ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第98話『スクールカーニバル・ウォーです!(男子校サイド・パート3)』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第97話『スクールカーニバル・ウォーです!(男子校サイド・パート3)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗学園艦の学園祭2日目、大洗男子校が主催の日………

 

遂に大洗機甲部隊による演劇『眠れる森の美女』が披露される。

 

途中桃が芝居を忘れてトリップする………

 

ラストシーンでみほが台詞を忘れてしまうと言ったトラブルがあったものの………

 

ドタバタながらも舞台は好評の内に終了。

 

一仕事を終えた大洗歩兵部隊の面々は………

 

其々の部やクラスの出し物の手伝いに回ったり、学園祭巡りへと出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗学園艦・大洗国際男子校の屋上………

 

「わあ~、凄い活気ね~」

 

手摺に寄り掛かって、眼下に広がる大洗国際男子校の学園祭の光景を見ながら、絹代はそう言葉を漏らす。

 

「西総隊長。こちらでしたか」

 

とそこで、屋上への扉が開き、普段の学生服姿の弘樹が姿を現す。

 

「アラ、弘樹。もうファンサービスは終わったの?」

 

「ええ、まあ………」

 

劇が終了後、ファンサービスとして、舞台出演者やスタッフとして参加していた大洗機甲部隊と観客との交流が行われた。

 

現在、戦車道・歩兵道を順調に勝ち進んでおり、先程ドタバタながらも見事な演劇を魅せた大洗機甲部隊の人気は絶頂。

 

特に主役とヒロインを演じた弘樹とみほの人気は、子供達を中心に高く、ちょっとした黒山の人だかりが出来ていたのである。

 

「来られるのでしたらご連絡を下されば良かったのに………」

 

「今日はプライベートよ。出迎えなんかさせたら悪いじゃない」

 

「チハに乗ってプライベートですか?」

 

舞台に九七式中戦車で乱入して来た事を思い出しながらそう言う弘樹。

 

「言ったでしょう。私が身体を預けるのは、ウラヌス以外はチハだけよ」

 

「ハア………分かりました」

 

コレ以上は行っても無駄だと悟った弘樹は、絹代の隣に立ちながら溜息を吐いた。

 

「しかし………まるで申し合わせた様な即興の芝居でしたね」

 

「私、ああいうの得意だから………と・こ・ろ・で」

 

とそこで、絹代はニヤニヤとした笑みを浮かべて弘樹を見やる。

 

「何ですか、その顔は?」

 

「如何なのよ? みほちゃんとは?」

 

弘樹のツッコミを無視し、絹代はそう尋ねる。

 

「如何と言われましても………別に不仲になったと言う事はありませんが………」

 

「あ~~………その様子じゃ、戦友って関係からあんまり進展はしてないみたいね~」

 

絹代が呆れた様に呟く。

 

「? 如何言う事ですか?」

 

「あ~、気にしないで。前にも言ったけど、私が言う事じゃないし、言っても分からなそうだから」

 

「はあ………」

 

手をヒラヒラと振ってそう言う絹代に、弘樹は若干憮然とした表情を浮かべるのだった。

 

「さてと………折角だから、弘樹んとこの学園祭、堪能させてもらうね」

 

そこで絹代は、寄り掛かっていた手摺から離れる。

 

「案内しましょう」

 

「良いわよ。言ったでしょう、今日はプライベートだって」

 

「しかし………」

 

「それに、アンタを待ってる子も居るのよ」

 

そう言って、屋上の出入り口に視線をやる絹代。

 

「あ………」

 

すると何時の間にかそこに居たみほと目が合う。

 

「みほくん」

 

「ほう~………『みほくん』ねえ」

 

気づいた弘樹が声を掛けると、絹代は名前で呼んでいる事に気付いて、ニヤニヤとした笑みを浮かべる。

 

「~~~………」

 

「?………」

 

その絹代の笑みを見て、恥かしそうに縮こまるみほと、首を傾げる弘樹。

 

「じゃあ、後は2人でごゆっくり~」

 

そう言うと絹代は、みほの隣を通って屋上から去ろうとする。

 

