転生者がダンジョンに出会いを求めて異世界に行くのは間違っているだろうか 作:サクサクフェイはや幻想入り
前回の後書きで言っていた次話に関しては、この話が終わり次第書き始めますので、あの子のファンの方はしばしお待ちを。 地味にこの頃、俺の中で株が上がってきてるから、ヒロインでもよかったのですが、もともとヘスティアとあの子はベル君のヒロインなんだすまない......
さて長々語りましたが、番外編どうぞ!
あ、注意ですが、この話メモリアフレーゼのアイズの衣装ストーリーのネタバレなので、自分で見たいんじゃぼけぇ! と言う方はブラウザバックしてください
珍しくベルと別行動の日、俺は街をぶらぶらしていた。 四六時中一緒というわけではないが、今日は俺が一緒に潜らないで、ダンジョンに行っているベル、心配していないとういわけではないが、あいつも強いので大丈夫だろう。 そんなわけで休みにした俺は、街をぶらぶらしているというわけだ
「ん? ありゃあアイズか?」
人ごみの中に居ても目立つ金髪、後ろ姿なので確証はないが、装備が同じなのでそうだろう。 暇だし声でもかけよう、そう思い距離を詰める
「アイズ」
「? ショウジ、どうしたの?」
「見かけたから声をかけただけ、アイズはなんか用事か?」
「うん、ちょっと、武器の整備に」
そう言って愛剣であるデスペレートを見せるアイズ。 デスペレート、アイズの愛剣で特殊武装である不懐属性を持つ剣で、刃こぼれなどはしないらしいが、切れ味は落ちるらしい。 まぁアイズから聞いた話なのだが
「武器の整備なぁ......まぁ、ダンジョン行くなら、そういうのは大事だからな」
「うっ......」
思わずアイズをジト目で睨んでしまう、前に一緒にダンジョンに潜ったことがあったのだが、その時はちょうどデスペレートが整備中で代剣だったのだが、アイズは剣を折ってしまい、後半は俺がほとんど戦闘をしていたのだ。 剣が折れてもどこかの馬鹿は戦おうとしたので、とりもちで動きを封じたが
「ごめん、なさい」
「まぁあれが教訓に活かされてるならいい」
しょぼんとしてしまうアイズに俺は苦笑し、頭を撫でる。 子ども扱いされるのを嫌うアイズだが、こうやって落ち込んでるときは、素直に撫でさせてくれるのでよくわからん
「ついた」
「ゴブニュファミリア? 確かヘファイストスではないにしろ、いい鍛冶ファミリアって評判のとこか」
「うん、こんにちわ」
扉を開けて入るアイズ、俺も続いてはいると半裸のおじいさんが、って神様か
「うん? アイズか、剣の整備か?」
「うん、お願い、します」
「いいことだ、この頃は短い期間で持ってくるようになったからな」
どうやら会話を聞くに、やはりアイズは剣の整備をおろそかにしがちだったようだ、まぁ結構噂で聞くけどな、アイズのダンジョンジャンキーさ。 この頃は収まってきたらしいけど
「大丈夫そうだな、この調子で使ってくれると、ちょっとの整備で終わるから助かる」
「わかった」
「それで、君は?」
アイズの方が終わると、今度は俺に矛先が向いたようだ
「どうも初めまして、神ゴブニュ。 ヘスティアファミリア所属のコジマショウジです、今日はアイズの付き添いで」
「ヘスティアファミリア? 聞いたことがないが......」
「弱小ファミリアですし」
言ってて悲しくなるが、弱小ファミリアゆえ仕方ない。 なんか手っ取り早く名前を売る方法はないだろうか、いやそんなことしたらファミリアの印象が悪くなるか、地道にコツコツか
「見たところ武器がないみたいだが?」
「あー、俺の場合、状況がちょいと特殊でして、武器は持たなくても戦えます。 武器が欲しくないかで言えば欲しいですけど、流石にここのは」
「それもそうだな「あの!」ん? どうしたアイズ」
「あの! あれが、どうしてここに?」
