今日は魔石をそのままにして行けないので、一々拾わなくてはいけないのが面倒臭い。 時間は有限だし、その分鍛錬にあてたいのだが、金を稼ぐためには仕方ない。 なぜこんな風に鍛錬しているかというと、この頃ステータスが伸び悩んでいるからだ、神様曰く

 

「そもそも、君たちのステータスの伸びはあり得ないんだ、ぶっちゃけると頭おかしいレベルだし」

 

とのことで、悩むというか、気にする必要はないのだが、それでも気にしてしまう。 俺もベルも順調にステータスを伸ばしている、ベルは気にならないようだが、俺は正直言って鍛錬が身になってるのがわかる分、この頃伸び悩んでいるのが分るのだ。 事実、ステータスを見ても、ある数値で止まっているのがほとんどだ。 神様は「このレベルでの上限いっぱいになってる......」なんて言っていた

 

「はぁ......レベルアップか、どうすれば上がるんだかね?」

 

どうやらおかわりがきたようで、構える。 ぶっちゃけ、これも半ば、作業になってきているので、鍛錬と言えるのかも怪しい。 そんな風に魔石を積み上げていると、人の気配が

 

「帰ったら皆驚くぞ、一人で階層主を倒したのだから」

 

階層主ねぇ、俺も倒せばレベル上がるかね? なんて馬鹿な考えを、頭を振って振り払う、確かに、今の階層では物足りない、というより歯ごたえなさすぎるが、だからといって下の階層に行って勝てるのかはわからない。 実際エイナさんからも、そこは口を酸っぱくして言われているのだ

 

「あ」

 

「ん? アイズか?」

 

とりあえず、狩場を変えようかと思い、移動し始めたらアイズとばったり会った

 

「君は......この間の」

 

「あー、えっと、あの時はお騒がせしました」

 

頭を下げておく、あの時というのは、豊饒の女主人で起こした騒ぎのことだった

 

「いや、こちらもベートが済まなかった」

 

「まぁそう言っていただけるなら」

 

苦笑していると、何故かアイズが裾を引っ張ってきた

 

「どした?」

 

「なんで、こんな上層に?」

 

「なんでって言われても、俺ってレベル1よ? アドバイザーもこの階層が限度、何ていわれてるし」

 

「「・・・・・・」」

 

二人はなぜか絶句していた、なんかおかしいこと言ったか俺

 

「あの?」

 

「すまない、君は本当にレベル1なのか」

 

「まぁ......」

 

「レベル1で、ベートさんを......」

 

信じられないような目で見るエルフの人と、何故かブツブツ呟きながら、何かを考えているアイズ。 どーにかしてくれこの状況

 

「ねぇ、あなたはどうしてそんなに強いの?」

 

真剣に見上げてくるアイズ、茶化す気はないが、どう答えたもんか

 

「強い、か。 鍛錬を続けてるから、としか言いようがないんだけど......」

 

「何をやってるの?」

 

「モンスターをひたすら狩って、後は型の確認とか、筋トレとかか」

 

「そんなことで強くなれるの?」

 

「んー? なら逆に聞くけどさ、アイズにとっての強さって何?」

 

「私にとっての、強さ?」

 

「そう、強さって別に、腕っぷしが強い、とかで決まるわけじゃないだろ?」

 

「・・・・・・うん」

 

返事をして考えるアイズ

 

「すまないな、矢継ぎ早に」

 

「いえ構いませんけど......あ、そうだ、俺も一つ聞きたいんですけど、レベルアップってどうしたらするんですか?」

 

「レベルアップか」

 

そう言って考え始めるエルフの人、言いにくいことなのか、それともただ単に説明が難しいのか、待つこと数分

 

「そうだな、自分の限界を突破するような特別な経験を積む必要がある、といったところだろうか」

 

「自分の限界を......」

 

俺はその言葉を反芻する、自分の限界の突破、これまでも幾度となく俺はやってきた、今回は多分、ここより下の階層への挑戦、そういうことだろう

 