「お嬢様役、可愛かったわよ………頑張りなさい」

 

「! ハ、ハイ!」

 

擦れ違い様にそう言われて、みほは一瞬気を付けをする。

 

「何を言われたんだ?」

 

絹代が去った後、みほにそう尋ねる弘樹。

 

「う、ううん、何でも無いよ」

 

「そうか?………」

 

「そ、それより、私達も行こうよ」

 

そう言って、学園祭の中へ行こうと弘樹を促すみほ。

 

「………そうだな。行くか」

 

「うん!」

 

弘樹がそう返すと、みほは笑みを浮かべて、弘樹と共に男子校の学園祭の中へと繰り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗国際男子校・正門前………

 

「…………」

 

多くの人が出入りしている正門前で、小太郎が時間を気にしながら、ソワソワとした様子で立っている。

 

すると………

 

「ヘーイ! 小太郎ーっ!!」

 

陽気な声を響かせながら、私服姿のケイが、小太郎に向かって手を振りながら現れた。

 

「! おおっ! ケイ殿!」

 

「お招きサンキューね。ホントは昨日の内に来たかったんだけど、予定が押しちゃってね~」

 

前屈み気味になって小太郎にそう言うケイ。

 

彼女の私服は胸元を含めて色々と大胆に空いている服なので、当然その豊満なバストが強調される。

 

「! ブフッ!………」

 

鼻血を噴きそうになるのを必死に堪える小太郎。

 

「? どしたの?」

 

「い、いえ………何でもござらん」

 

「そう?………ま、いっか! じゃあ、案内宜しくね!」

 

ケイはそう言うと、小太郎の腕を取って、大洗国際男子校の敷地の中へと入って行く。

 

「ケ、ケイ殿!?」

 

腕を掴まれて引っ張られているので、当然小太郎の腕はその豊満なバストに接触している。

 

(ぐおおおおおおおおっ!?)

 

心の中で叫びを挙げながら、小太郎は半ば気絶した状態で引っ張られて行くのだった。

 

ナムサン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗国際男子校・運動場………

 

ラクビーコートにて………

 

そこでは、武志達ラクビー部の面々が、エキシビションマッチとして、大河率いる大洗連合との試合を行おうとしていた。

 

「野郎共ぉっ! 俺達の特技は何だぁっ!?」

 

「「「「「「「「「「殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!」」」」」」」」」

 

「この試合の目的は何だぁっ!!」

 

「「「「「「「「「「殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!」」」」」」」」」

 

「俺達はラクビー部を愛しているかぁっ!? 大洗を愛しているかぁっ!?」

 

「「「「「「「「「「ガンホーッ!! ガンホーッ!! ガンホーッ!!」」」」」」」」」」

 

「良し! 行くぞぉっ!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

エキシビションマッチと言えど、スポーツマンとして全力を尽くす積りなのか、いつも通りにキリングマシーンと化す武志とラクビー部員達。

 

「ハハハ! えろう気合入っとるやないけ! ワイ等も負けてられへんでぇっ!! 根性見せいっ!!」

 

「「「「「「「「「「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

普通の人間ならビビって逃げ出す状況だが、そこは大河の率いるバンカラ集団。

 

怯むどころか、逆に闘志を燃やしていた。

 

「黒岩くん! エキシビションマッチとは言え、お互いに全力を尽くそうじゃないか!!」

 

「当たり前や! 半端な試合してもうたら、お客さんに申し訳が立たへんからなぁっ!!」

 

そこでそう言い合い、握手を交わす武志と大河。

 

それによって、先程までの殺気を感じる雰囲気に飲まれていた観客達が、安堵の息を漏らす。

 

「武志ー! 頑張れーっ!!」

 

とそこで、観客席に居たアヒルさんチームの面々の中で、典子が武志にそう声援を送る。

 

「ホラ! 忍も黒岩さんの応援しなよ!!」

 

「えっ!?」

 

突然典子からそう振られ、忍が動揺する。

 

「ホラ、早く!!」

 

「ハ、ハイ………大河ーっ! 頑張んなさいよーっ!!」

 