アイズにしては珍しく、声を出した方で、アイズが差した方を向くと、装備一式が置いてあった。 特にあの装備が珍しいこともないのだが、アイズは珍しくうろたえていた
「あのレプリカがどうかしたのか? 客寄せに使っているが」
「おなじ、なんです」
「同じ? 同じって何が?」
「昔、昔見たのと」
「あぁ、若いのが昔の資料を引っ張り出して作ったからな、そういうこともあるだろう」
「あの、着てみても、いいですか?」
「それは構わんぞ」
そう言って装備一式を取り、少しアイズのサイズに合わせて直し、アイズに渡す神ゴブニュ、アイズは心なしか嬉しそうに、でも戸惑いながら試着室に消えて行った
「よっぽどあの装備に思い入れがあるんだな」
「みたいだな」
神ゴブニュと話、待つこと数分、試着室から出てくるアイズ
「どう、かな?」
何故か俺に聞いてくるアイズ、まぁ元が男物だが
「似合ってるんじゃないか?それで、着てみた感想は?」
「えっと、懐かしいかな。 こうやって着てると、お父さんが一緒にいるみたい」
「お父さんの装備なのか」
そりゃあ懐かしいわけだ、アイズの家族関係は知らないが、寂しそうな顔を見るに多分そうなんだろう
「うん、なんかね心があったかくて、でもそれだけじゃなくて、あの人に近づけたような、そんな気がする」
「そうか」
胸の前で手を合わせ目を閉じるアイズ、何か思い出すことがあるんだろう、その様子に俺は一歩近づいて、頭を撫でる
「・・・・・・むぅ」
「気に入らなそうな顔だな」
少しアイズの顔が赤くなっているが、気のせいだろう。 特にアイズから何も言われないので、しばらく撫で続けていたのだが
「ンンっ」
神ゴブニュが咳払いをする、そこでアイズがハッとした顔になり、俺の手を払いのけて、神ゴブニュの前に立つ
「あああ、あの、これ譲ってもらえませんか? お金は、いくらでも払いますから」
「・・・・・・若い連中の習作で、レプリカだ、金はいらん。 持ってけ」
少し間は開いたが、神ゴブニュはそう言った、これには少し俺も驚く、まぁ本人が良いと言ったんだし、口は出さないが
「いいんですか?」
「あぁ、お前は顧客だ。 何より、その装備を纏うのは、お前がふさわしいだろう」
「ありがとうございます」
「よかったなアイズ」
「うん、本当によかった。 たからもの見つけた」
最後の言葉は聞こえなかったが、笑顔で言っていたのだから、いいことなのだろう
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「ほんと嬉しそうだな」
「そう?」
話し込んでいたらすっかり夕方になっていて、俺たちはそれぞれのファミリアの帰路についていた。 その間アイズはずっと上機嫌だった、はたから見たらわからないと思うけど
「とりあえず、前の装備は忘れるなよ?」
わかれるところになり、そう言って、アイズがもともと着ていた装備を、投げて渡す
「あ」
やはり忘れていたらしく、渡した瞬間しまった、みたいな顔になっていた
「まぁそう言うわけだ、じゃあなアイズ」
「ショウジ!」
「うん?」
「・・・・・・今日は、ありがとう、またね!」
夕日の逆光でよく見えなかったが、たぶん別れ際のアイズの顔は笑っていたと思う、俺はそれに、満足感を覚えながら歩みを再開した
息抜きで書いたはずが、すらすらかける罠。 いつもより少なめですが、短編と言ったんでいいでしょう、ではアイズのヒロイン昇格短編でした
それとこれは書かなくてもいいことなのですが、感想で言われるかもしれないので、先に言っときますが、もしリリが主人公のヒロインなったらというifを見たい方がいましたら、あまりにも多かった場合は書きますので、先に言っときます。 多分いないと思いますけどね
さて感想評価お待ちしてます