「参考になったか?」

 

「まぁ、それとなく道は見つかったような?」

 

「はっきりしないな」

 

エルフの人もわかっているのか、苦笑していた

 

「・・・・・・わからない」

 

「どうしたアイズ」

 

「わからない」

 

下げてた顔を、上げたと思ったら、俺にそんな風に言ってきたのだ

 

「いや、なにが?」

 

「ショウジに言われて、考えてみたけど、わからなかった」

 

「だから何が?」

 

「重ね重ねすまない、アイズが言っているのは、さっき君が言った強さの答えだろう」

 

「あぁ、そっちの」

 

アイズを見るとこくりと頷いていた、主語が足りないからわからなかった

 

「考えても、わからなかった。 だから教えて欲しい」

 

「いや教えて欲しいって言われても、こればっかりは教えられないだろ。 自分で見つけんと意味ないし、それに教えて強くなれるなら、だれも苦労しないっての」

 

思わずため息をつきながらそう答えた、でなきゃ簡単にレベルアップできますよね

 

「ごめん、なさい」

 

「謝らなくていいけどさ、なんか調子狂うな」

 

なにも悪くないのに謝られる、流石にこれではバツが悪い、なので苦笑しながら撫でる、その様子にエルフの人は珍しそうにこちらを見ていた

 

「さて、そろそろ次の狩場に移るかな」

 

「狩場に移る? もう外は、夜といっても差し支えない時間のはずだぞ?」

 

「そんなバカな......マジだった」

 

思っていたよりも熱中していたのか、本当に夜だった。換金はいいけど、この時間に帰ったら、駄女神様になんか言われそう、だが帰らないとまずそうなので、帰ることにする

 

「あー、こんな時間だし帰るか」

 

「私も帰る途中、一緒に帰ろ?」

 

「いや、俺は別に構わんが」

 

「アイズがそう言うんだ、私も構わない」

 

「いいならいいですけど...... なら少し待っててくれ、アレまとめるから」

 

そう言って指さしたのは、今日の稼ぎ分である魔石の山だ。 寄せるだけで、バックパックに入れていないので、結構な山になる

 

「私も、持つ」

 

「いや、そこまでしなくてもいいから」

 

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思った以上に魔石があり、持ってきていたバックパックには、入りきらないことが分かり、アイズにも持ってもらっている。 上層に行く道中、特にモンスターが出るということもなく、何故アイズとリヴェリアさんがあそこにいたのか、聞いた

 

「へぇー、階層主をな」

 

「でも、まだまだだから」

 

「こうは言っているが、本来階層主というのは、複数のファミリアが協力して討伐するものだ」

 

「まぁ、そうでしょうね」

 

階層主なんて大層な名前が付いているんだ、そのくらいは強いだろう。 でも、それを一人で討伐、ねぇ。 話に夢中で気が付かなかったが、何かを踏んだ感触がした。 恐る恐る下を見て、損した気分になった

 

「おいベル、いくらお前が緊張感ないやつでも、これは酷いぞ」

 

ふんでしまった足を退けるて、声を掛けるが反応がない。 屍かな

 

「おいまて、ただのマインドダウンだ」

 

「マインドダウン? なんでコイツが? まぁいいや、さっさと起きろベル」

 

魔法が使えないコイツには、ほど遠い症状だが、魔法のエキスパートであるエルフの人がそういうのだから、間違いないだろう。 てかいい加減腹立ってきた、人が危ないと思って起こしてやってるのに、幸せそうな顔で寝ている

 

「いい加減、起きろこのアホー!!」

 

「うわぁ!?」

 

ムカついたのでベルを蹴り飛ばし、強制的に意識を覚醒させる。 驚いたベルは飛び起きて着地、きょろきょろと状況確認し、俺を見てため息をついて、そして隣のアイズを見て、何故か前転で転がって行ってしまった

 

「なんだったんだあいつは......」

 

 




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