「おう! 任せとけいっ!!」

 

再度促されると、忍はそう声援を送り、大河が拳を突き上げてそれに返礼する。

 

「うふふ………」

 

「ふふふ………」

 

と、そんな忍の様子を見ていた妙子とあけびが笑いを零す。

 

「な、何よ、2人共」

 

「いや~、何て言うか~」

 

「微笑ましいと言うか~」

 

忍が問い質すと、妙子とあけびはニヤニヤしながらそう返す。

 

「! ち、違うんだからね! そんなんじゃないんだからね!!」

 

「「うふふふふ………」」

 

「?…………」

 

慌てる忍に、妙子とあけびは意地の悪そうな笑いを零し、典子はワケが分からないと言った様子を見せるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗国際男子校・部室棟………

 

映画研究部の部室………

 

映画研究部が製作した映画の上映会に、男子校・女子学園の生徒会メンバーと風紀委員メンバーが集まっていた。

 

「だから! 貴方のやり方は甘いって言ってるの!!」

 

「君のやり方が些か厳しいのではないのか?」

 

「学園の風紀を守る為に必要な事です!」

 

「厳しさばかりでは人は付いて来ない………大切な事はさじ加減だ」

 

「ああ、もう!!」

 

紫朗と激しい口論を繰り広げているみどり子。

 

最も、どちらかと言うと、みどり子が噛み付いて来てるのを、紫朗がやんわりと諭していると言う感じだが………

 

「また揉めてる………あの2人………」

 

そんな紫朗とみどり子を見て、モヨ子がそう愚痴る様に呟く。

 

「またと言う事は………以前にも?」

 

「ええ………女子学園と男子校の風紀委員の会合で顔を合わせる度に、方向性の違いであんな感じに………」

 

それを聞いた十河がそう尋ねると、モヨ子はそう返す。

 

「お蔭で何時も会議が長引いて………」

 

「そうか………いっそのこと、君が委員長になった方が良いのではないか?」

 

するとそこで、十河はモヨ子にそんな提案をする。

 

「!? ええっ!? わ、私がですか!? む、無理ですよ~」

 

「リーダーが組織の長として相応しくないと思うのなら当然の行為だ。それに、何時までも人の下に付いて居るだけで終わる積りか?」

 

「わ、私は………」

 

(そして、女子学園の風紀委員を味方に付ける事が出来れば、俺の野望は前進するというもの)

 

十河の提案に思い悩む様な様子を見せるモヨ子と、密かに野心を燃やしている十河。

 

「副会長………何か企んでるんですかね?」

 

「ま、アイツの詰めの甘さなら放っといても心配無いと思うけどな」

 

「いつもの事なんだね………」

 

しかし、その野心はすっかり見透かされており、逞巳と俊、元姫がそう呟き合う。

 

「お~い、そど子~。もうすぐ映画が始まるから、静かにしててね~」

 

とそこで、杏がみどり子に向かってそう言い放つ。

 

「会長! だからそど子って言わないで下さいっ!!」

 

「やあやあ、お待たせ。準備が出来たよ」

 

みどり子が抗議の声を挙げたところに、映写機を弄っていた鋼賀がそう言って来た。

 

「鎧くん、今回の映画はどんなもの何だい?」

 

迫信が鋼賀に、上映する映画の内容について尋ねる。

 

「前回の『大洗国際警察』は凄く面白かったよね」

 

「うん。特に傘でバスにぶら下がるシーンや、デパート内での格闘シーンが凄くドキドキハラハラしたよ」

 

そこで柚子と蛍が、以前に公開した作品『大洗国際警察』でのアクションシーンを思い出してそう言い合う。

 

「いや~、そう言って貰えると、主演として頑張った甲斐があるよ」

 

「………1つ聞いても良いか? ラストのシーンで30メートルを棒に掴まって滑り降りて、感電しながらガラスの天井に突っ込んだシーンも………本当なのだな?」

 

鋼賀がそう言うと、桃がそう尋ねた。

 

「勿論! 僕の映画は合成やワイヤーアクション、そしてスタントマン無しが売りだからね」

 

「正気とは思えんな………」

 

「命知らずここに極まれりか………」

 

自慢げに鋼賀が返すと、桃は冷や汗を掻き、熾龍もそう毒舌を吐く。

 

「命を張ってこそ、真のアクション映画が撮れると言うものさ」

 

「あの、鎧さん………その信念は理解しますけど、もっと命は大事にして下さいね。鎧さんの映画が見れなくなったら、悲しいですから………」

 

とそこで、希美が心配そうな様子で鋼賀にそう言う。

 

映画好きな彼女は、鋼賀の作品の大ファンなのである。

 

「大丈夫、大丈夫。もし死神が見えたって、笑い飛ばしてやるさ。じゃあ、始めるよ。内容は見てからのお楽しみさ」

 

そして鋼賀は映写機のスイッチを入れ、部屋を暗くすると、映画の上映を始めるのだった。

 

今回の作品のタイトルは『私は誰?』

 

主役の活動中の事故で記憶を失い、ひとりぼっちになってしまった某国特殊部隊の隊員役の鋼賀が、自分の素性を求めて旅に出るといった物語である。

 

激しく奇想天外な格闘アクションや豪快なカースタントが目白押しであり、特にラストでの高層ビルを滑り台の様に滑り降りて行くシーンは冷や汗ものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗国際男子校・出店エリア………

 

そこには、1年生チームとハムスターさん分隊を中心にしたメンバーの姿が在った。

 

「ねえねえ、桑原くん。このストラップ如何かな?」

 

そう言ってあやは、白い饅頭に顔と履帯が付いた様なキャラのストラップを正義に見せる。

 

「あ、あ~………い、良いんじゃないっすか?」

 

若干困った様な様子を見せながら正義はそう返す。

 

「ああ~! ブラックオックスの超合金フィギュアだぁ~っ!!」

 

と、フリーマーケット的な出店に並んでいた商品の中に、『鉄人28号』に登場するライバルロボット『ブラックオックス』の超合金製フィギュアを発見した桂利奈が、歓喜の声を挙げる。

 

「如何だい? 今ならお安くしとくよ?」

 

店員をやっている男子生徒がそう勧めて来る。

 

「買う! 買いま~すっ!!」

 

そう言いながら財布を取り出す桂利奈。

 

「………あっ!? ちょっと足りない!?」

 

しかしそこで、手持ちが値段の金額に僅かに足りてない事に気づく。

 

「あ~、それじゃあ売れないね~」

 

「ええ~っ!? そんな~っ!? ま、負けてくれませんか!?」

 

「う~ん、コレも結構なお宝だからね~」

 

値引きを交渉しようとする桂利奈だったが、如何にも負けてくれそうにない。

 

すると………

 

「桂利奈ちゃん。ココは俺に任せな」

 

そう言いながら、圭一郎が割り込んで来た。

 

「! 伊達先輩!」

 

「あ、伊達さん」

 

如何やら店員の男子生徒は圭一郎の知り合いらしく、圭一郎を見てそう声を挙げる。

 

「ちょっと良いか?………」

 

圭一郎はそう言うと、店員と肩を組み、桂利奈から少し離れる。

 

「………でだな………紹介してやっから………」

 

「! マジっすか!?………そ、そう言う事なら………」

 

「??」

 

時折何かボソボソと言い合うのが聞こえて、桂利奈は首を傾げる。

 

「やあやあ、お待たせ! 特別サービスで半額で売っちゃおう!!」

 

と、戻って来た店員は、先程までの態度が嘘の様に、5割引きで売ると言い出した。

 

「! マジっすか!?」

 

「マジマジ! 持ってけドロボーッ!!」

 

「わ~い! やった~っ!!」

 

お金を渡し、超合金フィギュアを受け取った桂利奈は、飛び上がって喜ぶ。

 

「ありがとう~! 伊達先輩~!!」

 

と、勢い余ったのか、そのまま圭一郎に抱き付く桂利奈。

 

「ハハハ、お安い御用さ………(意識して無い行動なんだろうな)」

 

桂利奈にそう返しながら、圭一郎は内心そんな事を思うのだった。

 

「やっぱり戦車道やるんなら歩兵道やってる人と付き合うべきだよね~」

 

「そうですね。その方が話も合わせ易いでしょうね」

 

「うんうん………ところで~、竜真くんって、彼女居る~?」

 

「えっ? いや、僕にはそう言う関係の女性は特に………」

 

「ふ~ん、そうなんだ~」

 

「あ、あの………何か?」

 

「うふふ~………」

 

竜真と会話をしていた優季が意味有り気に笑う。

 

「優季さん、確か………戦車道の話をしていて、彼氏に逃げられたんでしたっけ?」

 

「そうらしいけど………優季ちゃんの事だから、本当に彼氏だったのかは怪しいな」

 

「そうなんですか………」

 

傍でその会話を聞いていた光照とあゆみもそんな会話を交わす。

 

「………ハア~~~」

 

一方で、1年生チームの纏め役である梓は、オープンカフェの出店の一角で、テーブルについて溜息を吐いていた。

 

「如何しました? 梓さん?」

 

その梓と向かい合う様に座っていた清十郎がそう尋ねる。

 

「あ、うん………コレから益々試合は厳しくなるけど、大丈夫かなって思って………私達のチームって、いつもあんまり役に立ってない気がするから………」

 

「そんな事ないですよ。パシフィック戦じゃ大活躍したじゃないですか」

 

「ありがとう………でも、他の試合じゃやられちゃってばかりだし………こういう時こそ、リーダーの私が頑張らないといけないとは思ってるんだけど………他のチームの先輩達と比べて、イマイチ皆を纏めきれてないって言うか………」

 

自信無さ気にそう言う梓。

 

「………梓さん。梓さんはもっと自信を持って良いと思いますよ」

 

するとそこで、清十郎は梓にそう言い放つ。

 

「えっ?」

 

「確かに、他のチームの皆さん………特に西住さんや舩坂さんなんかは類稀なるリーダーシップを持っています。でも、リーダーも十人十色です。西住さんや舩坂さんみたいな人が理想的なリーダーとは限りません」

 

「…………」

 

清十郎の話に聞き入る梓。

 

「僕の個人的意見ですけど………梓さんは見事にチームを纏めてると思います。だから自信を持って下さい。例え根拠が無くても、自信を見せるのもリーダーとして必要な事ですよ」

 

「………ありがとう、清十郎くん」

 

「如何致しまして」

 

そう言い合い、梓と清十郎は、互いに笑みを浮かべたのだった。

 

「…………」

 

「う~~ん………何時飲んでも、ジャパニーズティーは不思議な味がしマス」

 

そして、その隣のテーブルでは、紗希とジェームズが緑茶を飲み合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は流れ、夜となり………

 

大洗学園艦の学園祭の最終日………

 

花火が夜空を染めている中………

 

大洗男子校から大洗女子学園へと向かう通りにて………

 

一般車が通行止めとなっている通りを大洗機甲部隊が行進していた。

 

しかも、戦車や車輌が電飾で飾り付けられており、まるで某夢の国のパレードの様である。

 

「わあ~、凄~いっ!!」

 

「綺麗~っ!!」

 

歩道からその様子を見ている通行人からそう声が挙がる。

 

「うふふ………」

 

先頭を行くあんこうチームのⅣ号のキューポラから姿を見せているみほが、そんな通行人達に笑顔で手を振る。

 

「…………」

 

その周りを護衛して随伴して居るとらさん分隊の中の弘樹も、陸軍式敬礼の姿勢を取っている。

 

こうして、2日間に渡った大洗学園艦の学園祭は………

 

その幕を閉じたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

女子学園側の学園祭で、あんこうチームのカップリングをお送りしたので、今回は他チームのカップリングを発表も兼ねてお送りしました。
まだもう少しカップリングは増える予定なので、楽しみにしていて下さい。

さて次回からは新分隊結成編です。
編と付けたのはまた1エピソードあるからです。
またまた個性豊かなキャラが登場しますので、お楽しみに。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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